今日の話題
- OpenAIがBroadcomと共同開発した初の自社製推論チップJalapeñoを公開した。大規模言語モデルの推論に特化し、2026年末の初期展開を見込む。
- エージェント関連の動きが目立った。GoogleがGemini 3.5 FlashにComputer Useを組み込み、AlibabaのQwenチームが言語世界モデルQwen-AgentWorldをオープンウェイトで公開した。
- 開発ツールも前進した。NotionがClaudeとCursorを呼べるExternal Agentsを、FigmaがアニメーションをつくれるFigma Motionを公開し、QualcommはModularの買収を発表した。
Hot
OpenAIがBroadcomと初の自社製推論チップJalapeñoを公開
OpenAIが初の自社設計AIアクセラレータJalapeñoを公開した。Broadcomと共同で開発し、大規模言語モデルの推論に特化させた専用チップだ。設計から製造用のテープアウトまでを9か月で終え、高性能半導体としては自社が知る限り最速の開発期間だとしている。設計の一部にはOpenAI自身のモデルを使い、作業を加速させたという。早期の検証では、電力あたりの性能が現行の最先端を大きく上回る見込みだとしている。複数世代にわたる計算基盤の第一歩と位置づけ、2026年末の初期展開を予定する。ChatGPTやCodex、APIを支える狙いだ。製造とネットワーク技術はBroadcomが、基板やラック、システム統合はCelesticaが担う。
Source: https://openai.com/index/openai-broadcom-jalapeno-inference-chip/
Product
GoogleがGemini 3.5 FlashにComputer Useを組み込み
Google DeepMindが、Computer UseをGemini 3.5 Flashの組み込みツールとして提供を始めた。これまで単独のGemini 2.5 Computer Useモデルとして提供してきた機能を、本体のFlashに取り込んだ。開発者は、ブラウザやモバイル、デスクトップの画面を見て判断し、操作するエージェントを構築できる。継続的なソフトウェアテストや業務アプリ上の作業など、長時間に及ぶ企業向けの自動化を想定する。提供経路はGemini APIとGemini Enterprise Agent Platformだ。安全面では、敵対的なシナリオで学習させたうえで、企業向けに任意の保護機能を2つ用意した。取り消せない重要な操作の前にユーザーへ確認を求める機能と、間接的なプロンプトインジェクションを検知するとタスクを自動で停止する機能だ。
Source: https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/gemini-models/introducing-computer-use-gemini-3-5-flash/
Source: https://ai.google.dev/gemini-api/docs/computer-use
Research
AlibabaのQwenが言語世界モデルQwen-AgentWorldを公開
AlibabaのQwenチームが言語世界モデルQwen-AgentWorldを公開した。エージェントが動く環境そのものをモデルに学習させ、長い思考の連鎖でMCP、検索、ターミナル、SWE、Android、Web、OSの7種類の操作環境をひとつのモデルでシミュレートする。規模は35B-A3Bと397B-A17Bの2種類だ。今回は35B-A3Bを、評価用のAgentWorldBenchと合わせてオープンウェイトで公開した。学習は3段階に分かれる。継続事前学習で環境の知識を取り込み、教師ありファインチューニングで次の状態を予測する推論を引き出し、強化学習でシミュレーションの精度を高める。学習に用いた実環境の操作ログは1000万件を超えるという。Qwenによれば、397B-A17BはAgentWorldBenchの総合で58.71を記録し、GPT-5.4の58.25を含むフロンティアの商用モデルを上回ったという。実環境を置き換えるのではなく、補完して汎用エージェントの判断力を高める狙いだ。
Source: https://qwen.ai/blog?id=qwen-agentworld
Source: https://arxiv.org/abs/2606.24597
Source: https://huggingface.co/Qwen/Qwen-AgentWorld-35B-A3B
Tool
NotionがClaudeとCursorを呼べるExternal Agentsを公開
NotionがExternal Agentsを公開した。Notionの画面から外部のエージェントにタスクを割り当て、一緒に作業できる仕組みで、最初の対応先はClaudeとCursorだ。Claudeのエージェントはベータで、BusinessとEnterpriseのプラン向けに提供する。料金はNotionのクレジットを実行ごとに消費する形で、個人のAnthropicアカウントは使えない。EnterpriseやHIPAA対応のワークスペースでは初期状態で無効になっており、管理者が明示的に有効化する必要がある。セッション中のWeb閲覧や、ほかのエージェントの呼び出しはできない。CursorとはCursor SDKで連携し、MCPサーバーを設定すれば、コードの計画からテスト、PRの作成までを任せられる。
Source: https://www.notion.com/help/use-claude-agents-in-notion
Source: https://cursor.com/blog/notion
Source: https://x.com/NotionHQ/status/2069816393395012009
FigmaがアニメーションをキャンバスでつくれるFigma Motionを公開
FigmaがFigma Motionを公開した。アニメーションのタイムラインやキーフレーム、プリセットをデザインのキャンバスに直接持ち込む機能で、現在は公開ベータだ。Figma Agentにプロンプトを渡すと、既存のコンポーネントやトークンに沿ってキーフレームを生成する。書き出しはMP4やGIF、SVG、WEBMに対応する。Dev ModeではCSSやJSON、Reactのコードをコピーできるほか、MCP経由でアニメーション付きのフレームをコーディングエージェントに渡せる。あわせて、Agentが生成するシェーダー効果や生成系プラグイン、Weaveも発表した。7月にはコードレイヤーと3D変換の追加を予告している。利用できる範囲はプランで異なり、Starterは書き出しが限られ、有料プランでは全機能とFigma Agentを使える。
Source: https://www.figma.com/blog/introducing-figma-motion/
Source: https://www.figma.com/blog/config-2026-recap/
Business
QualcommがAIソフトウェアのModularを買収すると発表
QualcommがAIソフトウェア基盤のModularを買収すると発表した。Modularは、CPUやGPU、NPUといった異なるアーキテクチャをまたいで、コードを書き直さずにAIを構築・展開できる基盤を手がける。MAXやMojoで知られる企業だ。QualcommのCristiano Amon CEOは、エージェント型AIがデータセンターからエッジへ広がるなか、業界が複数ベンダーによる分離型の構成へ向かっていると述べた。買収後は、自社の半導体とModularのソフトウェアを組み合わせ、エッジからクラウドまでの展開や、電力あたりの性能、総保有コストの改善につなげる。Modular共同創業者のChris Lattnerは、AI開発をより手軽で高性能にすると語った。買収額は公式には明らかにされていないが、約39億ドルの全株式取引だと報じられた。取引は2026年下半期の完了を見込み、規制当局の承認が必要となる。
Source: https://investor.qualcomm.com/news-events/press-releases/news-details/2026/Qualcomm-to-Acquire-Modular/default.aspx
Source: https://www.wsj.com/tech/ai/qualcomm-to-acquire-ai-software-firm-modular-in-3-9-billion-stock-deal-7b620c7c