こんにちは。くろこんです。生成AIに対する考え方を、AIエンジニア視点で考えました。特に生成AIを使いこなすとはどういうことか、考えてみました。
生成AIはなぜ賢いか
生成AIとは、簡単に言うなら「人間が作ったテキストから作られた統計モデル」で「生成する処理に特化している」AIということになります。
技術的に細かい定義をすることはできますが、今回はちょっとスコープが違うのでこのくらいの感覚で考えます。
つまり、人間より賢くなるのは割と自明です。
……ここが意外と認識されていない部分な気がします。
図で言うとこういうことです。
おそらくこの図もかなり強調していて、テキストが学習データとして使われた人は1%にも満たないのが現実ではないでしょうか。
ここで「テキストを書く人間」と「人間」のどちらが賢いか、を考えます。これは直感で「テキストを書く人間」のほうが賢い気がします。テキストというのは本であったり、論文であったり、説明書であったり、多くの場合はある程度の実力者が書いたテキストだと予想できるからです。一般的な会話に近いものも混ざってはいると思いますが、主要なデータになっているとは考えにくいです。
なので、テキストを書くくらい賢い人間から作ったモデルだから賢いという側面を持ちます。
もう一つは統計モデルだから賢いとも言えます。集めたデータの上澄みの部分が表に出てくる、ようなイメージです。
生成AIはどう使うか
テキストを入力することで、テキストが生成されます。
……ここも意外と認識されていない部分な気がします。
入力が通常の言語だということです。
つまり、生成AIはどう使ったらいいですか? と聞かれたら日本語で伝えればいいですよ、という解答を与えられます。
……雲行きが怪しくなってきましたね!
生成AIはどう使いこなすか
テキストを書くくらい賢い人間の上澄みくらいに指示を与えるように日本語で伝えればいいです。
つまり、生成AIはどう使いこなすかという疑問を持つということはテキストを書くくらい賢い人間の上澄みにどのように支持を与えるのが適切かわからないということを主張しているに等しいです。
これはいわゆるIQが15違うと会話にならないと言われているのに近い現象です。
Appealing AI と Base AI
中には、いやいや生成AIは使えているよ、十分に使いこなしている、満足している、という人もいると思います。
ここで、生成AIは商用としてのチューニングがされていることに注意が必要です。
一般の人が触れる生成AIは商用のために、利用者の満足度を向上させる工夫がされています。
端的に言うと生成AIは相手に合わせてIQが下がります。IQが15違うと会話にならない、のを避けるにはIQを下げればよいわけです。
入力から相手がどの程度の実力かを判断して、相手が飲み込む確率の高い言葉を選択して表示します。こちらの機嫌取り(Appealing)をしてくるのを踏み越えて、本来生成AIが持つ実力(Base)を引き出すことが使いこなしの条件に含まれます。
いやいや生成AIは使えているよ、十分に使いこなしている、満足している、というさっきの文言は使いこなしていることを証明するものならないことになります。使いこなすということを疑問に思わないことこそが、使いこなしている状態だと言えます。
生成AIを使いこなす方法を聞くということは、本来生成AIが持つ実力(Base)を引き出すことができず、どうしたらよいか尋ねることとなり、それはご機嫌取りされないようにがんばってくださいという回答になります。
余談 生成AIはなかなか人類を超えられない
先ほど、「人間が作ったテキストから作られた統計モデル」が生成AIだとしました。この場合、多くの人間より賢くなる一方、どの人間よりも賢くなるとはなりにくいことも言えます。
テキストを書くくらい賢い人間の上澄みに相当する人やそれを超えるような人を、生成AIはなかなか超えることができません。
また、賢い=論理的という構造が生成AIにとって学習しづらいものとなっています。
例えば、将棋AIを考えてみましょう。相手の王を取ればそれで終わりで、そのためにはルールに反しない限り何をしてもよいです。この王を取るかどうかという単純さが、AIにとっては処理しやすく、人間を簡単に超えるものとなっています。
一方で、論理的であることを学ぶのは簡単ではありません。常に論理的であるということを、AIにとってうまく表すことができません。それどころか、数学では証明できないことが存在する不完全性のようなものも存在し、無制限に賢く(論理的)になっていくことはおそらくできないです。
とはいえ、昔の人の文献が賢くて、今生きている人間すべてより賢くなることはありうるので、人間とAIの共存には人間の努力が必要になりそうです。
今回の記事はこのくらいとなります。お読みいただきありがとうございます。
