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2018年、断念したスクラム開発への参画と、実践できたPDCAを意識した小さなリリース

Last updated at Posted at 2018-12-21

※この記事はLIGアドベントカレンダー2018の22日目の記事です。

年の瀬も迫って慌ただしいですが、いかがお過ごしでしょうか。
野尻湖は先週積もった雪も溶けて、生み出された多くの雪だるま達も消えていってしまいました。年末にはドカ雪になるといいなと心の底で願ってやみません。

さて、LIGのアドベントカレンダーに書いてくれと頼まれ、書くぞ!と思っていたのは秋の頃。
本当は今日、「デザイナーがスクラム開発にコミットする時のあれやこれや」を書くはずでした。

はずでした。

予定は未定とはよく言ったものです。

そう、諸事情あり「スクラム開発にフルコミットして制作をする!」という目標は来年に持ち越され、「アジャイルサムライ」も読みかけのまま本棚に収まっています。あぁ…。
その結果、当初書こうとした掲げていた内容では1文字も記事が書けないことになってしまったのです。ピンチ。

果たして他に私が書けることがあっただろうか、と2018年を振り返ってみると、「スクラム開発」だけではなく、なにかしらの新たな手法や新たなツールを取り入れたりすることが多かったなぁと。
ならば、そういったことも踏まえながら、デザイナーとして今後どう生きていくのか、という観点で語ろうかと思うわけです。

今年携わったデザイン制作とそこで得た教訓

早速、2018年1月から12月までで携わった案件を総ざらいしてみました。

内訳

LIGでは、きちんと申請をすれば副業もOKといういまどきっぽいありがたい制度があります。
私もたまに副業をしていることがあり、そうした案件も含めた案件の内訳はというと…

種類 件数
コーポレートサイト 3
サービスサイト 4
メディアサイト 2
ツールデザイン 4
ロゴデザイン  3

こんな感じでした。
今年はロゴ制作をやらせていただける機会が多かったので、まんべんなく色んなものを世に出したんだなぁと。意外。

一方で、メディアサイトがちょっと減っていますね。世の中的にもそうなのかな。そして、この頃はサービスサイトを作る機会がぐっと増えてきているなぁと思います。

ツールデザインに関して言えば、名刺やポスター、シールなど紙物を色々作りました。いつもwebばかりなので、たまにアナログなアウトプットができると楽しいですね。経験値がまだ少ないので時間がかかってしまうところもあるのですが、それでも楽しい。

それぞれの種別ごとに掘り下げてみます。

サービスサイトは使用するツールと進行方法を慎重に検討すべき

もうこれはその通りの意味なんですが。

ツールの話

サービス系のサイト制作では、ごりごりした写真の加工などは必要がないことがほとんどで、むしろいかに高速で改善していけるか?がポイント。そのために、弊社でもPhotoshopになり代わるツールはなにか?を都度検討しています。

今年の案件では、副業ではXD、会社の大きな案件でデザイナーが複数人の場合にSketchを採用しました。この結論にいたるまで、4hくらいは考えました。いや、もっとかも。
その4hで、新しく登場した最新ツールやProttなどなどとにかく全てのツールのメリデメを洗い出し、そして「えいや!」で決めました。

そして世の中にはとても参考になる記事を書いてくださる方がいて、かなり参考にさせていただきました。特にこの記事。
https://tech.recruit-mp.co.jp/design/post-13341/

進め方の話

ここで例のスクラム開発が登場します。
弊社内での制作のほとんどはウォーターフォール型。もう圧倒的にこれ。受託でサイトを作る場合に向いているということでしょう。
しかし、半年以上稼働するサービスサイト制作では、必ずしもそのやり方が正しいとは限らない。

そして夏の終わりのある日「アジャイルサムライ」を全員読むんだ!と言われ、スクラムってなに?アジャイルって何?プ、プロダクトバックログとかレトロスペクティブとか....だからそれなに...?!
という状態のままとりあえず巻き込まれてみて、なんとなく2週間サイクルでアウトプットしていくという感覚に馴染めそうかなと思ったあたりで、今週全然実働できない!という事態に陥りました。

なぜか?

複数案件抱えていることのしわ寄せ。
これに尽きます。私だけではなく、何人かがこの状況に陥りました。

なぜか?

