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【2025年版】郵便番号APIサービス比較

Last updated at Posted at 2025-06-03

以下では、2025年時点で利用可能な主な「郵便番号APIサービス」を比較し、各サービスの特徴や利用方法、料金体系などを整理します。特に、2025年5月に正式リリースされた日本郵便公式の「郵便番号・デジタルアドレスAPI」およびそのデモサイトである digital-address.app も含めています。

概要

2025年5月に、日本郵便は「郵便番号・デジタルアドレスAPI」を正式リリースし、郵便番号から最新の住所情報(漢字・カナ・ローマ字)や、新たに導入された「デジタルアドレス(7桁英数字で住所を表現)」を取得できるようになりました。これにより、従来の静的CSV運用から解放され、リアルタイムで常に最新データを参照可能になりました (せきゅあまいのーと, 郵便局 | 日本郵便株式会社)。一方、従来から広く使われてきた以下のようなサービスも依然として人気が高く、用途や要件に応じて選択肢として検討できます:

  • ZipCloud : 日本郵便のCSVを加工して提供する無料API (Zipcloud)。
  • PostcodeJP : アカウント登録が必要な有償APIだが、無料プランも用意 (Claris Help)。
  • api-zipcode.jp : 従量課金の有償サービスで、エリア判定などユニークな機能を提供 (Qiita)。
  • ポストくん(postcode.teraren.com) : ZipCloudデータを利用する無料サービス (Qiita)。
  • jp-postal-code-api(ttskch/jp-postal-code-api) : GitHub Pagesで静的JSONを公開する無料のOSS (Zenn)。

以下では、比較のポイントを示した上で、それぞれのサービスについて詳細に紹介します。

比較ポイント

各サービスを比較するにあたり、以下の観点を押さえます:

  1. データ元・更新頻度

    • 日本郵便公式か、二次加工データか
    • 更新タイミング(リアルタイム/日次/定期)
  2. 認証・利用制限

    • 認証(APIキー/トークン)の要否
    • 利用条件(法人限定、無料利用可など)
    • レートリミット(1秒あたり何件か、1日あたりの上限など)
  3. 対応フォーマット・機能

    • レスポンス形式(JSON/XML)
    • 返却情報(漢字・カナ・ローマ字)
    • デジタルアドレス対応、事業所個別番号対応、フリーワード検索など
  4. 料金体系

    • 完全無料、無料プラン+有料プラン、従量課金など
  5. 導入のしやすさ・開発者向けサポート

    • CORS対応、サンプルコードやドキュメントの充実度
    • GitHubリポジトリ、Qiita記事などコミュニティ情報

1. 日本郵便公式「郵便番号・デジタルアドレスAPI」 (および digital-address.app)

1.1 サービス概要

1.2 digital-address.app(デモサイト)

  • URL : https://digital-address.app/

  • 機能 :

    • ブラウザから「郵便番号」「デジタルアドレス」を直接入力し、JSONレスポンスを即時確認可能 (Qiita)。
    • CORS対応済みのクライアント実装がQiita記事で公開されており、フロントエンドから fetch での利用サンプルが確認できる (Qiita)。
    • トークン取得後に直接テストできる仕組みを備えており、実運用前の動作確認に最適 (Qiita)。

1.3 メリット・デメリット

2. ZipCloud

2.1 サービス概要

  • 提供元 : 株式会社AIBISU

  • URL : https://zipcloud.ibsnet.co.jp/ (Zipcloud)。

  • データ元 : 日本郵便が公開するCSVを加工した「全国一括データ(加工済)」を利用 (2025年5月30日更新分) (Zipcloud)。

  • 機能 :

    • 郵便番号検索API:7桁(ハイフン可)で住所情報を返却 (Zipcloud)。
    • 漢字・カナ情報を返却(ローマ字非対応) (Zipcloud)。
    • 事業所個別番号にも対応 (Zipcloud)。
  • レスポンス形式 : JSON

  • 認証 : 不要(APIキーもトークンも不要) (Zipcloud)。

  • 利用制限 :

    • レートリミット:公式Laravelでは明示されていないが、一般的な商用サイトやアプリで問題ない程度に設定されている (Zipcloud)。
    • 大量リクエスト時には注意が必要(連絡用メールあり) (Zipcloud)。
  • ドキュメント : https://zipcloud.ibsnet.co.jp/doc/api (Zipcloud)。

2.2 メリット・デメリット

  • メリット

    • 認証不要かつ無料で利用開始が容易 (Zipcloud)。
    • 定期的に(ほぼ日次)CSVが更新されており、新規の郵便番号変更も比較的早く反映 (Zipcloud)。
    • 多くのOSSサンプルやライブラリ(PHP, Python, JavaScript等)が存在し、導入事例が豊富 (GitHub, Zenn)。
  • デメリット

