コーポレートサイト改善でAIを使ったのに、返ってきた改善案がいまひとつ弱い。
この経験がある人は多いはずです。
理由は単純で、コーポレートサイトを「1つの目的のサイト」としてAIに見せてしまっているからです。
実際には、コーポレートサイトは問い合わせだけでなく、採用応募、応募受付、事業理解など、複数のCVを同時に持っていることが少なくありません。
それを分解せずに丸ごとAIに渡すと、CTAを目立たせる、導線を短くする、といった無難な一般論に寄りやすくなります。
この記事では、Playwright と Claude Code を使って、コーポレートサイトをどう分解し、どうすれば実務で使える改善案に変えられるのかを整理します。
AIにコーポレートサイトを見せても毎回ふわっとした提案しか返ってこない。
その状態を抜けるための、かなり実践寄りの進め方です。
この記事の結論
結論から言うと、
コーポレートサイト全体を1つのゴールで見ないこと が重要です。
特に、以下のようなサイトではこの考え方が有効です。
- 採用導線がある
- 応募フォームが複数ある
- 問い合わせ窓口が複数ある
- 会社紹介と事業紹介の両方を担っている
このタイプのサイトでは、
「問い合わせを増やす」ではなく、まず 何を増やしたいのかを分ける 必要があります。
たとえば次のようにです。
- 採用応募を増やす
- クリエイター応募を増やす
- 問い合わせを正しい窓口に振り分ける
- 会社や事業の理解を深める
この分解をせずにAIへ依頼すると、
UIの一般論ばかり返ってきて、実務で使いにくくなります。
なぜ「問い合わせ改善」だけでは弱いのか
受託開発会社やBtoB企業のコーポレートサイトなら、
「問い合わせCV」が主目的になることは多いです。
一方で、コンテンツ系やサービス系の企業では、
コーポレートサイトが単なる会社紹介ではなく、複数の役割を持つハブ になっていることがあります。
この場合、トップページから見ているユーザーもバラバラです。
- 転職を考えている人
- 応募先を探しているクリエイター
- 企業情報を調べている取引先
- 問い合わせ窓口を探している人
- 会社の事業内容を知りたい人
つまり、同じページを見ていても、
ユーザーが達成したいことは一致していません。
ここを無視すると、AIは次のような無難な提案をしがちです。
- CTAを目立たせましょう
- ファーストビューを分かりやすくしましょう
- 導線を短くしましょう
- 情報量を整理しましょう
これ自体は間違いではありません。
ただ、どのCVに効かせたい改善なのかが曖昧 です。
実務で欲しいのは、もっとこういう提案です。
- 採用応募を増やすために、社員紹介から募集要項への接続を強くする
- クリエイター応募を増やすために、応募メリットと実績訴求の順番を見直す
- 問い合わせの誤流入を減らすために、窓口の分岐を先に見せる
- 事業理解を高めるために、トップで事業の全体像を短時間で理解できるようにする
このレベルまで具体化するには、
AIに渡す前にサイトの目的を分解する 必要があります。
まずやるべきことは「CVの棚卸し」
改善案を出す前に、最初にやるべきことはシンプルです。
1. サイトにある主な行動を洗い出す
たとえば以下です。
- 採用応募
- パートナー問い合わせ
- クリエイター応募
- 資料請求
- 企業理解
- 事業理解
- サービスへの送客
- 問い合わせ窓口の振り分け
2. それぞれの優先度を決める
全部を同じ重さで扱うと、改善案がぼやけます。
なので、最低でも次の3段階くらいには分けた方がいいです。
- 最優先
- 重要
- 補助
3. ページごとに「誰に何をさせたいか」を決める
たとえばトップページなら、
- 初見ユーザーに会社の全体像を伝える
- 採用情報や応募導線に進ませる
- 問い合わせ先を迷わせない
のように整理します。
これを先にやるだけで、AIへの指示精度がかなり変わります。
AIに依頼するときの考え方
ここで大事なのは、
AIに「サイトを改善して」と頼まないことです。
代わりに、次の3つを必ず渡します。
- 対象ページ
- 改善したい行動
- 評価観点
たとえば悪い依頼はこうです。
このサイトを見て改善案を出してください。
これだと広すぎます。
一方で、良い依頼はこうです。
Playwrightを使って、
このコーポレートサイトを巡回し、採用応募数を増やす観点で改善点を特定してください。
企業理解、社員理解、募集要項到達、応募導線を中心に、
優先度つきで具体的な改善案を出してください。
PC表示とdevice emulationを使って、iPhone 13相当の表示の両方を確認し、
迷いやすい箇所、離脱しやすい箇所、クリックや表示の不具合も確認してください。
このように、
目的を1つに絞ってから見せる のが基本です。
実務で使いやすいプロンプト例
ここからは、そのまま流用しやすい形で書きます。
1. サイト全体の構造を把握するためのプロンプト
Playwrightを使って、
対象のコーポレートサイトを巡回し、サイト全体の導線構造を分析してください。
目的は、採用応募、応募受付、問い合わせの適切な振り分け、事業理解の促進です。
トップページ、事業紹介、募集ページ、お問い合わせページ、採用ページを中心に確認し、
各ページがどの目的を担っているかを整理してください。
そのうえで、以下の観点で問題点を抽出してください。
