Day 15: なぜEKSを学ぶのか?Kubernetesのアーキテクチャと概念を理解する 🌐
皆さん、こんにちは!30日集中講座、Day 15へようこそ。
第2週では、AWS ECSを使い、ローカルで動くコンテナをクラウドで運用する一連の流れを学びました。ECSはシンプルで強力なサービスですが、クラウドネイティブの世界ではもう一つのデファクトスタンダードが存在します。それが Kubernetes(通称K8s) です。
今日から始まる第3週では、AWS上でKubernetesを動かすマネージドサービスであるEKS (Elastic Kubernetes Service) に焦点を当てます。KubernetesはECSよりも学習コストが高いという側面がありますが、今回のような段階的なアプローチで学習すれば、確実にマスターできます。まずは「なぜKubernetesを学ぶべきなのか?」という根本的な問いに向き合い、そのアーキテクチャと主要な概念を理解していきましょう。
1. なぜECSだけでは不十分なのか?使い分けのポイント
ECSはAWSのサービスと緊密に連携しており、シンプルなコンテナ運用に適しています。しかし、Kubernetesには以下のような強みがあります。
- ベンダーニュートラル: Kubernetesはオープンソースであり、AWS、Google Cloud、Microsoft Azure、さらにはオンプレミス環境でも同じように使えます。ECSが単一のAWSアカウント内での運用に適しているのに対し、Kubernetesは複数のクラウドプロバイダーやオンプレミスをまたいだハイブリッド構成で真価を発揮します。
- 豊富なエコシステム: 開発者コミュニティが非常に大きく、CI/CDツール、モニタリング、ロギング、セキュリティツールなど、Kubernetesを中心に開発されたツールが豊富に存在します。
- ポータビリティ: Kubernetesで構築したアプリケーションは、どの環境でもほぼ同じ設定で動かすことができます。これは、特定のベンダーにロックインされないための重要な要素です。
2. Kubernetesのアーキテクチャ
Kubernetesは、コントロールプレーンとノードという2つの主要なコンポーネントで構成されています。
コントロールプレーン
コントロールプレーンは、Kubernetesクラスター全体の「頭脳」です。クラスターの状態を管理し、アプリケーションのデプロイ、スケーリング、管理といった指示を出します。
EKSを使う場合、このコントロールプレーンの管理はすべてAWSが担ってくれます。私たちは、ノードとなるEC2インスタンスをプロビジョニングするか、Fargateを使ってノード管理自体を省略するだけで済みます。EKSのコントロールプレーンには、月額約$74(米国東部の場合) の固定料金がかかります。これに加えて、ノード(EC2インスタンス)の料金が発生するため、小規模な検証環境でもECSより初期コストは高くなります。
ノード
ノードは、実際にコンテナを実行する「ワーカーマシン」です。コントロールプレーンからの指示に従って、コンテナを起動・管理します。
3. Kubernetesの主要な概念
Kubernetesの主要なリソースは、ECSのタスク定義やサービスに似た役割を果たすものですが、より詳細な制御が可能です。
- Pod: コンテナを実行する最小の単位です。1つまたは複数のコンテナをグループ化して、一緒に実行します。ECSの「タスク」に相当します。
- Deployment: Podの数やバージョンを管理します。ローリングアップデートやロールバックといった、デプロイメントのライフサイクルを自動化します。ECSの「サービス」に相当します。
- Service: 複数のPodにまたがる安定したネットワークアクセスを提供します。ロードバランサーや内部DNSとして機能し、PodのIPアドレスが変動してもサービスを継続させます。
-
Namespace: クラスター内のリソースを論理的に分離する仕組みです。ECSでは開発、ステージング、本番環境を別々のクラスターで管理することが多いですが、Namespaceを使えば同一クラスター内で分離できるため、リソースを効率的に活用できます。例えば、
dev-namespace、staging-namespace、prod-namespaceのように環境ごとに分離することで、同一クラスター内で安全に複数環境を運用できます。
4. まとめ:なぜEKSを学ぶのか?
- Kubernetes/EKSは、マルチクラウドでのポータビリティや、豊富なエコシステムを求める場合に最適な選択肢です。
- EKSを使うことで、Kubernetesの複雑なコントロールプレーンの管理をAWSに任せることができます。
- ECSを理解したからこそ、次はKubernetesの強みと違いを学ぶことで、より幅広い選択肢を持てるようになります。
例えば、将来的にAWS以外のクラウドも検討する可能性がある場合や、開発・ステージング・本番を効率的に管理したい場合は、EKSが適しているかもしれません。皆さんの状況ではいかがでしょうか?
次回の予告
Day 16: EKSクラスターを構築する:eksctlとkubectlを使ってみよう
それでは、また明日お会いしましょう!