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Day 6: 侵入経路の王道:VPN機器の脆弱性とRDP(リモートデスクトップ)の危険性

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はじめに

第6回では、現代のランサムウェア攻撃において「玄関口」として最も悪用されているVPN機器の脆弱性RDP(リモートデスクトップ) のリスクについて解説します。

テレワークの普及により、これらのゲートウェイは「利便性の象徴」から「攻撃者の主戦場」へと変貌しました。

2025年現在の統計(警察庁等)では、ランサムウェアの感染経路の 約半数以上がVPN機器 経由であり、これにRDPを加えると 全体の8割以上 を占めています。なぜこれほどまでに狙われるのか、その技術的背景を解剖します。

⚠️ 1. VPN機器:信頼の拠点に潜む致命的な脆弱性

VPN(Virtual Private Network)は、社外から社内ネットワークへ安全に接続するための技術ですが、その「入り口」となるVPNアプライアンス自体に脆弱性があると、攻撃者にフルアクセスを許す 「最悪の踏み台」 となります。

近年の主なVPN脆弱性トレンド(CVE例)

直近数年で、大手ベンダーの機器において深刻度(CVSS)が「緊急(9.0以上)」の脆弱性が相次いで発見されています。

  • Ivanti Connect Secure (CVE-2023-46805 / 2024-21887): 認証バイパスとコマンドインジェクションの組み合わせ。
  • Palo Alto GlobalProtect (CVE-2024-3400): 認証なしでのリモートコード実行(RCE)。
  • Fortinet FortiGate / Citrix NetScaler: 定期的にゼロデイ脆弱性が発見され、標的となっています。

攻撃のフロー

  1. 偵察 (Reconnaissance): Shodanなどのツールで、脆弱なバージョンが動いているVPN機器のIPを特定。
  2. エクスプロイト実行: 認証を通らずにデバイスの管理者権限を奪取、または「セッションクッキー」を盗み出す。
  3. 内部侵入: VPN装置を中継地点として、社内ネットワークへビーコン(通信の足場)を立てる。

🚪 2. RDP(リモートデスクトップ):開け放たれた勝手口

Windows標準のリモート接続機能であるRDP (Remote Desktop Protocol) は、設定ミスによって攻撃者に「レッドカーペット」を敷いてしまうケースが後を絶ちません。

RDPが危険視される理由

  • デフォルトポート(3389)の露出: 外部から直接RDPポートにアクセスできる設定は、世界中の攻撃者から常にブルートフォース(総当たり攻撃)を受けています。
  • ブルートフォースと辞書攻撃: IDが Administrator のまま、パスワードが脆弱な場合、数分で突破される可能性があります。
  • 認証情報の売買: ダークウェブでは、既に突破済みのRDPアクセス権が「初期アクセスブローカー(IAB)」によって数百ドルで販売されています。

🚨 2025年の注意点:RDPの「横展開(Lateral Movement)」

侵入経路としてだけでなく、**一度侵入した後の「内部移動」**にRDPが悪用されるケースが激増しています。AD管理者の端末を乗っ取り、そこから他のサーバーへ正規のRDP接続で移動するため、既存のウイルス対策ソフトでは検知が極めて困難です。


🛠️ 3. エンジニアが実施すべき「鉄壁のゲートウェイ」対策

これら「王道の経路」を塞ぐには、利便性よりもセキュリティを優先した構成管理が求められます。

対象 対策アクション 効果
VPN 多要素認証 (MFA) の強制 パスワードやセッションが盗まれても侵入を防ぐ
VPN パッチ適用の迅速化 脆弱性公開から24時間以内の適用を目指す
RDP インターネットへの直接公開禁止 必ずVPN経由、またはRDゲートウェイ越しにする
共通 アタックサーフェス管理 (ASM) 自社が意図せず公開しているポートがないか継続監視
共通 接続元IP制限 許可された拠点や特定の国以外からのアクセスを遮断

📝 まとめ:境界防御の「賞味期限」

かつては「VPNさえ通せば安全」と考えられてきましたが、現在は 「VPNそのものが狙われる」 時代です。

  • VPN機器の脆弱性管理(技術的対策)
  • 多要素認証の徹底(認証の強化)

この2つを徹底しない限り、ランサムウェアの侵入を止めることはできません。

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