- 目的が曖昧なページ
- CTAが弱いページ
- 情報量が多すぎて理解しにくいページ
- 次に進むべき導線が不明確なページ
- 誤った問い合わせや離脱を生みやすいページ
PC表示とdevice emulationを使って、iPhone 13相当の表示の両方を確認し、
事実ベースで優先度つきの改善案を出してください。
2. 採用応募に特化して見るプロンプト
Playwrightを使って、
対象の採用ページ群を巡回し、採用応募数を増やす観点で改善点を特定してください。
特に以下を確認してください。
- 企業理解が自然に進む構造になっているか
- 社員や働く環境の理解につながっているか
- 募集要項への到達が分かりやすいか
- 応募ボタンが十分に目立つか
- スマホ閲覧時でも応募意欲が落ちないか
PC表示とdevice emulationを使って、iPhone 13相当の表示の両方を確認し、
迷いやすい箇所、離脱しやすい箇所、クリックや表示の不具合も含めて、
優先度つきで具体的な改善案を出してください。
3. 応募フォームに特化して見るプロンプト
Playwrightを使って、
対象の応募ページおよび応募フォームを確認し、応募完了率を高める観点で改善点を特定してください。
特に以下を確認してください。
- 応募前に必要情報が十分に伝わっているか
- 入力項目数は心理的負担になっていないか
- 必須項目と任意項目が分かりやすいか
- 入力途中で不安になる要素がないか
- 完了までのステップが想像しやすいか
フォームに到達する前の訴求ページも含めて確認し、
PC表示とdevice emulationを使って、iPhone 13相当の表示の両方で、
離脱しやすい箇所を優先度つきで整理してください。
4. 問い合わせ振り分けに特化して見るプロンプト
Playwrightを使って、
対象の問い合わせページを確認し、誤った問い合わせ流入を減らし、
適切な窓口へ誘導する観点で改善点を特定してください。
特に以下を確認してください。
- 問い合わせ種別の分岐が分かりやすいか
- サポート窓口と法人窓口が混同されにくいか
- フォーム入力前に迷わないか
- 誤った導線に進んだ人を戻せる設計になっているか
- 注意文が読まれやすい位置にあるか
PC表示とdevice emulationを使って、iPhone 13相当の表示の両方を確認し、
見落としやすい表現、誤解を招きやすいUI、離脱要因を整理したうえで、
優先度つきで改善案を出してください。
見るべき評価観点
AIに依頼するときは、以下の観点をセットにすると精度が上がります。
1. 一目で目的が分かるか
ユーザーは丁寧に読んでくれるとは限りません。
最初の数秒で、
- このページは何のページか
- 自分に関係あるか
- 次に何をすればよいか
が分からないと離脱しやすくなります。
2. CTAがページの目的と一致しているか
CTAが目立っていても、
ページの目的とズレていたら意味がありません。
たとえば採用ページなら、
目立つべきなのは「会社概要」ではなく「募集要項」や「応募導線」かもしれません。
3. 情報の順番が自然か
情報量が多いこと自体が問題ではなく、
読む順番が悪いこと が問題になることが多いです。
たとえば応募ページなら、
- 応募するメリット
- 実績や信頼性
- 応募条件
- 応募方法
- CTA
の順の方が自然な場合があります。
4. モバイルでストレスがないか
PCでは成立していても、スマホだと崩れることは多いです。
- CTAが遠い
- テキストが長すぎる
- 比較表が見づらい
- 導線が途中で切れる
- スクロール量が多すぎる
このあたりは実機相当で見ないと分かりません。
改善案を実務に落とすときのコツ
AIが出した改善案は、そのまま全部やるのではなく、
次の3条件で絞ると使いやすいです。
1. 主要CVに直結するか
CVに効かない改善は後回しでよいです。
2. 初見ユーザーの迷いを減らすか
最初の理解コストを下げる改善は効果が出やすいです。
3. 小さく早く試せるか
最初から大規模改修にしない方が、検証しやすいです。
実際には、TOP3〜5くらいに絞って先に試すのが現実的です。
この方法が向いているケース
この方法は、特に次のようなサイトで相性が良いです。
- コーポレートサイトに複数の目的がある
- フォームや応募導線が複数ある
- 問い合わせ種別の振り分けが必要
- 採用と事業紹介が同じサイト群にある
- UI改善の議論が毎回ふわっと終わりやすい
逆に、
単一のLPで「このボタンを押してもらえればよい」というサイトなら、
ここまで分解しなくても大丈夫です。
まとめ
コーポレートサイト改善でAIを使うときに大事なのは、
サイト全体を1つのCVで見ないこと です。
特に、複数の導線を持つサイトでは、
- 採用応募
- 応募受付
- 問い合わせ振り分け
- 事業理解
のように、先にゴールを分解した方が精度の高い改善案が出ます。
要するに、AIに広く考えさせるよりも、
「誰に、何をしてほしいページなのか」を先に明確にする方が強い ということです。
Playwright と Claude Code は、
この「事実確認」と「改善案整理」をかなり速くしてくれます。
ただし、AIの出力品質は、
見るページよりも 与える目的の切り方 に大きく左右されます。
ここを丁寧に設計するだけで、
「一般論の改善案」から「実務で使える改善案」に変わります。
