こんばんは。10分で生産的なミーティングができるWebサービス「minmeeting」を開発している伊勢川です。
年度の切り替わりの時期ということで、これまで2年目になるエンジニアの方々に向けて、二年目病とその予防法を取り上げてきました。なかなか好評のようなので、今度はもっと上の年次で30歳も視野に入ってきたころになりやすい5年目病について取り上げたいと思います。またまた余計なお世話で申し訳ありませんが、20代の大事な時期をくだらないつまづきで浪費してほしくないため、あえて書かせていただきます。
似非プロフェッショナリズム病
自分の専門家としての成果のみを追求し、仕事の目的を見失うこと。それをここでは「似非プロフェッショナル病」と呼ぶことにします。5年目にもなると、自分しかできないような専門性の高い仕事が増えてくるでしょう。しかし、そこで勘違いをすると、せっかく専門性とスキルが高くても、会社としてはイマイチ使えない人になってしまいます。
症例
品質とパフォーマンスが正義。品質=バグがないことと思っており、バグ潰しに余念がない。バグでなければなんでもよく、意味の分からないバグ的な仕様を量産している。
UX=パフォーマンスと信じており、アニメーションのガタつきや、ちょっとでも待たされるUIは親の敵よりも許せない。しかし、画面デザイン・レイアウト・色・フォントなどはデザイナーの仕事だと思っており、多少見づらい画面でも、機能が揃えば自分の仕事は終わりだと思っている。
美しいコードに人生をかけており、美しいコードが書き上がるまで、何度も書き直しをする。スケジュール管理はプロジェクトマネージャーの仕事なので、遅れたのは自分のせいではなく、書き直しをする時間を計画に入れていなかったプロジェクトマネージャーのせいだと思っている。
それどころか、コードの仕上げのプロセスをしらないプロジェクトマネージャーを、ものづくりのいろはも知らないバカだと思っている。エンジニアあがりのマネージャーならまだしも、エンジニアとしてろくな成果も出せずに脱落してマネージャーになったような人は、エンジニアの便利な小間使い程度にしか思っていない。
予防法
自分が担当している部分の目的が、全体の目的と同じものと勘違いすることによって、余計なことにエネルギーを費やし、結果として全体の生産性を下げています。
本当のプロフェッショナルは、全体の目的を達成するために自分の専門性を発揮する人で、自分の専門分野の最適化のみを追求する人ではありません。
ここまで極端ではなくても、私自身も若い頃にそういう感じだった時期があったように思います。
専門性を追求したくなる気持ちはわかります。しかし、それが目的に対してどう役立つのか、目的から考えて他にもっと優先すべきことはないのかを常に考え、お客様や上司に確認をすることで予防することができます。