Zabbixとは、ネットワークやサーバーの監視を自動化するオープンソースの監視ツールです。
こちらの本体およびドキュメントは英語で作成されているのですが、有志による翻訳の場が設けられており、日本語でもZabbixが利用できるようになっております。
私も昨年より翻訳に参加しており、気が付いたら1年経ち、7.0の日本語版ドキュメントの公開にも貢献できたとおもいますので、ちょっと振り返りの記事を残してみたく思います。
(本体(UI)の翻訳もできるのですが、私はドキュメントに注力しているため、ドキュメントについて書いております)
この記事で一番言いたいこと
Zabbix翻訳者増えてくれ。
Zabbix翻訳参加について
こちらに翻訳の参加方法、ルールなど記載されております。
こちらが実際に翻訳を投稿するサイトです。
ざっくりいうと、翻訳投稿サイトに登録するだけで参加できます。
翻訳の投稿単位は大体段落です。
何か申請や審査があるわけではないので、大変気楽に簡単に始められます。
翻訳開始した当時、どうだった?
翻訳を開始した当時、Zabbixの最新バージョンは6.4、最新LTSバージョンは6.0でした。
翻訳対象となっていたドキュメントは6.0と6.4のみであり、6.2のドキュメントは英語しかありません。
公開されていた日本語ドキュメントはその実、古くなって内容がそぐわなくなったものまでそのまま公開されたりしておりました。
(↓翻訳が古くなっていたり、翻訳されていない部分があるページにでる表示)
そもそも翻訳率もちょっと微妙で、さらにLTSでもないからでしょうか、6.4はさらに翻訳率が低く、日本語ドキュメントは鵜呑みにしてはまずいのでは?という疑念が湧くほどでした(6.0: 78%、6.4: 35%)。
翻訳して1年、何が起きた?
Zabbix 7.0(LTS)、7.2のリリース
翻訳対象メンバーに7.0、7.2が追加されました。
これでわかったのですが、翻訳自体はまず直前バージョンのドキュメントを複製しており、原文に変更がなければそのまま正しい翻訳として採用されます(ステータス:Translated)。
原文に変更があったものは翻訳案のような状態で残り(ステータス:Missing)、翻訳されたドキュメントとして公開されます(!?)
翻訳対象メンバーに追加された当時、7.0と7.2の日本語ドキュメントは公開されておりませんでした(公開基準を満たしていなかった)
Zabbix 6.4が翻訳対象から除外
たしか7.2が追加された少し経った頃、6.4の翻訳ができなくなりました。
日本語のドキュメントの公開が終わったわけではなく、ただ翻訳のみができなくなっております。
先ほど翻訳率が35%だったと書きましたが、50%すら届かない段階だったと思うので、おそらく多くの誤りを含んだままの6.4の日本語訳ドキュメントが公開され続けているということです。
翻訳して1年、何ができた?
少しずつですが翻訳を続けてまして、その成果はわかりやすく翻訳率に反映されております。
例えば6.0のドキュメントも72%から87%まで向上し、終わりが見えたというにはもうちょっと遠いですが、確実に進んでおります。
Zabbix 7.0 日本語ドキュメントの公開
7.0ドキュメントが翻訳に追加された時、翻訳率が42%ほどからスタートしました。
それから51%まで翻訳率が上がり、ついに先日、日本語ドキュメントとして公開されました!
おいかけ翻訳している7.2もドキュメントも49%まで到達しましたので、日本語ドキュメントが公開されるのもそう遠くないと思います。
ちなみに公開の条件の記載は見当たらないのですが、中国語が50%に至る前に公開されていたので全体翻訳率は条件ではなさそうです。
(翻訳が完了したページの割合かなと見当をつけております)
褒賞を頂いた
なんとZabbixには翻訳量に伴ったちょっとした褒章が存在し、すべて頂くことができました。
クリアファイルなどのちょっとしたグッズから、リュックサック、最後はなんとZabbix認定スペシャリストを無償でうける権利を頂きました。
自費で受けるとなかなかの値段をしており、まさに現金な話ですがありがたいです。
翻訳について
正直自信ない
機械翻訳をして変なところを直して公開を続けているのですが、正直なところ内容の正しさに自信がありません。
どうせ英語が読めない人は機械翻訳をするしかないのだから、それよりちょっと上等なものがお出しできれば良いという気持ちでいるのですが、それでもやはり正しさの担保がなさ過ぎて、だれかもっと英語に自信がある人が見なおしてくれないかなあの気持ちです。
人手が足りなさすぎる
自分でもなんか謎に頑張ったなと思った1年なのですが、それでも道のりは長く、このペースのままさらに1年経てば6.0の日本語ドキュメントの翻訳率は100%になるでしょうか。
しかしその前に8.0LTSがでて6.0は翻訳対象から外れてしまう気がします。
そもそもドキュメントの読みやすさとは
英語には自信がないですが、日本語は母国語として生きて久しいので、読みやすい文章についてはかなり考えました。
いわゆる直訳だと読めないわけではないですが、日本語の言い回しとして違和感があり読みづらく、なかなか頭を悩ませる部分となりました。
そしてそもそもドキュメントとして読みやすい文章とは?
このような点でも改善案を出してくれる誰かが欲しく思っています。
あとがき
なんだかネガティブぎみな文章になってしまいましたが、成果が数値として表示され、また確実に誰かの役に立てているだろうことは大変なモチベーションとなっております。
そして翻訳を通してより細かく集中してドキュメントを読み込むことは自分の学習に大いに役立っているはずです。
まずは翻訳率を、そして次は品質をあげるため、翻訳参加ぜひよろしく願いします!
日本Zabbixユーザー会のイベントがあり、しかも翻訳に関する登壇もありましたので、ここぞとばかりに記事を書きました。
これを機に翻訳者が増えてくれることを願っております……!
翻訳にはだれでも参加できますので、ぜひお願いします。