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Claude Cowork Projects + Dispatch 実践ガイド 2026年3月最新版 — AIが「デスクトップの同僚」になる日

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Claude Cowork Projects + Dispatch 実践ガイド 2026年3月最新版 — AIが「デスクトップの同僚」になる日

この記事で伝えたいこと

正直に言いましょう。

「AIツールが増えすぎてよくわからない」という感覚、ありませんか。

ChatGPT、Claude、Gemini……毎月のように新機能が出てきて、全部追いかけていると本業に使う時間がなくなる。そういう体験をした人は多いんじゃないかと思います。

ただ、今回のアップデートはちょっと違う気がします。

2026年3月20日、AnthropicはClaude Coworkに2つの機能を追加しました。ProjectsDispatchです。

Projectsは「仕事のコンテキストをAIと共有し続けられる仕組み」、Dispatchは「外出先のスマホからデスクトップのAIエージェントを動かせる仕組み」です。

「なんか便利そうだね」で終わらせるのはもったいない。

この記事では、Claude CoworkのProjects機能とDispatch機能を実際にどう使うか、ワークフロー設計の観点から具体的に解説していきます。コード例や設定ファイルのテンプレートも載せているので、読み終えたらすぐ試せる内容になっているはずです。


Claude Coworkとは何か — Claude Codeとの違いから理解する

まず前提として、Claude Coworkを正確に理解しておきたいと思います。

Claude Coworkは2026年1月16日にProユーザー向けにリリースされた、ローカルファイルを直接操作できるAIエージェントです。1月23日にはTeamとEnterpriseプランにも展開されました。

「でもClaude Codeと何が違うの?」という疑問は自然です。

技術的な基盤は同じです。ファイルアクセス、タスク計画、並列実行——同じ仕組みが動いています。違うのは 誰のためにデザインされているか という点です。

Claude Codeはターミナルを使う開発者向けに作られていて、git操作やコマンドラインに慣れていることが前提です。CoworkはそのすべてをグラフィカルなUIで包んでいます。コマンドラインを触ったことがない人でも、フォルダを指定して「これをやって」と言うだけで動く。

Coworkで実際にできることのイメージ:

# ユーザーがCoworkに依頼する例
「/reports フォルダにある先月のExcelファイルを全部読んで、
売上サマリーをMarkdownで書いてください」

# Coworkが行う処理
1. /reports フォルダをスキャン
2. Excelファイルを読み込んで内容を解析
3. 売上データを集計
4. summary_2026-02.md として保存

ここで重要なのは、これが「アップロード」ではないということです。ファイルはローカルに存在したまま、Claude がそこに直接アクセスします。

2026年3月時点で、38以上のコネクターが使えます(Gmail、Slack、Google Calendar、Notion など)。MCP(Model Context Protocol)対応のコネクターも使えるので、自前のツールと繋ぐことも可能です。


Projects機能 — コンテキストが「消えない」ワークスペースを作る

ここから本題に入ります。

2026年3月20日に追加されたProjects機能は、シンプルに言うと「AIとの仕事を継続可能にする仕組み」です。

従来のCoworkには、セッションをまたぐとコンテキストが薄れるという問題がありました。毎回「自分が誰で、何をしている人で、どんなスタイルで書くのか」を説明し直す必要があった。これはかなりのムダです。

Projectsを使うと、プロジェクトごとにファイル・指示・作業履歴をひとつのワークスペースにまとめられます

Projectsの基本的な使い方

セットアップは3ステップです。

1. Claude Desktopを開く
2. Coworkタブ → 「New Project」をクリック
3. ローカルフォルダを選択、または既存チャットをインポート

「Files and instructions stay on your computer.」——これはAnthropicが強調しているポイントで、プロジェクトの設定ファイルやコンテキストはローカルに保存されます。クラウドにデータが送られることを気にする方にとっては、ひとつの安心材料になるかもしれません。

