All About ACS: IBM i Access Client Solutionsで出来ないことと改善要望


Access Client Solutionsで出来ないこと

ACS は「Java で書かれた Access for Windows」や「Access for Windows をそのまま Java に移植したもの」ではありません。

「同等の機能を Java で実装しなおしたもの」と考えた方がいいでしょう。

OS のネイティブコードでの記述が必要な ODBC や OLE DB などは、Windows / Linux のネイティブコードで記述された Application Package が用意されていますが、それ以外の機能はすべて標準的な Java で記載されています。

そのため、データペースへのアクセス以外で Java で実現できない機能もできなくなっています。

ACS で対応できない代表例を記載します。


着信リモート・コマンド(cwdrxd)に対するRUNRMTCMDでのWindowsプログラムの実行

Access for Windows では、着信リモート・コマンド(cwdrxd)サービスに対して、IBM i から RUNRMTCMD を発行することで、Windows プログラムを無人実行できました。

ACS には、この機能がなくなっています。

実行は無人でなくてはいけないか、IBM i からでなくてはいけないかで、いくつかの方法が考えれます。


  • IBM i からコマンドを送るという点では 5250 経由の「STRPCCMD」が利用できます。実行にユーザーの関与/5250の利用が許されるのであれば「STRPCCMD」への移行は一つのオプションでしょう。


  • どうしても「RUNRMTCMD」でならない場合、Windows用の「REXEC」のサーバーを用意し RUNRMTCMD を使い続けることが考えれられます。

    RUNRMTCMD は「REXEC」という UNIX 上で古くから使われるプロトコルを利用します。そのため、RUNRMTCMD で AIX や Linux にコマンドを発行することも可能です。

    適切なWindows用の「REXEC」のサーバーが用意できれば、RUNRMTCMD を使い続けられるでしょう。


  • IBM i を関与させない方法もあるかもしれません。

    対象の Windows にリモートデスクトップで入り、コマンドを実行することや、Windows 間の連携機能でコマンドが実行できるかもしれません。


  • どうしても IBM i から無人でWindowsコマンドを実行しなければならない場合、 5733-SC1 で用意される IBM i 上のOpenSSH からWindows 用のOpenSSH を呼び出す方法もあるでしょう。Windows 10 April 2018 Update (1803) では OpenSSH サーバーが正式に組み込ました。Windows Server 2019 でも利用可能です。



Excel データ転送 ADD-IN

Excel 内から呼び出すデータ転送 ADD-IN はなくなりました。

代わりに今開いているExcelへ/からデータを転送する「アクテイブ Excel スプレッドシート」が転送先/元として用意されています。

また、ダウンロードだけでよければ、Windows Application Package を導入し、OLE DB、ODBC という外部データソース、MS-Query によるDBCS接続といった方法も考えられます。


できるようにしてほしい。

ACS に限らず、機能の改善・拡張は Request for Enhancement (RFE) で IBM に要求できます。

下記で更新情報を見ると、RFE で始まる番号が付いたものがあります。これらは、RFE から取り込まれた機能改善です。

ftp://ftp.software.ibm.com/as400/products/clientaccess/solutions/readmespacs.txt

日本発では、5250 のフォント表示が汚いというのが、RFE 経由で改善されました。

GDI 印刷と同等のことが ACS ではできませんでしたが 1.1.8 で Java Print Service(JPS)で実装されました。これも RFE によるものです。

申請先はこちらです。

https://www.ibm.com/developerworks/rfe/

英語ですが、こちらの「IBM Request for Enhancement (RFE) allows IBM i clients to affect the course for the future」 が、IBM i クライアントに対する RFE の要求の記事です。

IBM i 用ではありませんが 日本語で「RFE Community で機能拡張の要望を登録する方法について」という記事もあります。


「Vote」も大事

自分で RFE を要求するだけでなく、他人の RFE に投票することができます。

投票が多ければ、多数の要求があると IBM に理解させ優先順位を上げさせることができます。


2019-02-18

- GDIと同等の印刷ができるようになったことに対する修正

- sshd の情報を更新

「All About ACS」では IBM i に対する新しいクライアント「IBM i Access Client Solutions」の情報をいろいろ提供していきます。

記事一覧はこちらで確認いたけます。

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