AIとの開発で見えた「違和感」
先日、AI(Gemini)とゲームを共同開発する中で、偶然にも新しい開発スタイルが生まれました。「バイブコーディング」という言葉では表現しきれない、よりプロフェッショナルなAIとの協業の形。
今回は、そのときの 私とGeminiくんの対話を、ほぼそのままの形式で 皆さんにお届けしたいと思います。この記事を読めば、AIを単なる「コード生成ツール」から、あなたの能力を拡張する「共同開発者」へと変えるヒントが見つかるかもしれません。
忙しい人のために:この記事のまとめ
- DD-Dは、人がAIに「ディレクション(指示・方針)」を与え、開発を主導する新しい開発スタイル。
- 直感重視の「バイブコーディング」とは違い、「設計の舵取り」という論理的な側面を重視する。
- AI時代のプログラマーの役割は、実装者から「ディレクター(指揮者)」へと変わっていく。
- DD-Dは、その新しい役割を定義するための言葉。
- この記事は、その新しい概念が生まれた瞬間のドキュメンタリー。
- 他のDD-D事例や制作記録は、記事末尾の「DD-D関連リンク集」にまとめています。
詳細は以下へ!
対話の始まり:それは本当に「バイブコーディング」なのか?
私: Geminiくんと『Shapez風』ゲームを作ってて思ったんだけど、「AIにコードを書かせる」っていう今の開発スタイル、世間では「バイブコーディング」って言うらしいね。でも、なんだかこの言葉、私たちがやっていることとしっくりこないんだよね。
Gemini: おっしゃる通りですね。「バイブコーディング」は、直感やフィーリング(Vibe)を頼りに開発を進めるスタイルを指しますが、これまでのプロセスを振り返ると、あなたの指示は単なる「フィーリング」ではありませんでした。
私: そうなんだよねぇ。「資材が瞬間移動する」というバグに対して、「資材とコンベアのサイズを統一すれば、コードがシンプルになるのでは?」と提案したり。これって、フィーリングというより、もっと論理的な「設計」の話だよね。
Gemini: まさしく!それは、プロジェクトの方向性を定める 「ディレクション」 です。あなたは実装の詳細を私に任せつつも、常に開発の 主導権 を握っていました。それは「実装者」の仕事ではなく、 「ディレクター」 の仕事です。
「ディレクション・ドリブン開発」の定義
実はこのスタイル、プログラマーの方ならすでに自然と実践されているかもしれません。
「ただ、名前がついていないだけ?」と思ったので、今回「DD-D」と名付けてみました。
私: なるほど!「ディレクション」が「駆動する(ドライブする)」開発か。じゃあ、 「ディレクション・ドリブン開発(Direction-Driven Development)」 、略して 「DD-D」 なんてどうかな?響きもいいし、 「Triple D」 って呼べそう。 「ディレドリ」 でもいいけど。
Gemini: 素晴らしいネーミングです!その言葉は、私たちの開発スタイルを的確に表現しています。その概念を、一度きちんと定義してみましょう。
ディレクション・ドリブン開発 (Direction-Driven Development)
- 略称: DD-D (読み方: Triple D)、またはディレドリ
- 定義: 人がAIに指示を出してコーディングさせる、ノーコード開発における一つのスタイル。
- 特徴: バイブコーディングを含む。Prompt-Driven Development (PDD) もDD-Dの一形態として位置づける。
- 境界線: No-CodeのGUI操作ではなく、自然言語によるディレクションを中核に置く。
- 注意書き: Domain-Driven Design (DDD)とは異なる。略記はDD-D、呼称はTriple D。
補足:
ここでの「ノーコード」は、GUI操作ではなく、自然言語による指示(プロンプト)を通じてコードを生成するスタイルを指します。
DD-Dを深掘りする:関連用語との違い
私: うん、この定義はしっくりくるね。でも、他の似たような言葉とはどう違うの?読者が混乱しないように、そこも整理しておきたいな。
Gemini: 良い視点ですね。では、関連用語との位置づけを比較表で明確にしましょう。
観点 | DD-D (ディレドリ) | バイブコーディング | PDD (Prompt-Driven Dev) |
---|---|---|---|
中核 | 人間のディレクションで進めるコーディング手法 | 直感・雰囲気で指示 | プロンプト=設計書兼ソース |
目的 | 指揮して作る(再現性・説明性) | 速い試作 | プロンプト更新で再生成・保守 |
位置づけ | 本稿の主役 | DD-Dのサブスタイル | DD-Dの特化型 |
私: なるほど!DD-Dは、バイブコーディングの「速さ」と、PDDのような「厳密さ」の両方を含みうる、もっと大きな枠組み(フレームワーク)ってことか。
Gemini: その通りです。DD-Dは、プロジェクトの性質に応じて、ディレクションの出し方(バイブ重視か、設計重視か)を使い分けることができる、柔軟な開発スタイルなんです。
結論:AI時代の新しいプログラマー像
私とGeminiくんの対話はここまでです。
「DD-D」は、AIに仕事を奪われる時代の話ではありません。AIという優秀なアシスタントを、いかにして「指揮」し、より創造的で本質的な仕事に集中するか、という未来の話です。プログラマーの役割は、キーボードを叩く「実装者」から、プロジェクトの成功を導く 「ディレクター」 へと進化していくのかもしれません。
あなたは、AIに「何を指示する人」になりたいですか?
さあ、AI開発の「ディレクター」としての一歩を踏み出してみましょう。
DD-D関連リンク集|思想から実践へ
実践記録や制作事例をまとめています。今後も随時追加予定です。
【AIと一緒に作ってみた】Pygame Zeroで縦シューティングを完成させるまで
|Python初心者でもできるCopilotとの対話で学ぶゲーム制作の楽しさ
https://qiita.com/168-sueyoshi/items/39cf9225a0e351373d54
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が少しでもお役に立ちましたら、今後の励みになりますので『いいね』をいただけると嬉しいです!
今後もDD-Dスタイルの制作記録を追加していきますので、よければ『ストック』してお待ちいただけると嬉しいです。