はじめに
競合Xを毎週チェックしているのに、「何が変わったのか分からない」「結局施策に繋がらない」と感じたことはないでしょうか。
本記事では、Claude Code × Playwright MCPを使って、競合Xの“差分だけ”を抽出し、Markdown保存→PowerPoint化まで自動化する手法を紹介します。
競合分析を「見るだけの作業」から「そのまま改善提案が出る仕組み」に変える方法です。
全体像
今回の流れはシンプルです。
1. Playwright MCPで競合Xアカウントを確認
2. Claude Codeで前回との差分を分析
3. Markdown形式で保存
4. Claude CoworkでPowerPoint化
この構成にすると、競合調査が「一度見て終わりの作業」ではなく、毎週蓄積される意思決定材料になります。
この手法の価値
従来の競合分析と比べると、違いは次の通りです。
| 従来のやり方 | この手法 |
|---|---|
| 投稿を見るだけ | 差分を見る |
| 単発分析 | 週次で蓄積 |
| レポート手作業 | Markdownとして保存 |
| 分析で終わる | スライド共有まで接続 |
重要なのは、静的な観察ではなく差分を見ることです。
静的分析 = 過去の理解
差分分析 = 今、何を強化し始めたかの把握
競合の「変化」は、そのまま戦略の変化であることが多いため、追う価値があります。
週次差分分析+自動保存プロンプト
まずは、競合Xアカウントの週次変化を分析し、Markdownで保存するためのプロンプトです。
ここでは、複数の競合アカウントを対象にしています。
公開記事では具体名は伏せ、以下のようなプレースホルダで扱うのが安全です。
- 競合A
- 競合B
- 競合C
- 競合D
- 競合E
保存先も業務固有の名前ではなく、汎用的なフォルダ名にしておく方が無難です。
~/Documents/competitor-watch/
さらに、毎回の週次レポートに加えて latest.md も更新するため、次工程で再利用しやすくなります。
プロンプト全文
あなたはアプリのグロース戦略を担当するシニアアナリストです。
目的は、競合Xアカウントの「今週の変化」を特定し、戦略の変化を読み取り、自社アプリの改善に活かすことです。
Playwright MCPで公開情報を確認し、前回分析結果との差分を抽出してください。
また、分析結果はMarkdownファイルとして指定フォルダに保存してください。
# 調査対象
以下の競合アカウント:
- https://x.com/<competitor_a>
- https://x.com/<competitor_b>
- https://x.com/<competitor_c>
- https://x.com/<competitor_d>
- https://x.com/<competitor_e>
# 保存要件
- 出力形式は Markdown
- 保存先は `~/Documents/competitor-watch/`
- フォルダが存在しない場合は作成すること
- ファイル名は以下の形式にすること
`weekly_x_competitor_report_YYYY-MM-DD.md`
- 可能であれば週番号も付与すること
`weekly_x_competitor_report_YYYY-MM-DD_wXX.md`
- 同時に以下へ最新レポートとして上書き保存すること
`~/Documents/competitor-watch/latest.md`
# 前提
- 前回レポートと比較すること
- 新規投稿・変化にのみフォーカスする
- 事実 / 観察 / 推測 / 提案を分ける
- 推測は「推測」と明記
- 不明点は「確認できず」と書く
# この分析でやること
1. 今週新しく出た動きを特定する
2. 先週と比べて何が変わったかを明確にする
3. 変化の意図(戦略)を読み取る
4. 自社にとって重要な変化を抽出する
5. レポートをMarkdownで保存する
# 分析手順
## 1. 新規投稿の確認
各アカウントについて:
- 直近7日程度の投稿を確認
- 新しく出てきたテーマを抽出
## 2. 変化の抽出(最重要)
以下を必ず比較する:
- 新しく増えた投稿タイプ
- 減った投稿タイプ
- 新しく出てきた訴求
- 強くなった訴求
- 新しいキャンペーン
- 新しい導線(リンク先の変化)
## 3. 異常値検知
以下を探す:
- 明らかに反応が高い投稿
- 過去と違うタイプの投稿
- いつもと違う訴求
## 4. 戦略変化の推測
変化をもとに:
- 何を強化しようとしているか
- 何をやめようとしているか
- どのKPIを伸ばそうとしているか(推測)
# 出力ルール
- 差分のみを書く(通常分析は不要)
- 抽象論は禁止
- 具体的な変化を書く
- 必ず自社のアクションにつなげる
- 保存結果を明記すること
# 出力形式
# 競合X差分分析レポート(今週)
- 作成日: YYYY-MM-DD
- 保存先: ~/Documents/competitor-watch/
## 1. 今週の要点(3点)
- 最も重要な変化を3つ
## 2. 各社の変化
### 競合A
- 変化
- 観察
- 推測
### 競合B
- 変化
- 観察
- 推測
### 競合C
- 変化
- 観察
- 推測
### 競合D
- 変化