    • ローマ字表記に未対応 (Zipcloud)。
    • フリーワード検索やデジタルアドレスには対応せず、あくまで郵便番号→住所のみ (Zipcloud)。
    • 公式サポートがないため、大量アクセスや商用利用時は自己管理が必要 (Zipcloud)。

3. PostcodeJP

3.1 サービス概要

  • 提供元 : PostcodeJP運営チーム

  • URL : サービス公式ページ(ブラウザ検索で要確認) (Claris Help)。※独自ドメインが変動する可能性あり

  • データ元 : 日本郵便CSVをベースに独自加工し、独自サーバーでホスティング (Claris Help)。

  • 機能 :

    • 郵便番号検索:住所を取得(漢字・カナ対応、ローマ字にも対応) (Claris Help)。
    • フリーワード検索:入力した文字列であいまい検索が可能 (Claris Help)。
    • 住所入力フォーム向けJavaScriptライブラリ提供 (Claris Help)。
  • レスポンス形式 : JSON

  • 認証 : APIキー取得(無料プランあり) (Claris Help)。

  • 利用制限 :

    • 無料プランは月間リクエスト上限が設定(例:1万件/月、要公式サイトで要確認) (Claris Help)。
    • 有料プランは無制限または高リクエスト対応可 (Claris Help)。
  • ドキュメント : Claris Connect Reference など (Claris Help)。

3.2 メリット・デメリット

  • メリット

    • ローマ字対応でインバウンド向けサービスにも活用可能 (Claris Help)。
    • フリーワード検索やJavaScriptウィジェットが充実 (cly7796.net, Claris Help)。
    • 商用利用に耐えうる有料プランが選択可能 (Claris Help)。
  • デメリット

    • APIキー登録が必須で、導入ハードルが若干上がる (Claris Help)。
    • 無料プランのリクエスト制限に注意 (Claris Help)。
    • APIキー管理や有料プランに移行する際の契約手続きが必要 (Claris Help)。

4. api-zipcode.jp

4.1 サービス概要

  • 提供元 : api-zipcode.jp 運営事業者 (Qiita)。

  • URL : https://api-zipcode.jp/ (2023年版Qiita記事より) (Qiita)。

  • データ元 : 日本郵便CSVを加工し、APIサーバーで提供 (Qiita)。

  • 機能 :

    • 郵便番号検索:住所を取得(漢字・カナ・ローマ字対応) (Qiita)。
    • 事業所個別郵便番号対応 (Qiita)。
    • 指定エリアに郵便番号が含まれるか判定 (Qiita)。
  • レスポンス形式 : JSON

  • 認証 : 従量課金制(APIキー必須) (Qiita)。

  • 料金 :

    • 月間無料枠あり(要公式サイト確認) (Qiita)。
    • 従量課金のため使用頻度が低い場合は低コスト (Qiita)。
  • ドキュメント : 公式サイトで公開 (Qiita)。

4.2 メリット・デメリット

  • メリット

    • エリア判定機能があり、ECサイトなど配送可能判定に活用可能 (Qiita)。
    • 事業所個別番号・ローマ字対応 (Qiita)。
    • 従量課金なので、利用状況に応じたコスト管理が可能 (Qiita)。
  • デメリット

    • APIキー取得と課金体系の設定が必要 (Qiita)。
    • 無料枠を超えるとコストがかさむ可能性 (Qiita)。
    • 大量アクセス用途では別途相談が必要 (Qiita)。

5. ポストくん(postcode.teraren.com)

5.1 サービス概要

  • 提供元 : TERAREN (個人/小規模運営) (Qiita)。

  • URL : https://postcode.teraren.com/ (Qiita)。

  • データ元 : ZipCloudデータをそのまま利用 (Qiita)。

  • 機能 :

    • 郵便番号検索:住所を取得(漢字・カナ・ローマ字対応) (Qiita)。

      • ※ZipCloudのデータをそのまま返却するため、レスポンス形式はZipCloudと同等 (Qiita)。
    • GraphQLインターフェースも提供 (Qiita)。

  • レスポンス形式 : JSON

  • 認証 : なし(APIキー不要) (Qiita)。

  • 利用制限 :

    • ZipCloud同様に、過度なアクセスには制限がある可能性 (Qiita)。
  • ドキュメント : 特に公式ドキュメントはなく、サイト上で簡易的にサンプルを案内 (Qiita)。

5.2 メリット・デメリット

  • メリット

    • 認証不要&無料でGitHubやQiitaにサンプルが多数存在 (Qiita)。
    • GraphQL対応でクライアント側の実装が柔軟 (Qiita)。
  • デメリット

    • ZipCloudと同じく、ローマ字対応に限界があり、最新データ反映時期がZipCloudに依存 (Qiita)。
    • 運営が個人ベースのため、SLAや安定性は保証されない (Qiita)。

