概要
自宅のPC環境を更新し、2台のPCを10ギガビットイーサネット(10GbE。規格は10GBASE-T)と1ギガビットイーサネット(1GbE)の両方で接続しました。
通信速度を測定したところ、どちらも概ね規格どおりの速度が出ていましたが、
10GbEの方が、
- pingの応答時間が1GbEに比べて約半分だったこと
- ランダムアクセスの速度も1GbEより約2倍早くなったこと
が興味深かったので記録しておきます。
環境
「メインPC」と「NAS-PC」の2台のPCを以下の図のとおり接続しました。
1GbEはGbEスイッチ経由でインターネットに接続し、10GbEは2台のPCを直結しています。
メインPC
NAS PC
- OS: Win11
- CPU: Ryzen3 4300G
- SSD: Samsung 980Pro 512GB3
- ネットワークアダプタ(10GbE): ASUS XG-C100C1
- ネットワークアダプタ(2.5GbE): Realtek GbE4
測定結果
Ping応答時間(PsPing)
10GbE経由
TCP roundtrip latency statistics (post warmup):
Sent = 100000, Size = 1024, Total Bytes: 102400000,
Minimum = 0.08ms, Maximum = 1.46ms, Average = 0.10ms
メインPC ⇛ NAS PC: 平均0.10ms (最小 0.08ms, 最大 1.46ms)
1GbE経由
TCP roundtrip latency statistics (post warmup):
Sent = 100000, Size = 1024, Total Bytes: 102400000,
Minimum = 0.12ms, Maximum = 1.33ms, Average = 0.21ms
メインPC ⇛ NAS PC: 平均0.21ms (最小 0.12ms, 最大 1.33ms)
※上図のGbEスイッチを取り除き、2台を直結しても測定結果は変わりませんでした。
10GbEは、1GbEと比べてping応答時間が約半分でした。
iperf3
10GbE経由
[ 5] 0.00-10.00 sec 11.4 GBytes 9.76 Gbits/sec sender
[ 5] 0.00-10.01 sec 11.4 GBytes 9.76 Gbits/sec receiver
メインPC ⇛ NAS PC: 9.76Gbps
NAS PC ⇛ メインPC: 9.76Gbps
10GbE直結の転送速度は、ほぼ規格値通りでした。
10GbEで速度を出すのに若干ネットワークアダプタの設定調整が必要だったので、別記事で説明予定です
1GbE経由
[ 5] 0.00-10.01 sec 1.09 GBytes 937 Mbits/sec sender
[ 5] 0.00-10.02 sec 1.09 GBytes 936 Mbits/sec receiver
メインPC ⇛ NAS PC: 0.937Gbps
NAS PC ⇛ メインPC: 0.936Gbps
規格値の達成率は10GbEのほうが高いですね…。
CrystalDiskMark
NAS PCでのローカル実行結果
通信速度の制限を受けない、NAS PCのローカル環境で測定した結果です。(4KQ1T1の書き込みが異常に早いように思いますが…。)
下記のイーサネット経由の値がどれくらい通信速度に制約されているかの確認用です。
10GbE経由
シーケンシャルアクセス(一番上の欄)は約1240MB/s=9.92Gbpsとほぼ10GbEの規格値通りの速度が出ていました。
iperf3より早いのは不思議ですが…。
1GbE経由
こちらは、4KQ1T1(一番下の欄)以外はいずれも約100-120MB/s=0.8-0.96Gbpsと1GbEの規格値よりやや低めの値でした。
考察
シーケンシャルアクセスはいずれもイーサネットの規格値に近い速度で、10GbEが10倍早いという想定内の結果でした。
ランダムアクセス(4KQ1T1)も10GbE(約20MB/s)が1GbE(約10MB/s)の約2倍早かったのがやや意外な結果でした。
NASを10GbEにするとランダムアクセスもとて早くなります!