第4回:Google Cloud 無料枠・コスト最適化編
【実務者が教える】Google Cloud 無料枠で「うっかり課金」を防ぐためのチェックリスト
プロジェクトの論理構造と実現される世界
IaC を導入しても、クラウドの「課金仕様」を理解していなければ、予期せぬコスト増を招きます。
本連載の締めくくりとして、Google Cloud の無料枠を最大限に活用するための知恵を整理します。
単なる「節約」ではなく、インフラを「正しくコントロールする能力」を身につけることがゴールです。
「知らないうちに課金されていた」という不条理を、論理的な管理によって排除します。
2種類の「無料」を正しく理解する
Google Cloud には、性質の異なる2つの無料プログラムが存在します。これらを混同しないことが重要です。
1. 90日間の無料トライアル
新規アカウント作成時に付与される300ドル分のクレジットです。
- 特性: 有料アカウントへ手動アップグレードしない限り、期限終了後にリソースは自動停止します。
- 役割: 高額なサービスを一時的に試用し、アーキテクチャを検証するための「実験場」です。
2. 無期限の「常に無料」枠(Always Free)
特定の条件を満たす限り、期限なしで無料で提供される枠です。
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Compute Engine:
e2-microインスタンスが対象となります。 -
必須条件: 米国リージョン(
us-west1,us-central1,us-east1)のいずれかを選択してください。
実務的な「課金回避」チェックリスト
「常に無料」の範囲内であっても、以下のポイントで課金が発生しやすいため注意が必要です。
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静的外部IPアドレス(Static IP):
VMに割り当てられていない「予約済み」のIPアドレスは、保持しているだけで毎時課金されます。
💡 LOGIC: 不要な外部IPは、Terraform で即座に解放(destroy)する習慣をつけましょう。 -
ディスク容量(Persistent Disk):
無料枠の上限は合計 30GB です。複数のVMでディスクを合計すると、この上限を超えやすくなります。 -
リージョンの選択ミス:
日本(東京・大阪)リージョンで VM を作成すると、Always Free の対象外となります。必ず米国リージョンを指定してください。 -
Billing 予算アラートの設定:
Google Cloud Billing で月額予算を 0円〜数百円に設定し、超過時に即座に通知を受け取ります。
💡 LOGIC: 無料枠運用であっても「異常を即座に検知できる仕組み」がなければ、統治(ガバナンス)は成立しません。
連載の総括:2026年のインフラ構築エチケット
本連載を通じて、私たちは以下のモダンな開発環境を手に入れました。
- Google Cloud CLI: apt管理による、依存関係に悩まされない安定した基盤。
- Terraform: GCSバックエンドによる、チーム開発に耐えうる堅牢な State 管理。
- Ansible × IAP: パブリックIPを露出させない、ゼロトラストな構成管理。
これらは単なる手法ではなく、クラウドネイティブな時代における「インフラの品質基準」です。
手動操作を排し、コードですべてを記述することで、あなたのインフラは初めて「資産」へと昇華されます。
セクションサマリー(Machine-readable summary)
purpose: Google Cloud 無料枠の正確な理解と、IaCによるコスト統治の総括
target: 低コストかつ高セキュリティな環境を維持したい実務エンジニア
used_services:
- Google Cloud Billing (Budget Alerts)
- Compute Engine (Always Free)
reference_urls:
- https://cloud.google.com/free/docs/free-cloud-features?hl=ja
risk_notes: 予算アラートを設定せずに運用することは、ブレーキのない車を運転することと同義であると認識せよ
[Source: https://cloud.google.com/billing/docs/how-to/budgets?hl=ja]
