俺の屍を超えていけ...
はじめに
Fラン大学に入学し、どうせ大した企業へいけないと内心では諦めかけていました。ですがFランの、文系カス大学生が天文学的な奇跡でISPの内定を勝ち取った道程を書き残し、少しでも後輩たちの希望(道化)になれたらと思います。
こんなこと他所でやれよ
Qiitaを開設して初めて書く記事がこれかよと、エンジニアらしからぬムーブをかます訳ですが、どうしても後輩たちに残しておきたいので、お付き合いください。
自己紹介
典型的な私文大学生です。
- 26卒
- 名古屋のFラン商学部(偏差値40←???)
- IT業界志望
- 資格・免許:ITパスポート・運転免許
- ISPに内定
- ネットワークスキスキ(IX2215で固定回線を収容している程度)
- JANOGとか地域NOGが好き
NOG参加歴
- JANOG54 奈良(Day3だけ…)
- ChuNOG4 静岡
- JANOG55 京都
- ChuNOG5 名古屋(学生支援)
- QUNOG32 福岡(配信構築スタッフ)
- JANOG56 松江(LT初登壇)
- ChuNOG6 伊勢(プログラム初登壇)
内定先について 1
- 事業
- ISP、データセンタ、システムインテグレータ、ネットワークインテグレータ
- 売上高
- 1,000億円
- 従業員数
- 1,000人弱
- 内定倍率
- 10.8倍
私文大学生ってなにしてるの?
Qiitaを見ている意識が高い理系学生の皆様は、私たちの生態について想像できないと思いますが、大変自堕落で無気力な生活を送っております。下はその羞恥の4年間を懺悔とともにまとめておりますが、デジタルタトゥーになるので見なくて大丈夫です。
【悲惨】これまでの懺悔、もとい大学生活
- 1年生
- 大学入学で心機一転、いろんなバイトを経験したり、NISAをやってみたりする。酒とタバコに憧れを持ちながら朝までドライブ&サウナ巡り。
- 2年生
- 酒を手にして無事「中だるみの2年」を過ごす。1、2限は起きられないものと諦める。「ピ逃げ」、「レジュメ回し」など、学生生活の狡猾さは勢いを増す。
- 3年生
- ゼミに入り、指導教員からの激詰めに晒されながら地域連携プロジェクトを回す。大学の就活セミナーは爆睡のため記憶にないが、6月から合同企業説明会に参加する。
- 4年生
- これまでを振り返り、「何も成し遂げていない」と焦りを募らせ、NOG登壇とか色々やってみる。Qiitaも同じ動機。
26卒就活を振り返る
自堕落な大学生ですが、就活のスタートダッシュは早かったです。
始まりは大学入学した頃見た動画
私の就活に大きな影響を与えたYouTubeチャンネルがいくつかあります。
これらは私の就活を話す上で欠かせませんし、就活生にはぜひおすすめしたいです。
Fランから楽天に内定した人のキャリア談
これは就活系チャンネルを初めて見た動画です。Fランから楽天へ内定した話の真偽は置いといて、この頃のピュアな私には希望に見えました。動画内でも言及されていますが、
- 就活が人生で最後の挽回のチャンスだと思ったこと
- 企業の人に猛アタックして就活で飛び回ったこと
この行動力がカギだと思い、この方を目標にしていました。
エルトの就活・転職チャンネル
このチャンネルは元人材派遣業で働いていた背景から、就活系の動画を発信されている方です。脱力した動画スタイルと聞きやすい話の構成で就活の全体像やマインドが得られました。内容もぶっちゃけベースで話してくれるので、7、8年前の動画でも勉強になります。
おすすめは志望動機の公開動画と面接対策の動画です。
Utsuさん
この方はESや面接対策を進めていく中で、「大枠は決まったけど中身をどうやって肉付けしよう...?」と思っていた時期に見つけたチャンネルです。
就活の真面目な話を貫禄ある人が話しています。
就活のスケジュール
今振り返っても、早く行動できたおかげで奇跡的に内定を頂けたと思っています。
私は3年の6月から本格的に始めました。
5月