ワークスペース構造の設計

Projectsを最大限に活かすには、ワークスペースのフォルダ構造を設計しておくのがポイントです。

~/Claude-Workspace/
├── /context
│   ├── about-me.md          # 自分の役割・仕事スタイルを記述
│   ├── brand-voice.md       # 文章のトーン・口調の定義
│   └── working-preferences.md  # 作業上の好み・制約
├── /projects
│   ├── /newsletter-2026     # ニュースレタープロジェクト
│   ├── /report-q1           # Q1レポートプロジェクト
│   └── /client-docs         # クライアント資料プロジェクト
└── /outputs
    └── (Claudeが生成したファイルをここに保存させる)

このフォルダ構造を1回作れば、新しいプロジェクトを追加するだけでいい。

コンテキストファイルの書き方

about-me.md の書き方が、Claudeのパフォーマンスを大きく左右します。「AIに自己紹介する文書」だと思うとわかりやすいかもしれません。

# About Me

## 役割
マーケティングマネージャー(SaaSスタートアップ、社員20名)

## 担当業務
- コンテンツ戦略の立案と実行
- メールマーケティング(週1回のニュースレター)
- 競合分析と市場調査
- 月次レポート作成(経営会議向け)

## 成功指標
- 月次のオーガニックトラフィック 20%成長
- トライアル登録コンバージョン率 5%以上

## よく使うツール
Google Analytics, HubSpot, Notion, Slack, Google Drive

## お願いしたいスタイル
- 長文より箇条書きを好む
- 数字で根拠を示してほしい
- ビジネス向けだが堅すぎない文体で

こういうファイルを作っておくと、毎回説明しなくてもClaudeが文脈を理解した状態でタスクを実行してくれます。

brand-voice.md で文章品質を安定させる

コンテンツを量産する人にとって特に便利なのが、文章のトーンを定義したファイルです。

# Brand Voice

## 基本トーン
- カジュアルだが信頼感のある文体
- 専門用語は使うが、必ず平易な言葉で補足する
- 読者を「上から教える」のではなく、「一緒に考える」スタイル

## NG表現
- 「〜すべきです」(命令形は避ける)
- 「〜は間違いです」(否定形より肯定形で)
- 「簡単に」「すぐに」(個人差があるため)

## 文章構造
- 短い導入文 → 本論 → 具体例 → まとめの流れ
- 段落は5行以内
- 見出しは疑問形でも可

## 参考になるトーンの例文
「データを見れば答えが出る、とよく言われます。
でも実際には、どのデータを見るかを決めるのが一番難しい。」

このようなファイルを用意してProjectsに紐付けておくと、複数のコンテンツを作っても文体がブレにくくなります。

Projects × MCPコネクターの組み合わせ

Projectsは単体でも便利ですが、MCPコネクターと組み合わせることで力を発揮します。

たとえばこんな使い方が考えられます:

# Projectの設定イメージ
Project: 週次ニュースレター制作

コンテキストファイル:
- /context/about-me.md
- /context/brand-voice.md
- /context/newsletter-guidelines.md

接続しているコネクター:
- Gmail(読者からのフィードバックメールを参照)
- Google Analytics(先週のアクセス数データを取得)
- Notion(編集カレンダーを確認)

タスク:
「先週のAnalyticsデータとGmailのフィードバックを見て、
今週のニュースレターのテーマ候補を3つ提案してください」

毎週月曜日にこのプロジェクトを開いて同じ指示を出すと、蓄積されたデータをもとにClaudeが提案を出してくれます。


Dispatch機能 — スマホからデスクトップのAIを動かす

もうひとつのアップデート、Dispatchについて説明します。

Dispatchは、外出中にスマホのClaudeアプリからデスクトップのCoworkに指示を出せる機能です。

「それって単なるリモート操作では?」と思うかもしれません。でも少し違います。

通常のリモートデスクトップは「画面を遠隔で操作する」ものです。DispatchはAIエージェントへの「タスク委任」です。「あのメール要約して」「この週次レポート作っておいて」と依頼すると、デスクトップのCoworkがそれを処理して、完成したら通知が来る。

