徹底攻略 JSTQB Foundation教科書&問題集 シラバス2018対応を勉強しているので、自分のメモとしてまとめています。第6弾。
人の心理とテスト
人の心理がテストに及ぼす影響
確証バイアス
確証バイアスとは、自分の思い込みによって正しい判断ができなくなることの総称である。
後知恵バイアスとは、ある事が起こった後に「そうなると思っていたんだ」と自分は予想していたと思い込んでしまう認知バイアス。
正常性バイアスとは、詐欺や災害などの異常な事態に直面した際に「自分は大丈夫だ」と異常な事態を過小評価しがちな傾向のこと。
確証バイアスは認知バイアスの一つである。
テスト担当者が要件レビューなどで欠陥を見つけることや、操作確認中に故障を見つけることが、プロダクトの開発者に対する非難と解釈される事がある。
開発担当者は「コードは正しい」と思いこみたい確証バイアスがあるため、それが正しくないという指摘を受け入れがたく感じてしまう。開発担当者だけでなく、プロダクトオーナーやアナリスト、設計担当者もそれぞれの立場で情報を解釈する傾向がある。
そのため、テスト担当者は建設的な方法で欠陥や故障に関する情報を伝え、メンバーそれぞれの緊張を緩和する事が大切である。
動的テスト・静的テスト
ソフトウェアを動作させて故障を見つけ、その原因を探って欠陥を見つけることを動的テスト、動作させずに直接欠陥を見つけることを静的テストと呼ぶ。
要件のレビューなどは静的テストにあたる。
コミュニケーションを適切に行う方法
対決ではなく、協調姿勢で始める
チーム全員のゴールが高品質のシステム構築であることをみんなで共有する。
テストのメリットを共有し、理解してもらう
欠陥情報が作業成果物の品質向上や開発担当者のスキルアップにつながることを理解してもらう。
コストや納期のために、テストを時間と経費がかかるものと捉えられがちだが、テストで欠陥を発見、検出、修正することで、むしろ時間と経費を抑えて品質リスクを低減できることを理解してもらう。
中立な立場で事実に焦点を当てて伝える
テスト結果や他の発見事項は、中立な立場で事実に焦点を当てて伝える。
担当者を非難することなく、客観的かつ事実に基づいたレポートを書いたり、発見事項をレビューしたりする。
他人の気持ちを理解する
提出したテスト情報に対して、相手が否定的に反応した理由を理解するようにする。
テスト担当者と開発担当者のマインドセット
両者はそもそもの目的が違うため、考え方も異なる。
テスト担当者 | 開発担当者 |
---|---|
プロダクトの検証と妥当性の確認、リリース前の欠陥の検出etc... | プロダクトを設計・開発すること |
マインドセットの違い
両者のマインドセットをうまく組み合わせることで、より高いレベルのプロダクト品質を実現できる。
シラバスでは、テスト担当者のマインドセットとして以下を挙げる。
- 好奇心
- プロとしての悲観的な考え
- 批判的な視点
- 細部まで見逃さない注意力
- 建設的コミュニケーションを保つモチベーション
- 経験を積むに従って成長し成熟する傾向がある
など。
開発者のマインドセットとしては、以下を挙げる。
- 解決策に問題があるかを考えるよりも、解決策の設計と構築により大きな関心がある
- 確証バイアスが、自分自身ノオ化したエラーに気づくことを困難にする
など。
マインドセットの違いを理解して適切に判断する。
開発担当者とテスト担当者のマインドセットは異なるため、特に大規模で複雑、または、セーフティクリティカル(絶対にエラーが起こってはならない)なシステムにおいては、開発担当者とは別に独立したテスト担当者がテスト活動を行うことが多い。
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