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はじめに

 この書籍は研究を志す際に基礎として理解すべき事項が解説されています。放送大学で濱田先生の放送をたまたま見て本書籍を購入しました。研究員だった時代に、キラキラしたくて研究所に入所しましたと言った新入社員に読んでもらったりしました。

科学的探求の方法 目次2.png

ポイント

科学とは何か

  • 客観性、実証性
  • 法則的・体系的な知識
  • 再現性
  • 予測性
  • 人文・社会科学の特徴
    絶対的な客観性や実証性ではなく、不確実性を認め、観測する事象は観測する者によること、そして、唯一の客観的真実の存在が望ましいが、真実が複数存在する可能性を認めること、が主流になってきている。

科学における用語と表現

  • 専門用語・変数・定数・単位、有効数字
  • 人文・社会科学における言葉と表現
     - 「金持ち」のように概念を扱うので定義の正誤の論争が耐えない
     - 「金持ちは幸せなのか?」は金持ちを年収1000万円以上などのように操作的定義しないといけない

何を問題にするのか

  • 多様な研究の動機
  • 日常の中に本質を見出す 寺田寅彦に学ぶ。
     自然科学は自然から学ぶことであるから、自然現象を予断や偏見なく観察することが重要である。
     「いわゆる頭のいい人は、言わば足の早い旅人のようなものである。人より先に人のまだ行かないところへ行き着くこともできる代わりに、途中の道端あるいはちょっとした脇道にある肝心なものを見落とす恐れがある。頭の悪い人、足の鈍い人が、ずっと後から遅れて来て、わけもなくその大事な宝物を拾っていく場合がある。
     頭いい人は、言わば富士のすそ野まで来て、そこから頂上を眺めただけで、それで富士の全体をのみ込んで東京へ引き返すという心配がある。富士はやはり登ってみなければわからない。・・・」
  • 問題の発見
     学問の本当の面白さ、あるいは重要なことは「問題の解決」ではなく、「問題の想像」であると言われる。
  • 勉強ができることと、研究ができることとは、ぴったり一致するわけではない。
  • 博士課程の学生でよく見られる間違いは、一生をかけても結果が出せるかわからないような大きな研究課題に取り組もうとすること。

研究の準備

  • 旅立ちの準備 登山にたとえて
     1. 体力は十分か。
     2. どの山に登るかが明確になっているか。
     3. 登山道具はそろっているか。
     4. 仲間との連携がしっかりとしているか。
     5. 経験者の話を聞いておく。
     6. 事前情報を確認しているか。
  • 先行研究
     - 先行研究を十分に調べるべき。批判的に読むのが大事。
     - 一方で、ほどほどにすることも大事。やり尽くされているという気持ちになる場合がある。
  • 人文・社会科学における研究準備 先行研究レビューの4つの目的
     1. 研究テーマにおける知識体系に馴染む。
     2. 先行研究と自分の研究がどのようにつながるかを探る。
     3. 研究テーマにおいて何が事実として認知されているかを知る。
     4. 他の研究者から学び、新しいアイディアを想像するための刺激とする 。

研究のプロセス

  • 科学研究で用いる発見のための論理
     1. 観察により何らかの問題点の発見。
     2. 観察を説明し得る仮説を提案。
     3. 仮説に基づく予測。
     4. 予測結果を検証する方法を考案。
     5. 検証結果に基づき仮説の妥当性を検討。
       妥当なら法則として、適用範囲を広げる。
       妥当でなければ、仮説を廃棄し、新たな仮説を立てて繰り返す。
  • 仮説の発見
     哲学者パースによって提唱された。論理的には正しくないが、ブレークスルーに大きく貢献してきた事実がある。
     1. 意外な新しい現象Pが観測される。
     2. 仮説Hを真だとすると、結果としてPが説明できる。
     3. したがって、仮説Hは真だと考える理由がある。

領域の拡大

自然(社会)に働きかける

データの整理

原因と結果

  • 因果関係を確立するには3つの条件をクリア
     - AとBに相関関係が存在する。
     - 時系列でAがBより先に起こっている。
     - A以外にBの結果を引き起こす原因が他に考えられない。

分類と法則の表現

視野の拡大

研究成果の利用

  • 学会活動。学会誌、研究会、ポスター発表、シンポジウム、チュートリアル、…
  • 査読制度。審査基準。
    • 内容がその学会・学術論文の守備範囲か。
    • 主要部分に新たな知見やアイディアが含まれているか。
    • 関連する先行研究を包括的かつ公正にレビューしているか。
    • データの収集・分析に用いられている手法は適切か。
    • 結果に対する解釈は妥当か。
    • 結果から導き出された結論は妥当か。
  • 学会の質。インパクトファクター。被引用数

論文の書き方

研究成果の発表と討論

  • 聞き手は誰か。
  • スライドのデザイン。

科学の使命

  • 文系と理系
  • パラダイム転換

書誌情報

  • 書籍名:科学的探求の方法
  • 著者:濱田嘉昭
  • 出版社:財団法人 放送法人教育振興会
  • ISBN:978-4-595-31290-8

参考

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