2週間の中で決まったタスクは、制作・レビュー・FIXの全てのフローが含まれます。が、そのための細かいスケジュールを各人が意識しきれなかった。これがひとつ。
もうひとつは単純に、目の前の優先度の高いタスクが優先されるから。

複数案件抱えている際、片方はスクラム開発、もう一方はウォーターフォール型の場合どうなるか。片方のタスクは2週間後、もう片方は明日の提出。なんなら”今日中に”。
そりゃ今日明日の仕事が優先されます。そしてそれが毎日続くわけです。
わかりましたね?

そういうことで、スクラム開発を本当に全力でやるためには、複数案件なんて持っちゃいけない。もしくは、スケジュールにゆとりのある案件にとどめておくべき。
わたしは結局ウォーターフォール型の案件が終わるまで、プロジェクトから追放されることになりました。悲しいが実際に手を動かせてないので正しい。これが今年涙を飲んで得た教訓です。

そんなわけなので、サービスサイトのプロダクトオーナーとメンバーは制作の進行方向は最初はもちろんですが、都度検討した方が良いです。本当にそれでやってける?って。

コーポレートサイトは仕様書まで作るくらいの気合いで挑む

気合いというか、仕様書作りました。
お尻に火がついちゃってる案件って、年間の中でもなぜかいくつも発生してしまう。単純に遅延の場合が多く(そもそもなんで遅延するの?ってのは語りだすと長いからどこかで)、でもリリースは死守!!!みたいな。
そういう時にだいたい「あれ?仕様書は?」ってなってることが多い。弊社の場合。

原因はまぁ置いておいて、「ここどういう動きするの?」っていうのはエンジニアともお客さんとも認識を合わせておく必要がある。が、できてない!ピンチ!な時には、デザイナーから仕様書作ってあげちゃう方が早い時があるよね、という。

理由①:WF作成をディレクターからもぎ取ることが多いので、仕様が自分の頭の中にあるから

理由②:毎日見ているのがデザイナーだけだから(他社にWFを引いてもらった場合特に)

デザインする時、「この要素はこうやってデータ取ってくるはずだ」とかそういうところもきっとみんな想定しているはずなのです。最新記事3件だけ表示する、イベントが終わったら非表示、とか。それってもう仕様やん。
なので、まとめちゃった方がこれは早いなー、と思ってゴリッと徹夜して作った案件がありました。

結果、あれ作ってよかったです。ので、仕様は小まめに頭の外へ出して共有する動きをしていこう。と、改めて。(※徹夜はしたくない)

ツールデザインではそこから起こるコミュニケーションを想像する

今年やらせてもらったツールデザインは、ロゴ・ポスター・ステッカー・シール・(タグ)・黒板。
そのどれに対しても意識したのは、

  • 会社やプロジェクトの思いを集約したデザインであること
  • 会話のきっかけになるような遊び心やギミックがあること
  • 説明っぽくなく説明ツールになること

弊社、上野から新御徒町へ移転したのですが、そのエントランスにセレクトショップをつくるという壮大な無謀なプロジェクトが発足し、実は6月くらいから裏で動いておりました。
そこで今回ロゴの制作と、お店に関わるツール類の作成をさせてもらいました。

が、いかんせんこのお店のコンセプトや方向が説明するとむちゃくちゃ長い上に、盛り込みたい要素が多い、という。何回か文章も考えましたが、どうしても長い。そんな中で、秋に入ってからは他のデザイナーにもたくさん手伝ってもらって一気に制作を進めました。

説明するとこれも長くなってしまうので読むのもいい加減疲れてきたでしょうし、端折ります。

ここで言いたいことは、
ツールは説明のため、思いを伝えるためのものであるので、存在がそもそも押し付けである。という前提で考えて、どんな形だったら素直に「欲しい」とか「持って帰ろう」と思ってもらえるのか。そいう視点で考えてみることって大事。
ということです。ツールをみた人が次にどんなアクションを取ってくれるのか?どんなアクションを取って欲しいのか?そんな視点でいることって大事。
まだまだこの辺りは追究していきたいところ。

