メリークリスマス!!
本記事は、『テスト自動化ツールT-DASHの良い点・悪い点をレビューしてみた! by T-DASH Advent Calender 2022』に参加しています。
本記事は、2022/12/3の担当記事です。
前回(2022/12/2 担当)の記事
去年(2021/12/25 担当)の記事
はじめに
前回(2022/12/2)は、「T-DASH」のインストール、初期設定、起動について書きました。
今回は、 「設定」メニューについて 記事を書いていきます。
「T-DASH」のインストールがお済みでない方は、過去記事 をご参照ください。
本記事の対象範囲
本記事では、 『テスト自動化ツール「T-DASH」のイイとこ・イマイチなとこ~設定~』 と題して、 「設定」メニュー について見ていきます。
本記事では次の環境で動作を確認しています。
・Windows11(22H2)
・T-DASH Ver.2.0.003
設定
「T-DASH」を起動し、画面右上の「歯車」ボタンをクリックすると「設定」メニューが表示されます。
各設定について見ていきましょう。
- 言語設定
- バックアップ設定
- Webドライバー情報
- バージョン
- プロキシ設定
言語設定
メニュー画面などの UI部分の言語を切り替え (「日本語」、「英語」) ができます。
また テストプロジェクトごとに言語設定を切り替え できます。
複数のテストプロジェクトを英語圏のメンバーと共有している場合に、
プロジェクトAは日本語で表記、プロジェクトBは英語で表記できるため柔軟に対応できます。
- T-DASH表示設定
- メニュー表記など「T-DASH」画面のUI部分の言語を切替できます。
- テスト手順言語
- テストプロジェクト単位でプロジェクト内のテスト手順言語(画面定義、動作定義、レポート出力など)を切り替えできます。
詳しくは、
- T-DASHの表示言語を切り替えよう
-
『ソフトウェア操作説明書 p.89』
をご参照ください。
無料プランでは利用できません。
バックアップ設定
バックアップ一覧を確認できます。
手動バックアップ、バックアップデータからのリストアを行えます。
- ファイル名
- バックアップファイル名です。
- 実行タイミング
- バックアップを実行したタイミング(バックアップ種別)です。「起動時」(自動バックアップ)、「手動」、「リストア時(自動バックアップ)」の3種類が表示されます。
- バックアップ日時
- バックアップ日時です。
- リストア
- バックアップファイルを使ってリストアします。リストア完了後は手動で「T-DASH」を再起動してください。
- 削除
- バックアップファイルを削除します。
- 手動バックアップ実行
- すぐに手動バックアップを実行します。バックアップ中は「T-DASH」の機能を利用できません。
Webドライバー情報
WebDriver(Chrome / Firefox / Edge)のバージョンと、Webブラウザーが対応しているブラウザーバージョンを確認できます。
WebDriverの自動更新設定(デフォルト:ON)や、WebDriverの配布サイトへジャンプできます。
- ブラウザー
- Webブラウザーの名称です。「T-DASH」ではChrome、Firefox、Edgeの3種類のブラウザーに対応しています。
- ブラウザーバージョン
- 「WebDriverバージョン」に対応したブラウザーバージョンが表示されます。 テスト実行が失敗する場合は、ブラウザーを最新バージョンに更新後、「T-DASH」を再起動して確認してください。
- WebDriverバージョン
- WebDriverのバージョンが表示されます。
- 自動更新
- 「T-DASH」の起動時にWebDriverの最新バージョンをチェックし、自動更新しています。ここで自動更新の設定ができます(デフォルト:ON)。 特定のブラウザーバージョン、WebDriverの組み合わせテスト実行したい場合は、自動更新をOFFにして利用しましょう。
- 外部リンク
- WebDriverの配布元サイトをブラウザーで開きます。ドライバーの更新情報や、手動でドライバーをダウンロードしたい場合に利用します。
WebDriverのバージョンと利用しているブラウザーバージョンが一致しない場合、テスト実行が失敗します。
レポートデータの失敗ログに「ブラウザとWebドライバーのバージョンが一致していません。ブラウザとWebドライバーのバージョンが一致しているか確認してください。…」エラーが出力されている場合は、WebDriverの自動更新をOFFにして、手動でWebDriverを配置してください。
詳しくは、 『ソフトウェア操作説明書 p.33』 をご参照ください。
バージョン
「T-DASH」の現在のバージョンと、リリースノートを確認できます。
機能追加やバグ修正内容をチェックしたいときに利用しましょう。
またユーザーサポートにお問い合わせする際には、現在のT-DASHバージョンを伝えるとよいでしょう。
- 現在のT-DASHバージョン
- 現在利用中のT-DASHバージョンが表示されます。
- リリースノート
- 過去バージョンのバージョン、リリース日、リリース内容を確認できます。
プロキシ設定
社内でプロキシサーバーを利用している場合に設定します。
入力値が不明な場合は、社内のネットワーク管理者にご確認ください。
- アドレス
- プロシキサーバーのホスト名またはIPアドレスを入力します。
- ポート
- プロシキサーバーのポート番号を入力します。
- パスワードが必要なプロキシサーバーを使用
- アカウント、パスワードが必要なプロキシサーバーを使用している場合に、チェックをONにします。
- アカウント
- プロシキサーバーのアカウント名を入力します。
- パスワード
- プロシキサーバーのパスワードを入力します。
それでは今回の記事を書きながら思った「イイとこ」、「イマイチなとこ」をまとめます。
イイとこ
- メニューや各メニュー内の設定項目数が少ないため、わかりやすい!
