Gitのサービスについて
担当 : 濱野美和
本記事ではGitのサービスについて整理します。
Git
Gitは「分散型バージョン管理システム」です。
ソースコードの変更履歴を記録・管理するためのコマンドラインツールで、ローカル環境で使えるため、インターネットがなくても動作します。
■特徴
- ローカル環境で動作する
- コードの変更履歴を管理できる
- ブランチ機能で並行作業が可能
■メリット
- 過去の変更履歴を簡単に確認・復元できる
- 複数人での開発に強い(衝突を防ぐ仕組みあり)
- オフラインでも使用可能
■デメリット
- コマンド操作に慣れる必要がある
- 単体では共有機能がない(別途リモートサービスが必要)
GitHub
GitHubは、Gitで管理されたコードをクラウド上で共有・管理するためのサービスです。世界中の開発者が利用しており、オープンソースプロジェクトの中心的なプラットフォームでもあります。
■特徴
- GitリポジトリをWeb上で管理できる
- Pull RequestやIssueなど、開発支援機能が豊富
- GitHub ActionsによるCI/CDも可能
■メリット
- チーム開発に必要な機能が揃っている
- オープンソースプロジェクトが豊富
- 無料で始められる(公開リポジトリ)
■デメリット
- プライベートリポジトリの制限(無料でも使えるが制約あり)
- クラウド依存のため、社内で閉じた環境には不向き
GitLab CE
GitLab CE(Community Edition)は、GitHubと似た機能を持つ自社サーバーにインストール可能なGit管理ツールです。セキュリティや社内開発に配慮したい企業に向いています。
■特徴
- 自社サーバーに設置可能(オンプレミス対応)
- GitHubと同様のWeb UIを持つ
- CI/CD機能が標準搭載されている
■メリット
- 社内ネットワークで閉じた運用が可能(セキュリティ◎)
- 自動テストやデプロイが一体化されている
- オープンソースで無料利用可能
■デメリット
- サーバーの構築・運用が必要
比較まとめ
項目 | Git | GitHub | GitLab CE |
---|---|---|---|
種類 | クライアント | サービス(プラットフォーム) | サービス(プラットフォーム) |
動作環境 | ローカルPC | クラウド(Web) | オンプレミス |
主な用途 | バージョン管理 | コード共有・開発支援 | 社内開発・CI/CD統合 |
使い方 | コマンドライン中心。 VSCodeなどにGUIツールあり。 |
Web UI + Git連携 | Web UI + Git連携 + 自社管理 |
まとめ
Gitは基礎技術であり、GitHubやGitLabはその上に構築されたサービスです。
GitHubは「開発者のSNS」のような存在で、オープンソースや個人開発に最適なプラットフォームです。
一方、GitLab CEは「開発から運用までを一貫して管理できる統合ツール」であり、企業やチームでの開発に強みを持っています。セキュリティや社内運用が重要な場合はGitLab CEの導入を検討すると良いでしょう。
当記事の著作権はIBMに帰属します。
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