🧭 この記事でわかること
人事システムに関する法改正対応の一環として、各社にシステム改修費用を案内する必要がありました。
そのため、Excelに記載された案内文をもとに、Power Automateを活用してOutlookで自動的にメール送信するフローを構築しました。
本記事では、そのフローの作成手順と工夫点について詳しく解説します。
🎯 何を作った?
Excelに記載された文章を読み取り、Outlookで自動的にメール送信するフローをPower Automateで構築しました。
実際に社内で運用した結果、メール業務の自動化とヒューマンエラーの削減に貢献しています。
🎯 何ができる?
- Excelに記載された文章を自動で読み取れる
- 宛先・件名・本文をExcelから取得してメール送信できる
- ノーコードで誰でも簡単に構築可能
- 定型業務の自動化により、作業時間を大幅に削減
🎯 どんな技術的知見がある?
- Power Automate DesktopによるExcel・Outlook連携
- 「開始行は整数値である必要がある」エラーの対処方法
- Excelのセルに記載された文章の読み取りと変数への格納
- Outlookでのメール送信処理とエラー回避の工夫
活用シーン例:
- イベント案内メールの各社一括送信
- 社内通知の一斉送信(個々の宛先として)
🛠️ 使用ツール・環境
- OS バージョン
- Windows11 23H2
- ツール
- Power Automate Desktop、Excel、Outlook
- フレームワーク
- なし(ノーコード中心)
🔄 完成形の流れ
① Excelの起動:対象ファイルを開く
② アクティブなExcelワークシートの設定:読み取り対象のシートをアクティブ化
③ Excelワークシートから最初の空の列や行を取得:メール宛先シートの最初の列を変数に格納
④ Excelワークシートから読み取る:メール宛先を読み取り、行に応じて変数に格納
⑤ アクティブなExcelワークシートの設定:読み取った情報を使ってメール送信
⑥ Excelワークシートから読み取る:本文を読み取り、変数に格納
⑦ Outlookを起動します:登録されているアカウントでOutlookを起動
⑧ Outlookからのメールメッセージの送信:送信失敗時の対応処理
🔧 各工程の詳細
⓪. 事前準備
事前にExcelファイルを準備します。
シートを「メール宛先」と「本文」で分けてそれぞれ画像の通りに作成します。
※本文を記載する際に宛名は必要ありません。(○○会社・○○様のような記載は不要)
後ほど変数として取得するので、メール本文のみ記載してください。
①. Excelの起動
Excelファイルを指定パスから開き、インスタンスとして保存します。
②. アクティブなExcelワークシートの設定(メール宛先)
③. Excelワークシートから最初の空の列や行を取得(メール宛先)
④. Excelワークシートから読み取る(メール宛先)
宛先・件名・本文などの情報をセルから読み取り、変数に格納します。
⑤. アクティブなExcelワークシートの設定(本文)
本文が記載されたシートをアクティブ化し、読み取り準備をします。
⑥. Excelワークシートから読み取る(本文)
⑦.Outlookを起動します。
⑧.Outlookからのメール メッセージの送信
Excelから取得した宛先・件名・本文を使ってメールを送信します。
📩 結果
成果:Excelに記載された文章をもとに、法改正費用の案内メールを複数の宛先に自動送信できた。
💬 実際に使ってみた感想(先輩談)
ちょうど各社に一斉メールを送る業務があったため、職場の先輩にこのフローを試してもらいました。事前にテストを行ったうえで、実際の案内メールを本ツールを使って送信したところ、問題なく成功しました!
これまでは、各社ごとに案内文をコピペして送信していたため、時間がかかるうえに、誤送信のリスクも高かったそうです。今回の仕組みでは、Excelに宛先と本文を記載しておくだけで、Power Automate DesktopがOutlookを使って自動で送信してくれるため、作業時間が大幅に短縮され、精神的な負担も軽減されたとのこと。
「初めて作ったものが自分以外の誰かの業務に役立った」という実感があり、とても嬉しかったです。今後もこうした仕組みを社内で展開していけたらと思っています。
📚 参考資料
- 忘れてた!!をなくそう。予定がきたら自動で発注依頼(メール送信)してくれるよ
https://x.gd/wv1Ur - Power Automate Desktopを使用して、今実施している作業が効率化できるか試してみた
https://x.gd/Arms8
📝 まとめ
Excelに記載された案内文をもとに、Outlookで自動的にメール送信する仕組みをノーコードで構築することで、作業時間の大幅な削減とヒューマンエラーの防止を実現。特に、複数の宛先に対して一括で正確に通知を送る必要がある場面では、非常に高い効果を発揮しました。
また、Power Automate Desktopの活用により、ExcelとOutlookの連携処理を柔軟に制御できるようになり、エラー対処や変数管理などの技術的工夫も随所に盛り込まれています。これにより、今後の業務テンプレート化や他部署への展開も視野に入れた、再利用性の高い仕組みとして社内に定着させることが可能です。