6. jp-postal-code-api(TTskch)

6.1 サービス概要

  • 提供元 : GitHubユーザー ttskch (OSS) (Zenn)。

  • URL : https://jp-postal-code-api.ttskch.com/api/v1/{郵便番号}.json (Zenn)。

  • データ元 : 日本郵便公式CSVを元に、GitHub Actionsで毎日自動更新されるJSONファイルをGitHub Pagesで配信 (Zenn)。

  • 機能 :

    • 郵便番号→住所変換(漢字・カナ・英語/ローマ字) (Zenn)。
    • 静的JSONのため高可用性(CDNキャッシュ) (Zenn)。
    • 事業所個別番号にも対応 (Zenn)。
  • レスポンス形式 : JSON

  • 認証 : なし(APIキー不要) (Zenn)。

  • 利用制限 :

    • GitHub Pagesの帯域制限(月間100GB)あり (Zenn)。
    • 「60日間アクティビティがないとWorkflowが自動停止」問題に対応する仕組みあり (Zenn)。
  • ドキュメント : GitHubリポジトリREADME (Zenn)。

6.2 メリット・デメリット

  • メリット

    • 完全無料&認証不要
    • 静的配信のため高速かつダウンタイムが少ない(CDNキャッシュ) (Zenn)。
    • リポジトリをフォークすれば独自ホスト化も容易 (Zenn)。
    • JSONに英語表記も含むので、国際化対応も可能 (Zenn)。
  • デメリット

    • **GitHub Pagesの帯域制限(月間100GB)**がネックになり得る (Zenn)。
    • 自動更新がWorkflowに依存しており、開発者がメンテしないと更新が止まるリスク (Zenn)。
    • フリーワード検索やデジタルアドレスには対応せず、あくまで郵便番号→住所のみ (Zenn)。

7. (その他の小規模サービス・ライブラリなど)

上記以外にも、OSSプロジェクトや小規模な個人運営の郵便番号API、あるいは「jpostal」「yubinbango」などのJavaScriptライブラリを利用してローカルでCSVマスターを保持・検索する方法もありますが、ここでは主要なWeb APIに絞っています。

8. まとめ

サービス名 認証 料金 データ元 更新頻度 漢字・カナ対応 ローマ字対応 デジタルアドレス対応 フリーワード検索 主な特徴・用途
日本郵便公式 郵便番号・デジタルアドレスAPI (digital-address.app) (郵便局 | 日本郵便株式会社, 郵便番号・デジタルアドレス for Biz) 要(法人・個人事業主向け ゆうID Biz) 無料 公式CSV(常に最新) リアルタイム ○(一部) 最新データ・デジタルアドレス対応・多言語対応
ZipCloud (Zipcloud) 不要 無料 公式CSV(加工版) 日次 × × × 認証不要・無料・導入容易
PostcodeJP (Claris Help) 要(APIキー) 無料プラン+有料プラン 公式CSV(加工版) 不明(日次想定) × ローマ字・フリーワードOK・UIライブラリ提供
api-zipcode.jp (Qiita) 要(APIキー) 従量課金 公式CSV(加工版) 不明(定期) × × エリア判定機能・事業所個別番号対応
ポストくん (postcode.teraren.com) (Qiita) 不要 無料 ZipCloudデータ 日次相当 × × × GraphQL対応・認証不要
jp-postal-code-api (Zenn) 不要 無料 公式CSV→OSS毎日更新JSON 毎日 × × 静的配信による高速性・OSSでフォーク可・英語表記含む

8.1 おすすめの選び方

  • 法人・業務利用+最新データ必須+デジタルアドレス対応が必要 → 「日本郵便公式 郵便番号・デジタルアドレスAPI」 (せきゅあまいのーと, CodeZine)。
  • 個人開発・テスト目的で手軽に使いたい → 「ZipCloud」 (Zipcloud)または「ポストくん」 (Qiita)。
  • 無料でローマ字も一緒に使いたい → 「PostcodeJP」無料プラン (Claris Help)または「jp-postal-code-api」 (Zenn)。
  • エリア判定による配送可否判定や従量課金のコスト制御が重要 → 「api-zipcode.jp」 (Qiita)。

8.2 今後の展望

  • 日本郵便公式のアップデート

  • OSSコミュニティの継続的な改善

    • GitHub上のOSSプロジェクトでは定期的なメンテナンスが必要で、開発者の有志によるデータ精度向上が続くでしょう (Zenn)。
  • 他言語サポートや統合プラットフォーム化

    • 将来的には、複数業者のAPIをまとめた統合プラットフォームや、多言語対応強化(英語・中国語・韓国語など)が期待されます。

以上、「【2025年版】郵便番号APIサービス比較」として、主要なサービスの特徴を整理しました。用途や要件に応じて最適なサービスを選び、効率的な住所自動入力や配送判定を実現してください。

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