Dispatchのセットアップ

公式によると60秒でセットアップできます。

1. Claude Desktopを開く(デスクトップ側)
2. Cowork → Settings → Dispatch
3. QRコードが表示される
4. スマホのClaude appでQRをスキャン
5. ペアリング完了

注意点は「デスクトップが起動したままである必要がある」という点です。完全に電源を落としてしまうと、スマホからの指示は届きません。ラップトップを充電しながら放置しておくというシナリオが一番使いやすいかもしれません。

Dispatchの実際の使い方

仕事の文脈でどう使えるか、いくつかシナリオを考えてみます。

シナリオ1: 移動中に次の打ち合わせの準備をさせる

# スマホから送るメッセージ例
「14時の打ち合わせに向けて、/projects/client-A フォルダにある
最新の提案書とメールスレッドを読んで、3分で話せる要点サマリーを
summary.md として保存しておいてください」

電車で移動している間に、Coworkがローカルファイルを読んでサマリーを作成してくれます。

シナリオ2: 経費処理の自動化

# スマホから送るメッセージ例
「/inbox/receipts フォルダにある今月のレシート写真を全部読んで、
Excelの経費精算テンプレートに入力してください。
テンプレートは /templates/expense_2026.xlsx にあります」

これはDispatch発表時にデモで紹介されていたユースケースです。

シナリオ3: デイリーブリーフィングの自動作成

# 毎朝スマホから送るメッセージ例
「今日のスケジュールをGoogleカレンダーから取得して、
Gmailの未読メールで重要そうなものをリストアップして、
/outputs/briefing_2026-03-22.md に朝のブリーフィングを作成してください」

コネクターとProjectsとDispatchを組み合わせると、このような「朝のルーティン自動化」が実現できます。

Dispatch利用時の注意点

Dispatchを使う上でいくつか意識しておきたい点があります。

1. デスクトップの電源管理

Dispatchはデスクトップが起動していることを前提にしています。スリープ設定を確認しておきましょう。

# macOSのスリープ設定を変更する例(ターミナル)
# 電源接続時はスリープしない設定
sudo pmset -c sleep 0
sudo pmset -c disksleep 0

# バッテリー時はスリープを許可(30分後)
sudo pmset -b sleep 30

2. セキュリティ上の考慮

Coworkに許可するフォルダの範囲を適切に設定することが大切です。全ファイルシステムへのアクセスを与えるのではなく、「仕事用フォルダだけ」に限定することで、予期しない操作のリスクを下げられます。

Anthropicは「重要な操作の前に確認を求める」という設計を取っているので、完全に自動で動くわけではありませんが、それでも基本的なフォルダ管理はやっておく価値があります。

3. ネットワーク接続の確認

DispatchはClaudeのサーバー経由でデスクトップと通信します。自宅のデスクトップがVPNで制限されている場合などは、接続できないことがあります。


実践ワークフロー3選

ここまでの機能を踏まえて、実際のワークフローを3つ紹介します。

ワークフロー1: コンテンツマーケター向け週次サイクル

【月曜日・朝の通勤中(Dispatch)】
スマホ: 「先週のGAデータを取得して、トップ5記事と
         読者が来ているキーワードをまとめて」

【月曜日・デスクトップ】
Coworkが /projects/newsletter/ に analytics_summary.md を生成

【月曜日・ランチ(Dispatch)】
スマホ: 「analytics_summary.md を見て、
         今週のブログテーマ3案を提案して。
         /context/brand-voice.md のトーンで」

【火曜日・執筆作業(デスクトップ)】
Claude: draft.md を生成し、SEO観点のフィードバックも追加

ワークフロー2: バックオフィス担当者向け月次レポート

【月末前日(Dispatch)】
スマホ: 「/data/monthly フォルダにある今月のCSVファイルを全部読んで、
         先月比の増減率を計算してレポートの骨子を作って」

