背景
大気のエアロゾル(微小粒子)や宇宙空間のダストなど、それらの光散乱特性を用いた解析を行う時には「random orientation averaging」を考えることが多い。
観測対象領域において多種多様な方向を向いた粒子が同時に存在し、それをまとめて見るとする時には「random orientation averaging」を行う、という考えである。
https://www.giss.nasa.gov/staff/mmishchenko/books.html
の Mishchenko, M. I., J. W. Hovenier, and L. D. Travis, Eds., 2000: Light Scattering by Nonspherical Particles: Theory, Measurements, and Applications, Academic Press, San Diego.
そのため、多種多様な入射光を考慮した光散乱特性が必要となり、その計算には膨大な時間がかかる。
その計算時間を短縮するには、「どの方向の計算を使って平均(積分)するか」が重要となる。
下記に紹介する論文は「どの方向の計算を使って平均(積分)するか」についての新提案手法である。
論文
On numerical orientation averaging with spherical Fibonacci point sets and compressive scheme
Jianing Zhang
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022407317303734
7of9は2008年にQMCの論文を出した。
QMC: quasi-Monte-Carlo
その手法に対して、著者は2つの提案をしている。
- Fibonacci point sets
- compressive orientation averaging scheme
QMCとFibonacci point setsはどちらが優れているかの比較はされていない。
Compressed Sensing(以下、CS)の概念としては、以下のようなものだと認識している。
- 積分計算に用いる点について、negligible(無視してよい)点を省く
- 信号処理などで使われているようだ
- l1normを使う
- outlierに強い
- 論文ではl1magicというMATLABコードを利用している
実際に論文においてCSを用いた計算時間の短縮(と精度の保証)が紹介されている。
備考
今後はCSがよく使われるようになるかは不明ではある。
QMCだけを使う場合と比べて複雑であるため、l1maicの処理に相当するものをそれぞれのユーザが利用できないと、特定の研究者のみが使うだけにとどまるだろう。
検索用キーワード
- compressive sensing
- compressive sampling
- sparse sampling