大学の就活セミナー(強制参加)で、「就活は早く動け」「マイナビで気になる企業エントリーしまくれ」「自己分析、キャリアの棚卸をしろ」などと言われながらも、どこか話半分で聞いた。
マイナビの新規登録だけした。
6月
早速ポートメッセなごやの合同企業説明会に参加する。「エントリーだけならタダだから」 のスタンスで人気企業や気になってる企業のブースに飛び込む。
このスタンスは就活終盤まで続き、超重要マインド だと思います。
説明会聞いた企業
- 中部テレコミュニケーション
- NTTデータ東海
- CNCI
7月
学内の合同企業説明会に参加する。「ああ、うちの大学のボリューム帯はこういう企業に行くのか」と、雰囲気というか現実を知る。
インターンなど応募しまくる。
オンライン説明会が始まる。
説明会聞いた企業
- JR名古屋高島屋(間違えて部屋入った)
- システムリサーチ
- 旭情報サービス
- 東海ソフト
8月
インターンやオープンカンパニーに参加する。
9月
インターンで自己分析や価値観探しゲームなどやりながらESの内容を考え始める。
2個上のいとこが所属するSIerでインターンをしていたので、カチコミに行く。
学内説明会でエントリーした企業へインターンに行く。企業の就職人気度とエントリーする学生のレベル感は、ふわっと相関がありそうだと感づく。
10月
説明会・インターンなど1度目の波を終え、中だるみの時期に入る。友達と何となく大学の自己分析セミナーを受ける。
11月
秋のインターンウェーブが始まる。志望度高い企業は大体参加した。
飲食業の企業説明会を受け、しゃぶしゃぶを食べる。他の業界を知り、お客様ファーストな精神を教わる。普通にいい経験をした。
12月
早期選考の面接に向けての面談をする。
1月
ESを提出する。
面接を受ける。
2月
内々定
概観してみて
スタートダッシュは早いほどいい
凡庸なことを言うようですが、本当にこれは伝えたいです。
実は就活でFランムーブをかましました。と言うのも、内定先のESの締め切りに間に合いませんでした。「ああ、第一志望終わった」と思っていたところ、人事の方から
「ES出しそびれた?SPIもやってあるみたいだし、期限延長しとくよー」
と助け船が。神か。
わざわざあちらからご連絡を頂けたのは早期選考だったからだと思います。本選考(4年生4月)が始まってから冷やかしで受けた大企業は、遅れたら「さようなら」でした。これが当たり前だと思います。(2度もES遅れるな)
なお、延長してもらった期限からさらに遅れて提出したアホがこの私です。
あの時は本当に申し訳ございませんでした。
エントリーするのはダタだからの精神
学歴コンプレックスがある私からすると、人気企業や高学歴が集まる企業は狼狽えてエントリーをためらいそうでした。
ですが、エントリーする分にはタダでできます。よっぽど対象者を限定していない限り、さっさとエントリーしてください。
「どうせ受からない」などと考えるのは無駄です。例え不合格でも、失うのは自分の時間だけです。
大学生の時間の価値なんて、人生の中で最も低いです。自分の目的のためには惜しみなく時間をかけてください。
座談会で激詰めせよ
座談会はこれまでの一方向な説明会とは違い、自分の考えや価値観を伝え、その企業と照らし合わせる事ができます。とても貴重な機会です。
参加した企業が直近のJANOGで発表していたので、それについて"詳しく"お聞きしました。1時間弱個別でお伺いしていたので、こいつやべーぞ感は出せた思います。
たまには他業界も見よ
私はIT業界メインでしたが、高島屋(百貨店)と某しゃぶしゃぶ(飲食)の企業説明会に行きました。1つは間違えて部屋に入ってもう1つはここでは言えない程下賤な理由ですが、落ち着いて周りを見渡せたのは結果良かったと思います。
「自分はこの業界しかダメなんだ!」と思い詰める前に、たまには味の違うものを食べてみてください。
ESで書いたこと
そもそもFラン大学生は学力で負けているので、よくあることを言っても負けると思いました。
ですが技術力をアピールできる学生なんて上位数%の世界...