- メニュー内に1~2行の簡単な説明書きがあるのはわかりやすい!(いちいちマニュアルを引かなくてもよい)
- 利用できない機能(無料プランでは「言語設定」は利用不可)について設定項目にマウスホバーするとツールチップで教えてくれる のはいい!
- 自動バックアップ機能 が備わっている!(自分でバックアップ計画を考えてなくてよい)
- 「バックアップ設定」画面から手動バックアップする機能もあるのはよい!
- 手動バックアップが早くてビックリ した!(データ量が大きくなった場合の処理時間は試してませんが、一瞬で完了した)
- 「バックアップ設定」画面で、バックアップ種別(手動バックアップと自動バックアップ)の区別が付くのはよい!
- 「Webドライバー情報」モーダルで「閉じる」ボタンしかないモーダルの場合に、モーダル外のクリックでモーダルを閉じれるのは使用性がよい!(わざわざ「閉じる」ボタンにマウスカーソルを合わせてクリックするのは手間である。些細なことと思われるかもしれないが、こういうUI設計できるエンジニアが私は好きです!ぜひご担当者様にお伝えください!!)
- 一方で、「バージョン」画面の「リリースノート」>「続きを表示」モーダルは、モーダル外のクリックでモーダルが閉じられない。操作性が統一されていない箇所があるのはもったいない(設計レビューやテストで指摘を挙げて欲しかった!実装時期や開発担当者が違ったんだろうな)
そもそもここはモーダルじゃなくて、折りたたみメニューの方が操作性がよいか?
- 一方で、「バージョン」画面の「リリースノート」>「続きを表示」モーダルは、モーダル外のクリックでモーダルが閉じられない。操作性が統一されていない箇所があるのはもったいない(設計レビューやテストで指摘を挙げて欲しかった!実装時期や開発担当者が違ったんだろうな)
イマイチなとこ
- バックアップの中身がわからない。手動バックアップ時はコメントを書けるようにして欲しい。
- バックアップは最大10ファイルまでしか保存できない。ローカルに保存されるため、もう少し上限を上げてもよいのでは?
バックアップ設定を活用してみようにバックアップの保存先、退避方法について説明があるが説明が不十分である。- 退避したバックアップファイルからリストする方法が明記されていない。
- 『ソフトウェア操作説明書』にバックアップ/リストアについての記述が一切ないのは特に問題である。
- 「バックアップ設定」画面から「バックアップフォルダーを開く」機能があった方がよい。
- ライセンス情報を確認する機能が欲しい。
- ユーザーサポートへ問い合わせを送信する機能が欲しい。
- 「バックアップ設定」画面および、「手動バックアップ実行」をクリックし「バックアップ確認」画面に表示される「T-DASHツールの操作」という文言が気になった。単に「T-DASH」とした方がよいと思う。※「T-DASHツール」という用語の定義が不明である。
- 『ソフトウェア操作説明書 p.90』にも同様の表記があり。リストア完了後のメッセージにも同様の表記があり。
- 「T-DASH」のブラウザー画面を開いた状態で、「T-DASH」コンソールを閉じた際に表示されるメッセージにも同様の表記があり。水平確認の上、修正してほしい。
- リストア後、T-DASHの再起動を促すメッセージが表示されるが、再起動手順についてどこにも(『ソフトウェア操作説明書』、FAQ、機能チュートリアルを調べたが)説明が見つけられなかった。また、自動的に再起動してくれた方がよいのでは?(それなら詳しく説明する必要もないでしょうから)
- 「歯車」ボタンをクリックしメニューを展開すると一番上に「設定」というメニューが非活性で表示されている。
条件によってクリックできそうに見えてしまうが、そもそも「歯車」ボタン=「設定」のことだと思うので、この「設定」は削除してしまった方がよいと思う(ユーザーを無駄に混乱される)。 - 「設定」と名称が付いているメニューと付いていないメニューがある。設定項目がない「バージョン」は「バージョン設定」ではなく「バージョン」の表記でよいが、「Webドライバー情報」は「自動更新」の設定項目があるため「Webドライバー設定」のとした方が適切ではないだろうか。
- 「Webドライバー情報」の表記に対して「バージョン」は「バージョン情報」という表記になっていないのが気になった。
- メニューの境界線について。「バックアップ設定」と「Webドライバー情報」の間に境界線が引かれている。メニュー名に「○○設定」と付くもの、付かないもので分割しているのかと思ったが、メニューの一番下に「プロキシ設定」が配置されていた。
- 境界線の上段はアイコンがなく、境界線の下段にはアイコンがあるのが気になった。
- 「?」アイコンをマウスオーバーやクリックするとツールチップでも表示されるかと思ったが何も表示されない。「バージョン」、「プロキシ設定」に付いている「?」アイコンの意味が不明である。
- たまたま見たけたのですが、HTMLのコメントに中国語?っぽい漢字での記述(元素、垢置)があった。中国語の言語設定は提供されていないので、コメントであってもサービスと直接関係のない言語が含まれているのはちょっとどうかな。
まとめ
今回はダメ出し(イマイチなとこ)がけっこうありました。
こんな細かい指摘をしてくるユーザーは少ないでしょうね、きっと。だからこそ、あえて書かせていただきました(レビュー記事ですからねっ!)。
主要機能と直接関係がないため対応の優先度としては総じて低いですが、操作性の向上やユーザーの自己解決へ導ける機能はユーザーサポート(エンドユーザー側の管理側 / T-DASHのユーザーサポート側の両方において)の削減にも貢献できると思うので、前向きに検討していただきたいですね。
次回予告
今回は「T-DASH」の 「設定」メニュー について記事を書きました。
次回の記事は テスト設計から実行までの流れと「機能一覧」 について取り扱います。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。