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【気象・水文観測機器の自作】 第1回 観測機器の概要

Last updated at Posted at 2021-01-20

1.はじめに

いきなりですが,気象観測(気温,風速,日射量,湿度などの観測)や水文観測(降水量や河川流量などの観測)用の観測機器を自作したいと思います.

農業農村工学分野では,観測機器の自作に関する知識を持ってる人は(特に我々若い世代に)あまり多くなく,データを使うことはできても自分でデータを取るのは無理ということが少なくないと思います.
まして学生の場合が一機数万~数百万の観測装置なんて買えるわけないです.

じゃあ作ればいいじゃんということで,【気象・水文観測機器の自作】シリーズをスタートすることにしました.
低コストで観測装置を作り日本中で気象・水文観測をしましょう!

筆者自身も農学の人間なので電磁気とか電子工作の知識は十分ではありませんが,だからこそ初学者にもわかりやすく解説したいと思います.
解説がわかりにくいところがあれば,遠慮なくQiitaかTwitter( https://twitter.com/6LxAi9GCOmRigUI )かgmail(BattleShipMissouriWater@gmail.com)のいずれかで質問を送ってください.

【気象・水文観測機器の自作】シリーズは全14回を予定しています.
第1回~第6回では,観測装置の細かな解説は抜きにして,とりあえず測器を動かしデータを取ってみます.
まずは自分でデータを取ることの楽しさを知ってみましょう.
第7回~第12回では,観測装置の内部に関して詳しく解説をします.
第13回~第15回では,応用的な測器を作るとともに測器の自作方法について話したいと思います.

【気象・水文観測機器の自作】 第1回 観測機器の概要
https://qiita.com/6LxAi9GCOmRigUI/items/bfdfc038e4360961d289
【気象・水文観測機器の自作】 第2回 データロガーの製作(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第3回 充放電コントローラーの製作(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第4回 気温と湿度の測定(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第5回 放射量の測定(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第6回 風速の測定(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第7回 データロガーの解説1 デバッグ用LCD(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第8回 データロガーの解説2 スイッチ・ボタン(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第9回 データロガーの解説3 RTCモジュール(時計)(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第10回 データロガーの解説4 データ保存用ストレージ(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第11回 データロガーの解説5 測定制御関数とmain関数(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第12回 充放電コントローラーの解説(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第13回 通風式温湿度計の制作 ―より実用的な測定を目指して―(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第14回 転倒ます式雨量計の制作(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第15回 観測装置の自作について(執筆予定)

2.観測機器の概要

本シリーズで作る装置に求める条件とその条件を達成するための仕組みは以下のように設定することにします.

条件 実現方法
防滴・防塵 センサーやソーラーパネル以外の基盤は箱に入れて,ある程度の高さに設置する.
外部電源不要で,電気的に独立 ソーラーパネルとバッテリーを使う.
低コスト(上限2万) 安い部品を使い,センサーなども可能な限り自分で作る.シングルボードコンピュータを使わない.
数か月分の観測データをストックできる マイクロSDカードにデータを保存する.
操作しやすいインターフェース 液晶ディスプレイやLEDを使う.
落雷防止 対策を考え中

低コストで作ることを重視しているので,市販の観測装置に比べれば精度は当然低いです.
しかし,データがそもそも取られていなかった場所でデータを取れるメリットや低コストゆえに多地点観測が可能というメリットは大きいと考えています.
屋外という過酷な環境での使用による故障や途上国での使用に伴う盗難被害などのダメージも低コストで作ることである程度軽減できると思います.

観測機器の概略は下図の通りです.
データロガー_概念図.jpg

制御用マイコン,データ保存用ストレージ,時計,スイッチ・ボタン,液晶ディスプレイをまとめてデータロガーと呼びます.データロガーとは,簡単に言えばセンサーから得られる気温や湿度などのデータを保存するための装置です.このデータロガーに各種センサーを接続することで長期的・連続な水文・気象観測が可能になります.

また,ソーラーパネル,バッテリー,充放電コントローラーにより独立した(家庭用コンセントなどを使用しない)電源を構築することができます.これにより商用電源が手に入らない山奥での長期的な観測が可能になります.

4おわりに

次回以降,具体的な製作過程を記事にしていきたいと思います.
第2回では,まず測定したデータを貯めておくためのデータロガーと充放電コントローラーについて解説します.
お楽しみに!

今後も農業農村工学(水文学,かんがい排水,土壌物理,水理学)を中心にいろんな記事を執筆していきたいと思います.
リクエスト等も受け付けておりますので,ご遠慮なく連絡ください.
Twitterアカウント:https://twitter.com/6LxAi9GCOmRigUI
(ツイッターで絡んでくれると喜びます(*´・ω・。)σカマチョ )

【気象・水文観測機器の自作】シリーズ一覧

【気象・水文観測機器の自作】 第1回 装置の概要
https://qiita.com/6LxAi9GCOmRigUI/items/bfdfc038e4360961d289
【気象・水文観測機器の自作】 第2回 データロガーの製作(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第3回 充放電コントローラーの製作(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第4回 気温と湿度の測定(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第5回 放射量の測定(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第6回 風速の測定(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第7回 データロガーの解説1 デバッグ用LCD(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第8回 データロガーの解説2 スイッチ・ボタン(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第9回 データロガーの解説3 RTCモジュール(時計)(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第10回 データロガーの解説4 データ保存用ストレージ(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第11回 データロガーの解説5 測定制御関数とmain関数(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第12回 充放電コントローラーの解説(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第13回 通風式温湿度計の制作 ―より実用的な測定を目指して―(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第14回 転倒ます式雨量計の制作(執筆予定)
【気象・水文観測機器の自作】 第15回 観測装置の自作について(執筆予定)

検索用Key Words:
PIC,マイコン,C言語,プログラミング,データロガー,自作,低コスト,小型,農業農村工学,気象観測,水文観測,かんがい排水

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