初めに
ちょっと調べる機会があったので簡単にまとめてみます。
間違いがあったらコメントください。
アルゴリズムで代表的なものは、
- カルマンフィルタ
- アンサンブルカルマンフィルタ
- パーティクルフィルタ
- 四次元変分法
のようです。
比較する観点は以下になります。
比較項目
略称
それぞれ一般的に使われる略称があるようです。
背景にある理論
ベイズ統計に基づくもの、変分法に依る最適化に基づくものある。
逐次の情報入力
オンライン処理が可能かについてです。
状態空間の制約
シミュレーションシステム、観測システムに関する制約です。
確率分布の制約
シミュレーションノイズ、観測ノイズに関する制約です。
計算コスト
こちらはあくまで一般論ですが、計算コストの大きさの比較です。
実装コスト
こちらも定量的な比較ではないですが、定式化の必要性などの手続きを考慮して
自分なりに見積もっています。
比較表
それぞれ比較した表を下にまとめます。
手法 | 略称 | 背景にある理論 | 逐次の情報入力 | 状態空間の制約 | 確率分布の制約 | 計算コスト | 実装コスト |
---|---|---|---|---|---|---|---|
カルマンフィルタ | KF | ベイズ統計 | 可能 | 線形システムに限る | 正規分布に限る | 比較的小さい | 大きい (非線形システムの場合線形化が必要) |
アンサンブル カルマンフィルタ |
EnKF | ベイズ統計 | 可能 | なし | 正規分布に限る | やや大きい | 低い |
パーティクル フィルタ |
PF | ベイズ統計 | 可能 | なし | なし | 大きい | 低い |
四次元変分法 | 4DVar | 最適化 | 不可 | なし | なし | 少ない | 大きい (ヤコビアンの計算など具体的にする必要があるらしい) |
やはり、フィルタ系のアルゴリズムに対して変分法系のアルゴリズムは根本の理論と用途に違いがあるようです。
フィルタ系アルゴリズム間での比較は主に適用できる問題に違いがあることが分かります。
参考
データ同化 -次世代のシミュレーション技術-
https://www.asakura.co.jp/G_12.php?isbn=ISBN978-4-254-12786-7