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同じ強い表現でも、CSで「受け取り方」が分かれる理由

Last updated at Posted at 2025-12-22

はじめに

はじめまして。
CSの仕事に携わって16年ほどになります。

日々、お問い合わせ対応をしていると、
お客さまから 強い表現 を含むメッセージが届くことがあります。

多くの場合、それ自体がすぐに問題になるわけではありません。

ただ、現場で仕事を続ける中で感じてきたのは、
同じ強い表現であっても、受け取る人によって意味合いが大きく変わることがある という点です。

この「受け取り方の差」は、単なる感じ方の違いで終わる場合もあれば、
兆候の見落としや、組織としての判断が遅れる要因 になることもあります。

この記事では、

  • なぜ強い表現に対して受け取り方の差が生まれるのか
  • その差がどのような影響につながり得るのか
  • その前提に立ったとき、CSとしてどのように向き合うべきか

を、実例を交えながら整理してみたいと思います。

1. 受け取り方が分かれやすい場面の例

CSでは、次のような 強い表現 を目にすることがあります。

・「このままだと晒します」
 → 強い不満の延長として受け取られることもあれば、
  拡散の兆候として注意が必要だと感じられることもあります。

・「法的に問題があるのでは?」
 → 正当な確認の一環と受け取られる場合もあれば、
  法的な主張につながる可能性を意識する必要があると感じられることもあります。

・「期限までに対応してください」
 → 単に急いでいる要望に見えることもあれば、
  感情の高まりやトラブルの前触れとして受け取られることもあります。

このように、同じ表現であっても、
受け取る立場や視点によって意味合いが変わる場面 がCSにはあります。

2. なぜ受け取り方の違いが生じるのか

では、どうしてこのような違いが生まれるのでしょうか。
私自身の経験から、大きく3つの理由があると感じています。

① 見えている情報の範囲が違う

お客さまと直接やり取りしている立場、
複数の問い合わせを横断的に見ている立場、
会社としての影響を考える立場。

それぞれ、見えている情報の範囲が異なります。
前提が違うため、同じ文章でも解釈が変わります。

② 経験によって気づけるポイントが違う

経験が浅い場合は、文章をそのまま受け取ることが多い一方で、
経験を重ねると、過去の事例や傾向と照らし合わせて
「この言い回しは少し気になる」と感じる場面が増えます。

どこに引っかかるかが変わることで、
受け取り方にも差が生まれます。

③ 強い表現に触れ続けることによる慣れ

CSでは日常的に強い表現に触れます。
その結果、刺激に慣れてしまい、
本来拾っておきたいサインを軽く見積もってしまうこと もあります。

こうした違いは、
誰かが間違っているわけでも、能力差の話でもありません。
役割や経験の違いから、自然に生まれるもの だと感じています。

3. 受け取り方の違いが生む影響

受け取り方に差があること自体は、避けられません。
問題になるのは、その差が共有されないまま対応が進む場合 です。

例えば、

  • 個人の判断のまま進み、本来拾うべき兆候に気づけない
  • 受け取り方の違いが可視化されず、リスクが潜在化する
  • 適切なタイミングで相談や連携が行われない

といったことが起こり得ます。

結果として、
組織としての判断が遅れたり、対応の幅を狭めてしまう可能性 があります。

4. 受け取り方の違いを前提とした仕組み

受け取り方の差はなくせません。
だからこそ、その差を 個人の中に留めない仕組み が重要になります。

私が現場で向き合ってきた中で、
特に重要だと感じているのは次の3点です。

エスカレーションの仕組み

判断を個人の感覚だけに委ねないために、
「迷ったら上げる」ではなく
どの状態で、どの判断に切り替えるのか をあらかじめ決めておく。

これは、判断の責任を個人に集中させず、
兆候の見落としを防ぐための土台 になります。

例えば、
どの表現をどのリスクレベルとして扱うかを整理した基準表を用意しておくことで、
個人の感覚に頼らず判断を切り替えられる状態を作ります。

※リスクの受け止め方を揃えるための基準整理の一例
スクリーンショット 2025-12-22 160330.png

記録の仕組み

その場限りの感覚で終わらせず、
「何に違和感を持ったのか」「どう判断したのか」 を残す。

記録があることで、判断が属人化せず、
組織として学習・改善していくこと ができます。

相談・連携の仕組み

正解が分からない段階でも相談してよい前提を作ること。
誰に、どのように相談すればよいのかを明確にすること。

これは、迷いを抱え込ませず、
心理的な負担がリスク管理に波及するのを防ぐための仕組み です。

おわりに

強い表現に対する受け取り方が分かれるのは、
CSの仕事をしていれば自然に起こることです。

問題は、
その違いを前提とした仕組みがない場合、判断が個人の感覚に閉じてしまう点 にあります。

個人の感覚には限界があります。
だからこそ、
受け取り方の差を共有し、組織として判断できる状態を作ることが、
結果的にリスクを抑えることにつながる と感じています。

この記事が、
CSの現場で起きていることを整理して捉える
一つの視点 になれば幸いです。

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