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CivicTechコミュニティに適したツールとは
CivicTechのコミュニティに限った話ではありませんが、地域密着型のコミュニティは多様なメンバーで構成されることが多いでしょう。特にCivicTechでは殊更その傾向が強いようです。
メンバーが多様であるということはメンバー間のICTに対する理解度や習熟度にも相応の差がありますので、アクセシビリティ、ユーザービリティ等を十分に考慮した上でツールを選定する必要があります。尚、CivicTechコミュニティでは、多くの場合無償で利用出来るツール、もしくはNPO等特定の要件を満たす場合にのみ無償利用可能であるツールの利用頻度が高いようです。
優先度の高い条件(推定)
- 費用
- 無料であることが現実的
- 昨今のサブスクリプション全盛時代はどうも...
- 分かりやすさ
- UI
- 手順
- 言語
- 日本語対応
プロジェクト管理ツール
コミュニティでは、自然と何らかの目的を持った行動、プロジェクトが発生しますので、ここはCivicTechらしくICTを利活用したいところです。とはいえ、プロジェクト管理といえども重厚長大なプロセス、リソース管理を含む場合もあれば、タスクボードだけで十分、という場合もあるかと思います。
基本的には目的に応じた製品を利用することがベストであることに疑いの余地はありませんので多くの製品、サービスを列挙することは今回は致しません。
今回はCivicTechコミュニティに適した製品、サービスとして、プロジェクト管理、特にガントチャート(相当)の表現が可能なものについてまとめます。
とはいえこの条件を満たすものは非常に数が少ないのです...
選定基準
- 基本的にオンライン利用可能であるもの
- 保守、運用コストを最小化する目的
- 可能な限り日本国内でホストされている製品/サービス
- 無駄なレイテンシを生まないため
- なるべく日本語化されているもの
ClickUp (後日追記しました)
ガントチャートこそ無いものの、無料プランでもユーザー数無制限、機能的にも十分。
近年の有料化傾向に一石を投じる素晴らしい可能性を秘めた製品だと思います。
(無料プランで) (連携サービスの)ガントチャートが利用可能
中長期のプロジェクトを扱う場合、非常に有効に機能するのが日本国内では近年工事現場などでも良くみれられる「工程表」だと思います。今回はガントチャート表現が可能であるツールについて少し調査してみました。
名称 | メンバー数 | 主な機能 |
---|---|---|
Asana | 15 | タスク、プロジェクト、会話を無制限に使用 基本的なダッシュボード 基本的な検索 |
Wrike | 5 | ボードビュー ファイル共有 リアルタイム活動ストリーム スプレッドシートビュー 基本的な統合(Google Drive、Dropbox、Box、MSFT Office 365、 OneDrive、およびiCal) クラウドストレージ統合 2GBのストレージ |
- Use Asana to manage your team’s work, projects, & tasks online · Asana
- Your online project management software - Wrike
Asana
- ガントチャート
- Asana自体のガントチャート(Asanaではタイムラインと表現)はプレミアム以上の有料プランのみで利用可能
-
Instagantt for Asana を利用すればAsanaのタスクをチャートで表現、連携可能。
- タスク間の依存関係はFS(Finish to Start)しか設定出来ない(?)
- いわゆるメールアドレスのドメインでワークスペースが決定する方式
- しかし、例えば
@gmail.com
のメールアドレスでもサインアップ可能、
複数のワークスペースを作成可能
- しかし、例えば
- メンバー15人制限はワークスペース毎の最大数
Wrike
- Office Timeline というサービスと連携することでパワーポイント用のスライドが作成出来るようです...
- ガントチャート
- タスク間の依存関係としてFS(Finish to Start)だけでは無くFF(Finish to Finish)も扱える
補足
-
Trelloのようなタスクボード+ガントチャート
- タスクボードはCivicTechコミュニティのタスク管理ツールとしては非常に適していると思うのですが、例えばEleganttのような製品は今回対象外としました。
- Asana, Wrike共に有料プランであれば十分な機能を有していると思うのですが、無料プランではどちらも今一感が否めません。
- 『ガントチャート表現』自体は以前から企業向けの価格設定をされている機能の代表格であるせいか、最近のオンラインツールでもガントチャート表現は有料プランに誘導する為の代表的な機能として扱われているようです。
Redmine 系 (SaaS)
CivicTechコミュニティにはいわゆるICT系エンジニアが関わることが少なくない訳ですが、根強い人気を誇るプロジェクト管理ツールとしてRedmineが挙がるようです。
コミュニティの自身でRedmineを運用(&保守)する場合も有るでしょうが、SaaSのように提供されているRedmineを利用するという選択もあるかと思います。しかしRedmine、開発者への知名度と確固たる利用実績を誇る製品故でしょうか、無料で利用出来るサービス皆無というのが現状のようです。
参考までに3種類程度の製品(Redmine、またはRedmineをベースとした製品)について記載しておきます、いずれも日本国内でもホストされているようですので快適に利用出来ると思われます。(これらについては私自身使用経験がありません、御了承下さい)
|製品|ユーザー数|PJ数|価格|
|---|---:|---:|---|---|
|Easy Redmine (Small team)|25|無制限|$39/month(billed annually)|
|Easy Redmine (Medium team)|50|無制限|$59/month(billed annually)|
|My Redmine|200|無制限|¥8,000/月|
|Planio (Bronze)|2|1|¥0/month|
|Planio (Diamond)|20|15|¥8,000/month|
- Redmine plugins, hosting, solutions - Easy Redmine
- My Redmine - プロジェクト管理ソフトウェア RedmineのSaaS
- Online Project Management and Redmine Hosting | Planio
所感
今回はガントチャートありきで調査した為、プロジェクト管理という観点からはいささか偏った選定になってしまった感があります。ガントチャートを表現出来るツールとなるとどうしても有償のサービスばかりが目に付きました。
有償であれば無数に存在するというのが実情ではありますが、NPO向けプランなどを用意している製品などを含め継続的に調査し、良さそうなものがあれば本稿に追記して行きたいと思います。
情報提供お待ちしております
この記事自体は随時更新を前提としていますので有用な情報があれば是非コメントお願いします