はじめに
毎週1本様々な技術に関する記事を投稿しています。
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@7_inai_
CPSとは
CPS(Cyber Physical System)とは、現実世界(フィジカル)の情報を、仮想空間(サイバー)に取り込み分析し、分析結果を用いて現実世界の活性化や社会課題の解決を測るシステム
のことです。
★次の①〜④のループを繰り返すイメージです。
①現実世界でのデータ収集
②仮想空間でのデータ蓄積
③仮想空間でのデータ分析
④現実世界でのデータ活用
身近なCPSの例を言うと、Google Map を想像してもらえればわかりやすいと思います。実際の道と同じ道を仮想的にスマホの画面上に映し出し、リアルタイムの道路の渋滞情報や街の混雑状況を反映させています。
CPS注目の背景
CPSが注目され始めた背景には、CPSならではの強みが関係しています。
例えば、医療、交通、電気のような、社会インフラになるシステムにもITを取り入れる動きが広まっています。しかし、従来のシステムでは社会インフラに求められるだけの安定性が無く、社会インフラとしては不十分でした。そこで使用されるのがCPSです。CPSによって現実世界と仮想空間を統合させることで、客観的な分析結果をもとにトラブルを解消することができます。
また、スマホ等の電子機器の世界規模での流行により、電子部品代が安くなり、CPSへの導入障壁が年々低くなってきていることも挙げられます。
CPS ≠ デジタルツイン ≠ IoT
CPS・デジタルツイン・IoTの3つの技術はよく混同して考えられるため、それぞれの技術の違いを記載しておきます。
・IoTとCPS:IoTはネットワークを用いたデータの収集を意味しますが、CPSが行うような単体での分析や フィードバック までは行えません。
・デジタルツインとCPS:デジタルツインは、現実世界で取得したデータを用いて、サイバー空間内に現実空間の環境を双子(ツイン)であるかのように再現する技術のことです。意味的にはCPSとかなり似ていますが、CPSはデータの収集や蓄積だけでなく、データの分析や フィードバック まで行うことがデジタルツインとの違いです。
CPSの事例
最後にCPSの事例を2つほど紹介します。
①自動車の自動運転
自動車の自動運転では、車がセンサーから取得した実世界の情報を、ITを駆使して仮想空間で処理し、ブレーキやアクセルといった実世界の駆動系フィードバックを行います。
この 「実世界 -> 仮想世界 -> 実世界」というながれがCPSによるものです。
②製造ライン最適化
製造ラインの最適化にとってもCPSは重要な技術です。
CPSを用いることで、現実世界の製造ラインを仮想空間に再現することができます。仮想空間で再現した製造ラインでシュミレーションをすることで、「予防保全」「生産プロセスの最適化」「柔軟性向上」など、様々な効果を得ることができます。
終わりに
CPSを活用することで、製造業は今後ますます競争力を維持することができるでしょう。しかしながら、CPSは常に進化し続ける技術であり、常に最新のトレンドにアップデートされる必要があります。製造業は、CPSを取り入れ、その恩恵を最大限に受けることで、将来の成功を確保することができます。