圏で定義された群
モノイド$(\mathbb{1},\cdot,id_*)$であって,全ての射が同型射であるとき群という.
$\mathbb{G}:=(\mathbb{1},\cdot,id_*)$と表す.
任意の射$g\in\mathbb{G}$に対して逆射$g^{-1}\in\mathbb{G}$が存在して,$g\cdot g^{-1}=g^{-1}\cdot g=e$が成り立つ.
群はモノイダル圏となる
テンソル積$\otimes:\mathbb{G}\times\mathbb{G}\to\mathbb{G}$を
*\otimes*=*
と定義する.
すると$\otimes$は結合法則を満たし,$*$を単位対象としてモノイダル圏となる.
ベクトル空間の圏
体$K$上のベクトル空間を対象とし,その間の線形写像を射とする圏を体$K$上のベクトル空間の圏とし$\mathbb{Vect}_K$と表す.
特にこだわらない限り$\mathbb{Vect}_K$を$\mathbb{Vect}$と記す.
ベクトル空間の圏はモノイダル圏となる.
テンソル積$\otimes:\mathbb{Vect}_K\times\mathbb{Vect}_K\to\mathbb{Vect}_K$を通常のベクトル空間のテンソル積を用いて,
任意のベクトル空間$V,W\in\mathbb{Vect}_K$に対して
V\otimes W
を対応させる函手とする.
単位対象を$K\in\mathbb{Vect}_K$とする.
すると確かにモノイダル圏となる.
表現の圏
値域が$\mathbb{Vect}_K$となるプロ函手の圏$\mathbb{Prof}_{\mathbb{Vect}_K}(\mathbb{G},\mathbb{Vect}_K)$を考える.
このとき$\mathbb{Prof}_{\mathbb{Vect}_K}(\mathbb{G},\mathbb{Vect}_K)$の対象$P:\mathbb{G^{op}}\times\mathbb{Vect}_K\to\mathbb{Vect}_K$で,
P_{(V)}^{(*)}=V
となるものは群の表現を与える.
実際$V\in\mathbb{Vect}_K$とし,$id_*\in\text{Hom}(\mathbb{G},\mathbb{G})$に対して,
P_{(V)}^{id_*}=id_{P_{(V)}^{(*)}}=id_V
となる,つまり$\mathbb{v}\in V$に対して,
P_{(V)}^{id_*}(\mathbb{v})=\mathbb{v}
また,$g,h\in\text{Hom}(\mathbb{G},\mathbb{G})$に対して,
P_{(V)}^{(g\cdot h)}=P_{(V)}^{(h)}\cdot P_{(V)}^{(g)}
また,$\mathbb{Vect}_K$の射$f:V\to W$は自然変換を定める.
P_{(f)}^\mathbb{G}:P_{(V)}^\mathbb{G}\to P_{(W)}^\mathbb{G}