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DNSとAWS Route 53の基本

Last updated at Posted at 2025-02-10

はじめに

個人開発を進める中で、独自ドメインを設定するために AWS の Route 53 を触る機会がありました。その際に、DNS の仕組みや Route 53 の使い方について理解を深める必要があると感じたため、今回の記事では DNS の基本から Route 53 の機能までを整理してまとめます。

1. DNSとは何か

1.1 DNSの基本概念

DNS (Domain Name System) は、インターネット上でドメイン名を IP アドレスに変換する仕組みです。
例えば www.example.com192.0.2.1 のような IP アドレスに変換することで、ユーザーがわかりやすい URL を使ってアクセスできるようになります。

なぜ DNS が必要なのか?

  • 人間にとってわかりやすい: 数字の羅列である IP アドレスを直接覚えるのは現実的ではない。
  • 柔軟な管理が可能: サーバーの IP アドレスが変更されても、ドメイン名を更新するだけで対応可能。
  • 負荷分散や可用性向上: DNS を利用したロードバランシングが可能であり、トラフィックの分散が容易になる。

1.2 DNSの階層構造と解決プロセス

DNS は階層構造を持ち、問い合わせの際には以下のような流れで名前解決が行われます。

  1. ルートDNSサーバー (.): 世界中の DNS の起点。
  2. トップレベルドメイン (TLD) サーバー (.com, .net など): 各 TLD の情報を保持。
  3. 権威DNSサーバー: 特定のドメインについての情報を保持し、最終的な応答を行う。

クエリの流れ

  1. ユーザーが www.example.com にアクセス。
  2. クライアントの DNS リゾルバがルートDNSサーバーへ問い合わせ。
  3. com の TLD サーバーを案内される。
  4. example.com の権威DNSサーバーへ問い合わせ。
  5. www.example.com の IP アドレスを取得し、クライアントがサーバーに接続。

2. AWS Route 53とは何か

2.1 AWS Route 53の概要

AWS Route 53 は、Amazon が提供するスケーラブルなマネージド DNS サービスです。インターネット向けの DNS 解決だけでなく、AWS の他のサービスとの統合も容易にできます。

2.2 主な機能

機能 説明
DNS名前解決 ドメイン名を IP アドレスに変換する基本機能
ドメイン登録 Route 53 経由で独自ドメインを購入・管理可能
トラフィックルーティング 地域やヘルスチェックの状態に応じたルーティング設定
ヘルスチェック エンドポイントの可用性を監視し、障害時に別の経路に切り替え
レイテンシーベースルーティング ユーザーの地理的な位置に応じて最適なエンドポイントを選択
GeoDNS 地域ごとに異なる IP を返す設定が可能

3. DNSレコードとRoute 53の対応表

AWS Route 53 では、標準的な DNS レコードをサポートしています。

レコードタイプ 役割 Route 53の設定イメージ
Aレコード ドメイン名をIPv4アドレスにマッピング ホストゾーン内で指定
AAAAレコード ドメイン名をIPv6アドレスにマッピング 必要に応じて設定可能
CNAMEレコード 別のドメイン名へのエイリアス サブドメインのリダイレクトに使用
MXレコード メールサーバーの指定 メールの受信ドメインを設定
NSレコード 権威DNSサーバーの指定 Route 53が自動生成
TXTレコード 任意のテキスト情報 (メール認証やドメイン所有確認) SPF/DKIM認証などに使用

4. まとめ

DNS はインターネットの基盤となる重要な技術であり、AWS Route 53 を活用することでスケーラブルで信頼性の高いドメイン管理が可能になります。

主なポイント

  • DNS の基本概念を理解 (ドメイン名→IP変換の仕組み)
  • DNS の階層構造を理解 (ルート、TLD、権威 DNS)
  • AWS Route 53 の機能を活用 (名前解決, ルーティング, ヘルスチェック)
  • 適切な DNS レコードを設定 (A, CNAME, MX, TXT など)

個人開発で独自ドメインを運用する際に、Route 53 を活用すると AWS のサービスと連携しやすく、スムーズにドメイン管理ができます。DNS の仕組みを理解することで、より柔軟な運用が可能になり、トラブル時の対応力も向上します。

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