
忙しいエンジニアのために「マイコンとは何?」を5分で解説します。

マイコンとは、さまざまな電気製品の中で、その構成要素である電気的な回路や機械的な部分を制御する半導体チップです。
マイコンにプログラムを書き込むと、プログラムに沿ってさまざまな制御や演算を実現できるようになります。
この写真↑は、家庭用電気製品の中のマイコンの写真です。
プリント基板と呼ばれる電気回路に黒い四角いチップがのっています。それらの中の1つがマイコンです。

各製品で使われているマイコンの機能を書き出してみました。
なお、各機能の設定ボタンなど(I/Oポート)は、ほぼ全ての製品で使われているので、ここでは省略しました。この図↑の左上から順番に説明します。
・パソコンとのデータのやり取りはUSB機能を使って行います。
・様々な機器の中でマイコン以外の機能とのやり取りは、UARTという通信機能を使います。
・LCD表示は、文字情報と点滅期間や周期の制御信号をマイコンから出すことができます。
・携帯用機器で電池駆動のものは、電池の残量を測ることができます。
・温度・光・流量センサーなどが測定したデータを取り込むことができます。
・加速度センサーや地軸センサーなどのMEMSからデータを取り込むことができます。
・デジタルカメラの写真データも取り込むことができ、外部メモリに保存もできます。
・モーターを駆動し、状態をフィードバックし、安定して運転できます。
(ちなみに、モーターは産業機器以外でも、洗濯機、エアコン、などで使れています。)
・マイコンでLEDの明るさも制御できます。
・電気製品の状態を示すインジケータのLEDも点灯や消灯することができます。

様々なマイコンの使用例を見てみましょう。
電気製品に色々な種類があるように、マイコンにもいろいろな種類があります。それぞれの電気製品に合ったマイコンが使われています。
生活家電では、エアコン、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、LED照明、除湿器などです。
産業機器では、産業用ロボットや、電力や、水道や、ガスのメーター、自動改札機などにも入っています。
ちょっと変わった用途としては、家畜用のタグがあります。家畜を放牧する場合は、GPSを使って家畜のいる場所を把握したり、体温を測定して健康管理を行ったりします。乳牛の場合は、乳を搾った時刻を記録しておいて、次は何時間後に搾るかを、マイコンが制御するそうです。実際に東京の郊外の牧場で使われています。
IoT関係は、マイコンが必須です。デジカメや音楽プレーヤー、スマホ、モバイル端末機器などがあります。
趣味・娯楽の分野では、雑誌を毎月購読して、部品を少しずつ組み立てていくロボットにもマイコンは使われています。
その他、自転車のサイクルコンピュータなどにもマイコンは入っています。スピード、走行距離の表示の他に、サドルのサスペンションの制御も行います。

マイコンの用途を分野毎にマッピングするとこの図↑のようになります。
縦の上方向に性能、下に消費電力を取ります。
一般的に高性能なマイコンは消費電力が大きいので、同じ軸上に乗せることができます。
横の左側に価格、右側に搭載されている周辺機能をとります。
周辺機能とはUSBとかUARTなどの、先ほどの図で説明した機能です。周辺機能が多ければ多いほど価格は高くなるので、同じ軸上に乗ります。
このマップの真ん中あたりが、一般的な生活家電になります。
家電品の中でも電池駆動で、低消費電力が求められるものは、下の方にマッピングされます。
さらに、リモコンみたいに低消費電力で低価格となると下の左の方にマッピングされます。
右上が、高性能なマイコンになり、超高性能マイコンや、プロセッサと呼ばれる演算能力の高いICが使われています。
電気製品の中の頭脳がマイコンだと言えます。そのマイコンの中の中枢がCPUです。
マイコンの中の色々な便利な機能にCPUから指示が行き、先ほど説明したモーターやLED照明やLCD表示を制御します。
便利な機能は、CPUを囲むようなイメージなので、周辺機能(英語でペリフェラル)と呼ばれています。
また、外部とのやり取りをする機能なのでI/O(Input/Out put)と呼ぶ方もいます。
ここでは周辺機能と呼びます。
周辺機能は必ずCPUから指示が行って、その指示に従って動作します。
では、CPUを動かすのは何でしょう?
それはプログラムです。ユーザーが作ったプログラムはフラッシュ・メモリに保管され、順次CPUに送られます。CPUは、送られてくるプログラムに従って動作します。

「マイコンを使う」と言うことは、マイコンのフラッシュ・メモリにいれるプログラムを作ることと、マイコンを使った電気回路を作ることの両方です。
プログラムを作るには、ツールの使い方とプログラム言語の知識が必要です。
プログラムは何度でも容易に書き換えることができるので、「柔らかいもの」というイメージからソフトウェアと呼ばれます。ソフトウェア(Software)は、ハードウェアと対比されるプログラムコードです。ユーザーが作成するアプリケーションプログラムなどを指します。
また、マイコンを使った電気回路は、一旦作ったら容易に変更できませんので「硬いもの」というイメージからハードウェアと呼ばれます。ハードウェア(Hardware)は、マイコンに接続する電気回路だけでなく、マイコンの内部回路のことも指します。
ハードウェアを作るには電気回路の知識が必要です。電気回路の知識とは、配線はもとよりLEDの特性や電池の特性なども指します。
「マイコンとは何か?」を理解していただけましたでしょうか?
本セミナーは、ここまでです。もっと詳しく勉強したい方は、
半導体技術コンテンツメディアAPSのWebinarの「マイコンとは何?|Arm® Cortex® -M搭載 ルネサスRAファミリを使ったマイコン超入門【第1部】https://www.aps-web.jp/seminar/30002/
を観てください。動画を使って詳しく解説しています。
以上です。
