ゲインチャートから利益が最大化するスコアを求める
1.想定される利用目的
・顧客ターゲットリストのどこまでを施策対象にするかを確定する
・設備の突発保守をどの範囲に設定するかを確定する
2.サンプルストリームのダウンロード
3.サンプルストリームの説明
dからmまでのプロセスは逆引き8-8と本質的には同じです。そちらも併せて参照ください。
a.入力するデータは以下の通りです。推奨販売商品の購入の予測するモデルを作成した後の結果と予測、傾向スコアの列です。
プロフィットチャートはこちらでも解説しています。
プロフィットチャートの基礎になるゲインチャートの座標を求める
[プレビュー]します。スコアの同じレコードに要約されました。
d.スコア降順で並び替えます。
e.[フィールド作成]ノードを編集します。故障と全体の数を関数@SUMで累積します。
f.[レコード集計]ノードを編集します。累積の最大値を取得します。
g.[レコード結合]ノードを編集します。[レコード結合方法]を[キー]にしますが[キー]をブランクにして1対Nで結合します。
h.[フィールド作成]ノードを編集します。累積プロット(カーブ)を描くため購入の累積比率を求めます。
i.[フィールド作成]ノードを編集します。チャートのX軸を作成しています。
j.[線グラフ]ノードを実行します。ほぼできていますが、原点がないため便宜的に作成します。
k.[サンプリング]ノードで最初の1レコードを抽出して原点(x=0,y=0)を作ります。
l.[置換]ノードを編集します。抽出したレコードの値を強制的に0に置き換えます。
m.[レコード追加]ノードでkとlで編集した1レコードにオリジナルの18レコードを追加します。
コストと収益をパラメータにしてスーパーノードを作成する
[パラメータの定義]ボタンを確認します。コストと収益をパラメータとして登録しています。
[スーパー]ノードの[ズームイン]ボタンを押します。各レコードまでの到達時点での累積顧客にコストのパラメータを掛けます。収益は[購入_Sum_累積]に予測が的中した累積を対象にします。
スーパーノードの設定の仕方は以下の記事を参照ください。
[プレビュー]します。
q.[置換]ノードを編集します。原点を作るために便宜上作成した1レコード目の値の整合を取ります。
s.[レコード集計]ノードを編集します。利益が最大化するレコードを特定します。
t.[フィルター]ノードを編集します。後続のレコード結合のためにフィールド名を変更します。
u.[レコード結合]ノードを編集します。[レコード結合方法]を[キー]にして[プロフィット]をキーに結合します。
[プレビュー]します。傾向スコアが0.412を対象にすると利益が最大化します。
注意事項
利益が最大化するポイントが最適なリストとは限りません。少しコストを使っても広めにターゲットした方が後続の施策の役に立つ場合あります。
今回のデータはレコード集計して20ほどに要約されましたが、100を超えるスコアの種類を持つ大規模データの場合にはパーセンタイル(データ分割ノード)を利用します。
4.参考情報
モデルの性能指標について解説した記事
SPSS Modeler ノードリファレンス目次
SPSS Modeler 逆引きストリーム集(データ加工)