イベントやユニットをデザインしアップデートし続ける

「デザイン」は、何もwebサイトを作るだけではありません。広義の意味で捉えれば、組織もデザインだし体験だってデザインです。あらゆる方面で「デザインって大切だよね」という風潮の昨今、私が今年特に注力していたのはイベントとユニットのデザインだったかもしれない。

やったこと

  • LIG SHIP NAGANO(イベント)
  • 長野チームの再編成(ユニット)
  • UX-teamの継続(ユニット)

どれもこれも体力勝負、というか時間の捻出が難しく、確保できた短い時間でいかに効率よく動くかが鍵でした。LIGは「やりたい」と声を上げればそれを実行に移すことが柔軟な組織。
そんな中で私がやりたいと言ってやっているものたちは前述の3つ。

LIG SHIP NAGANO とは

野尻湖オフィスが運営する長野で開催するクリエイター向け一ベント。
制作者同士の横のつながりを作り、悩みや知識をみんなでシェアすることを目的に6月にスタート。
3ヶ月ごとの開催、新潟・富山・石川の北陸エリアまで巻き込もうぜ、という心意気で挑んでいる。

長野ユニット とは

野尻湖オフィスの常駐メンバーが減ってしまったことで、改めてここにオフィスがあるならちゃんと活かそうよ!というモチベーションでづやさんを説得。長野が好き、関わりたいという思いの強いメンバーで構成。
立地やあるものを活かして地域の中でどういう存在であるべきか?からゼロベースで再構築中。

UX-team とは

昨年ネットイヤーグループ主催のUX Schoolに参加したことから、社内へのUX思考の布教を目的に、UXに興味があり、各人で推進することができるメンバーをアサインし結成。
現在はユニットそもそもの意義を見直したり、UXのなかでも会社のUXをよくするには?をテーマに活動。

ただし、やるからには続けないといけないし、続けるためにはいくつか必要なものがあります。

  • 軸や思いが明確であること
  • 振り返りと改善
  • 小さくてもリリースして達成感を持ち続けること
  • 全員が自由に動けること
  • 体力
  • 時間

イベントも1人ではできないし、ユニットはひとりでは成り立たないわけで。複数の脳みそが集まり、なにかを作るというのは思いの共有とモチベーションの維持が何より大事。これができなくなったら、イベントもユニットも成り立たないなぁとひしひしと感じているのです。
特に、モチベーションはコントロールしずらいし他者がコントロールするものではないなと。煽るようにけしかけても、逆に引いちゃいません?私だったら引く。
そうした時に、やっぱり小さな達成感はとても効果を発揮してくれるので、欠かすことができない。
これは実際、UX-teamのメンバー間で「リリースしてないから達成感がないよね。欲しいよね」という声があがり気づけたことです。

また、イベントに関しては必ず終了後にKPT会を開催。なぜなら、参加者の方に居心地のよいイベントを継続的に提供したいから。1回目の反省点は2回目で改善し、よかったことは引き続き実施する。これを毎回繰り返します。来年にはもっといいイベントになってるはずです。

そう、なのでどれに関しても小さくリリースすることを意識しています。
最初からクオリティを求めてしまうのがデザイナーの性ですが、そこをかなぐり捨ててとにかくリリースしてすぐに改善をアップデートする。意識してやっていこうと思います。難しいけど。。

で、来年どうする?

いや、今年の振り返りだけでもだいぶ長かった...。これ読んでくれてる人いるのかな。

まぁそんなこんなで今年は割と挑戦の年だったのです、私にとって。スクラムとか小さいリリースとか。デザイナーの土壌にはない、エンジニアの発想だと思う。

そしてやっぱりサービス開発のフルコミットへの興味が捨てきれないし、あとはちゃんと企画をしたい。チームにプランナーがいるし。基本的に好奇心の範囲が広いので、あれもこれもやりたがり。来年はどんな案件できるかなぁ。

兎にも角にも、2018年はバカみたいに体力と時間を全方向にかけてきたので、2019年は効率よくできるところや手を抜けるところを抜いて、その分時間をかけるべきところにしっかりと時間を割けるようにしたい。あと、定時でちゃんと仕事終わらせたい。

さて、もう数日寝たら紅白歌合戦とか駅伝を見ながらスケジュール帳に抱負を書き出す日がやってきます。必須アイテムのみかんは箱で買いましたか?

それではみなさま、よいお年を!

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