単刀直入に結論から
「これから説明するけど、分からない用語や内容があれば、その瞬間に話を止めてもいいから聞いてね。」
この一言をかけてくれた先輩上司に、私は強い安心感を覚えました。
今では逆に、自分が後輩に説明をするときには、この言葉をそのまま「いい意味でパクって」使わせてもらっています。
なぜこの言葉が安心できるのか。それを考えるきっかけとして、身近なシーンを紹介させてください。
電子マネーを用いた送金の例
まず、以下のようなシーンを想像してみてください。
(飲み会などが終わって、集金する場面で)
「PayPayで送金お願いします!」
このセリフ、何が問題かわかりますか?
考えてください①
この言い方に、どんな“前提”が隠れているでしょうか?
……
そうなんです。この一言には、以下のような前提が含まれています:
- 相手が PayPay を使っている
- かつ、PayPay での送金方法を知っている
これ、どちらかでも該当しないと、聞いた側は少しモヤっとしてしまいますよね。
とはいえ、場の空気を壊さないように
「すみません、使ったことなくて……」
と切り出すのは、親しい間柄でない限りなかなか勇気が要るものです。
(特に、日本人の場合こういうことをサラッと言える人は少ないですよね。)
その結果、言い出した側からすれば
(え、これも知らないの……?)
といった印象を持ってしまう危険すらあります。
考えてください②
どう言えば、相手が“聞きやすくなる”でしょうか?
……
以下のような配慮あるセリフが良い例です:
- 「PayPayの送金って普段使われますか?」
- 「電子マネーは何を使っていますか?」
- 「(事前に)集金はPayPayで行う予定なので、準備お願いしますね」
このように、相手の前提や状況を確認するひと手間を挟むことで、よりスムーズなコミュニケーションになります。
自分の当たり前は、相手の当たり前ではない
エンジニアに限らず、仕事の現場では専門用語が飛び交います。
そして、その中には業界全体で使われる用語と、その現場だけのローカル用語が混在しています。
説明する側としては、普段から自然に使っている言葉なので、
「まあ分かるだろう」と無意識に思ってしまうこともあると思います(私もそうでした)。
でも、説明を受ける側――特に新人や未経験の立場では、わからない言葉があっても「話を止める勇気」が持ちづらいんです。
そのせいで、
途中の一単語が理解できなかったせいで、以降の説明が全部頭に入ってこなかった
なんてことも普通に起こります。
だからこそ大事な「一言」
話す前に「分からなかったらすぐに聞いていいよ」と一声かけるだけで、
聞く側の安心感はまったく違います。
結果的に、
- 話が伝わりやすくなる
- 相手からの信頼が高まる
- 指導ミスやトラブルも減る
など、良いことづくしです。
まとめ
- 当たり前の前提を押しつけない
- 前提を確認するひと手間を忘れない
- 聞きやすい空気をつくる一言を意識する
特に新人や未経験者と関わる場面では、ぜひ最初にこう伝えてみてください。
「これから説明するけど、分からない用語や内容があれば、その瞬間に話を止めてもいいから聞いてね。」
これだけで、あなたの説明が“伝わる説明”に変わります。
教える側の方々は、新人や未経験者からの信頼を是非勝ち取りましょう。
逆に、新人や未経験者の方々は、2回同じことを聞かないように心がけましょう。
(とかいう私は、2回同じことを聞かれてもなんとも思わない派です。すべて1回で定着させるのは難しいものなので。)