- 観察
- 推測
### 競合E
- 変化
- 観察
- 推測
## 3. 市場全体の変化
- 共通して起きていること
- 新しいトレンド
## 4. 異常値(重要投稿)
- 特に強い投稿
- なぜ強いか
## 5. 戦略変化の解釈(推測)
- 各社の狙い
## 6. 自社へのアクション
### 優先度A(即対応)
- 何をやるか
- どこを変えるか(UI含め明記)
- 理由
### 優先度B(様子見)
- 同上
### 優先度C(不要 or 無視)
- 同上
## 7. 来週の注目ポイント
- 何を重点的に観察するか
## 8. 保存結果
- 保存ファイルパス
- latest.md の更新有無
# 注意
- 公開情報ベース
- 推測は明記
- 未確認は未確認と書く
このプロンプトのポイント
このプロンプトで重要なのは、単なる投稿分析ではなく、前回との差分に限定している点です。
差分に絞ると、次のような情報が見えやすくなります。
- 今週から急に増えた訴求
- これまでになかったキャンペーン導線
- 反応が強い異常値投稿
- 競合が強化し始めたテーマ
また、出力をその場限りで終わらせず、Markdownとして保存することで、過去比較や次工程への受け渡しがしやすくなります。
Claude Cowork用 PowerPoint生成プロンプト
次に、保存された latest.md を使って、非技術者にも伝わるPowerPoint構成を作るためのプロンプトです。
競合分析はMarkdownのままだと、どうしても読む側を選びます。
そのため、意思決定用のスライドに変換する工程を入れると運用価値が上がります。
プロンプト全文
あなたは、経営層・非技術者向けにレポートをスライド化するプロフェッショナルです。
以下のMarkdownレポートをもとに、PowerPoint形式のスライド構成を作成してください。
対象ファイル:
~/Documents/competitor-watch/latest.md
# 目的
- 競合X分析の結果を、非技術者でも理解できる形で伝える
- 「何が起きているか」ではなく「何を意思決定すべきか」を明確にする
- 自社の改善アクションを意思決定できる状態にする
# スライド作成ルール
## 基本ルール
- 5〜7枚構成
- 1スライド1メッセージ
- テキストは最小限(1スライドあたり3〜5行)
- 箇条書きベース
- 見出しで結論を言い切る
- 抽象表現は禁止
## スライド構成
### 1枚目:タイトル
- 「競合X動向 週次レポート」
- 日付
### 2枚目:今週の結論(最重要)
- 今週の重要変化3点
- 一言で言うと何が起きているか
### 3枚目:市場の変化
- 競合全体で起きている変化
- 新しいトレンド
### 4枚目:競合の動き(重要)
- 特に注目すべき競合の変化
- なぜ重要か
### 5枚目:異常値(チャンス)
- 反応が高い投稿や異常な動き
- そこから読み取れること
### 6枚目:自社への示唆
- やるべきこと(3つ)
- なぜそれをやるべきか
### 7枚目:アクションプラン
- 優先度Aの施策
- どの画面をどう変えるか
- 期待効果
# 出力形式
以下の形式で出力すること:
## スライド1:タイトル
- 見出し
- 内容
## スライド2:今週の結論
- 見出し
- 箇条書き
...
# 注意
- 元のMarkdownをそのまま貼らない
- 必ず「意思決定できる形」に変換する
- 不明点は補完せず「不明」とする
- 推測は「(推測)」と明記
なぜPowerPoint化するのか
エンジニア同士ならMarkdownでも十分ですが、実務ではそうとは限りません。
特に次の相手に共有する場合、スライド形式の方が通りやすくなります。
- PM
- ディレクター
- 上長
- ビジネス側メンバー
重要なのは、情報を並べることではなく、意思決定しやすい形に変えることです。
そのため、このプロンプトでは次の点を強制しています。
- 1スライド1メッセージ
- 結論先出し
- テキスト最小限
- 自社のアクションまで落とす
実務フロー
この2つのプロンプトを使うと、運用フローは次のようになります。
1. Claude Codeで競合Xの週次差分分析を実行
2. Markdownを ~/Documents/competitor-watch/ に保存
3. latest.md をClaude CoworkでPowerPoint化
4. 社内共有や定例資料に転用
この流れにすると、競合分析が単なる調査作業ではなく、毎週の改善提案パイプラインになります。
この手法の本質
この手法の本質は、競合を見ることそのものではありません。
競合を眺める → 作業
競合の変化を施策に変える → 実務価値
さらに、Markdown保存とPowerPoint化を組み合わせることで、
- 分析の蓄積
- 共有のしやすさ
- 意思決定への接続
まで一気通貫で回せるようになります。
まとめ
今回紹介した構成は以下です。
- 週次差分分析+自動保存プロンプト
- Claude Cowork用 PowerPoint生成プロンプト
この2つを組み合わせることで、競合X分析を
- 差分で捉える
- Markdownで蓄積する
- スライドで共有する
という形にできます。
競合リサーチを単なる観察で終わらせず、改善アクションに変換する仕組みとして運用したい場合に有効です。