【翌日(デスクトップ)】
Claude: /outputs/monthly_report_draft.md を生成

【確認と修正(デスクトップ)】
ユーザー: 「5ページ目の数字、Q1の比較に変更して」
Claude: 修正版を上書き保存

【上司への送付(Dispatch or デスクトップ)】
「報告書をPDFとして出力して、
 Gmailで田中部長宛に送付準備をしてください」

ワークフロー3: エンジニア兼技術ライター向け記事制作

【ネタ収集フェーズ(Dispatch)】
スマホ: 「GitHub Trendingを見て今週人気のリポジトリを
         調べて、技術記事のネタ候補を5つ挙げて」

【執筆フェーズ(デスクトップ)】
Claude: /projects/tech-blog/ フォルダに draft.md を作成
        コード例を含む5000文字の記事を生成

【レビュー(Dispatch)】
スマホ: 「draft.md を読んで、技術的な誤りがないか
         確認して要約を3行で教えて」

【公開前チェック(デスクトップ)】
Claude: SEOチェック、コードの動作確認、最終仕上げ

Projects + Dispatch を使いこなすためのポイント

ここまで機能の紹介と実践例を見てきました。最後に、実際に使い始めるときに意識しておくと良い点をまとめます。

コンテキストファイルは最初に時間をかけて作る

about-me.mdbrand-voice.md の質が、その後のすべてのアウトプットに影響します。最初の30分をここに投資するのは合理的です。

後から少しずつ修正するのが現実的なアプローチです。Claudeのアウトプットに「なんかちょっと違う」と感じた部分があれば、その都度コンテキストファイルに追記する。こうやって育てていくイメージです。

プロジェクトの粒度を適切に保つ

「仕事全体をひとつのProject」にするよりも、「ニュースレター制作」「月次レポート」「クライアントA向け資料」のように粒度を下げた方が、コンテキストがシャープになります。

プロジェクトが多くなりすぎると管理が煩雑になるので、3〜5個を目安にするのが現実的なラインかなと思います。

Dispatchのユースケースは「非同期で良いタスク」に絞る

Dispatchは即時レスポンスには向いていません。「デスクトップで処理を走らせて、後で確認する」という非同期なタスクに使うのが自然です。

逆に言うと、「すぐ返答が欲しい」ときはスマホのClaude appで直接チャットする方が速いです。Dispatchとの使い分けは「処理に時間がかかるが急がないタスク」という判断軸が一番わかりやすいかもしれません。

MCP コネクターは段階的に追加する

38以上のコネクターが使えるとはいえ、最初から全部繋ぐ必要はありません。

# 推奨する段階的な導入順序
フェーズ1: ローカルファイル操作だけで試す(コネクター0個)
フェーズ2: よく使うツール1つを繋ぐ(例: Google Drive)
フェーズ3: 2〜3個のコネクターに増やす
フェーズ4: カスタムMCPサーバーを追加する(必要なら)

最初から欲張ると、何がどう動いているかわからなくなります。ひとつずつ確認しながら増やしていく方が、結果的に使いこなせるようになります。


まとめ

Claude Coworkに追加されたProjectsとDispatchは、「AIとの仕事の継続性」と「場所を選ばない作業」という2つの課題を解決しています。

まとめると:

  • Projects: コンテキストをプロジェクト単位で管理し、毎回説明し直す手間をなくす
  • Dispatch: 移動中でもデスクトップのAIに仕事を任せられる

技術的に高度なことは何もないのですが、このシンプルな仕組みが「AIを実際の仕事に組み込む」ハードルをかなり下げてくれます。

コンテキストファイルの設計に少し時間をかけてから使うと、体験が全然変わってきます。まずは about-me.md を書くところから始めてみましょう。

思ったより面白いことになるかもしれません。


参考リンク

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