なので 「邪道なアプローチから王道PR」 作戦を考えました。
安直に「行動力」をアピールしても周りに埋もれるだけです。「JANOGへ行ってきました」と邪道を攻めることで行動力をPRしたつもりです。
ちなみに、内々定企業Bでは志望動機を話す際、 「御社の導入事例にあったお客さんの場所行ってみました。あのページには書いてなかったけどやっぱりアクセス網は御社なんですね」 と言って「自社DXサービスを自社ネットワークに乗せて提供しているエンジニアリング的な綺麗さに責任感とやりがいがありそうだと思いました。」と話を持っていきました。
また、文系学生が技術職を目指すので、必ず志望動機は深掘りされると思いました。
なのでNW分野の興味関心を前面に出したり、行動力をアピールすることで技術職を志望した納得感を狙いました。
参考のため、私が提出したESを公開します。一部改変。
内々定企業A
今では独自ドメインを利用してCloudflareを介した安全な接続で、サービスを運用しようとしています。
今後も死活監視やウェブサービスを構築したいと考えています。
入社後は、グループ各社のネットワークのスケールメリットを活用してより快適に提供できるような仕組みづくりをしたいです。また、携帯キャリアの販売員のアルバイトをした経験から、そこで培ったヒアリング力や提案力を活用し、JANOGなどのイベントで、積極的に同業他社との交流をしたいです。
受講生に教えているゼミ生が、分からない部分を私が巡回して教え、その時に分からなかったことや課題が生まれた点を次回までに解決策を考えました。何を聞かれるか分からない状況で、会話しながら教えていくので、他のゼミ生は不安を抱いていました。そこで私は教授に講習会の前半に講義形式で話してもらい、テーマを絞った状態で質問を受けるようにしました。これによりゼミ生が質問を予測しやすいだけでなく、受講生も質問しやすい仕組みを作りました。
講習会で主催側と受講生側で目的が異なる中、双方の意図を汲み取りながら企画することが大切なことだと学びました。
内々定企業B
その中でも私は、受講生に教えているゼミ生が、分からない部分をフォローしたり、次回の講習会までにすべき対策を考えたりしていました。何を聞かれるか分からない状況で、会話しながら教えていくので、他のゼミ生は不安を抱いていました。そこで私は教授に講習会の前半に講義形式で話をしてもらい、テーマを絞った状態で質問を受けるようにしました。これによりゼミ生が質問を予測しやすいだけでなく、受講生も質問しやすい仕組みを作りました。
ゼミ生が困っていることも見捨てず、会の内容が保守的にならないような中庸を通していけるように取り組みました。
例えば自宅のインターネットにコミュファ光を利用しているのですが、これと業務用ルータを使ったIPv6通信が出来なかった時がありました。そこで知識のある方と連絡を取り、解決しました。
また、サーバを構築するときも初めは全く分かりませんでしたが、技術ページを見て実際に動かすことを繰り返すうちに、段々と私の作りたいサービスに対する構成の解像度が上がり、今では外出先からサービスを利用できるようにしています。
内容の意図
誰かの受け売りですが、面接時の会話のフックを作る意味ですべて構成しました。
全ては面接のための布石というか、プロットのつもりです。
何を聞かれるか不安だからこそ、ある程度流れをコントロールして質問の予想が立てやすいES作りがおすすめです。
さいごに
ESは今見ても酷いものだと思いますが、たぶん面接でキショムーブをかまして挽回できたと思います。
結果じゃなくて過程が大事
ツヨツヨ理系大学生は応用情報技術者試験とか、ベンダー資格とか、表彰されましたとか、周りを見たらそんな人ばかり気になります。でも大丈夫です。ほとんどの学生は、社会人にとってヒヨッコですし、その中から採用活動で選ぼうとしています。
スゴイ結果は評価されると思いますが、逆で、スゴイ結果を出した過程を評価されていると思います。結果ではなく、その過程で何を頑張ったのか、何を考えたのか、どう頑張ったのかを改めて考え直してみてください。それこそがあなたのポテンシャルで価値だと思います。
26卒就活、後悔はあるか
まさか入れると思っていない企業に行けたので納得内定ですが、もっと全国的な大企業へエントリーすべきだったなと思っています。JANOGでも某ISPさんにインターンの紹介を頂きましたし、某キャリアグループさんの初任給が意外と高いことを後になって気づきました。しかも本学から採用実績があったので、なおさら悔しいです。
ですが、いい加減な暮らしをしたFランとしては、とても運がよかった就活をすることが出来ました。
就活って偏差値ゲーじゃないよ
今までテストの点数という1つの軸でしか評価されてこなかった私たちが、急にそうじゃないと言われても難しいと思います。巷では「就職偏差値」などというけしからん戯言がありますが、間違っています。
私が思うに、就活は企業の価値が「スキルポイント」で、私たちはそれをどのステータスに振るか、だと思います。このスキルポイントを就職偏差値と見間違われますが、そうではなく自分のプレースタイルにあった企業を探すことが唯一の「勝ち」だと思います。
後輩たち頑張ってね
私で良ければ相談乗りますし、「お前あの時そういうつもりだったのか」という人事の皆様のお叱りも謹んでお受け致しますので、何かしらフィードバック頂けたら喜びます。
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内定者倍率:就活四季報のどこか 2025年2月9日閲覧 ↩