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IBM Cloud の Watson Studio プロジェクトで使用するデータの保存先を日本国内に限定する

Last updated at Posted at 2022-04-15

現在、本機能は廃止されています。
東京リージョンにWatson Studioを作成した場合、デフォルトで東京リージョンのバケットが利用されますので、本記事の手順実施は不要となりました。
現在は本記事の手順を実行することはできませんが、履歴として残しています。

製品資料:プロジェクトの作成
https://dataplatform.cloud.ibm.com/docs/content/wsj/getting-started/projects.html?context=analytics&audience=wdp&locale=ja

<抜粋>
新規プロジェクトが作成されると、 Cloud Object Storage バケットはデフォルトで Regional の回復力になります。 地域バケットは、同じ大都市圏内にある複数のデータ・センターにデータを分散します。

本記事の目的

IBM Cloud上で提供される Cloud Pak for Data as a Service の Watson Studio を利用される際、分析に使用するデータを日本国内に保持するという要件をお持ちのケースがあるかと思います。

本記事では、このようなケースで利用可能なオプション Regional project storage の有効化方法 をご紹介します。
このオプションを有効化すると、Watson Studioのプロジェクトで使用するデータの保存先を、単一の地理的な地域 に限定することができます。

  • 東京リージョンのWatson Stuioを利用する場合、東京リージョンのみにデータを保存します。

Watson Studio プロジェクトにおけるデータ保存方法

Cloud Pak for Data as a Service(以降、CP4DaaSと表記)は、IBM Cloud上で提供されるマネージドな データ活用のプラットフォームです。IBM Cloud上の複数のサービスを組み合わせることで構成されています。このうち Watson Studio は、Cp4DaaSのコア・サービス*に位置付けられており、チームで協業して分析を行うための統合分析環境です。
*Watson Studio単独でもご利用いただけます。

Cloud Pak for Data as a Service の詳細につきましては、@Asuka_Saitoさんの下記記事をご参照ください。

IBM Cloud Pak for Data as a Serviceを始めてみる(1.プロビジョニング編)

Watson Studioでは プロジェクトという単位で、Jupyter Notebookなどの分析作業における作成物 やデータ等の資産を管理します。
プロジェクトの永続ストレージには、IBM Cloud Object Storage の バケット(Bucket) を使用します。
そのため、各種資産の実体はバケット上に保存されます。

Watson Studioのプロジェクト用のバケットのロケーションは、Watson Studio のサービスをプロビジョニングした地域に基づいて決定します。
デフォルトでは、Cross Region(複数の地理的な地域へデータを保存する最も可用性が高い方式)のバケットとして作成されます。従って、複数の地域や国にデータが保存されます。

実際に デフォルト設定 と Regional project storage を有効化した状態 のそれぞれでWatson Stuioプロジェクトを作成し、バケットのロケーションを確認してみます。

  • バケット作成先のイメージ
    • 東京リージョンのWatson Stuioを利用した場合
      image.png

1. デフォルト設定でのプロジェクト作成

Watson Studio を 東京リージョンに作成した場合、デフォルトでは Cross Region の ap-geo のバケットが使用されます。
ap-geoの場合、アジア/太平洋地域の複数の地域にデータが保存されます。従って、日本以外の国にもデータが保存されます。

確認手順

  1. 東京リージョンのWatson Studioプロビジョン後、CP4DaaSへログインします。
  2. 特に設定変更をしていないデフォルトの状態で、プロジェクトを作成します。
  3. 作成されたプロジェクトの「管理」タブを開き、バケット名を確認します。その後、バケット名の下にある「IBM Cloudで管理」をクリックします。
  4. IBM Cloud Object Storage のUIより、プロジェクト名に対応するバケットのロケーションを確認します。ap-geo であることが確認できます。

確認例

  1. 東京リージョンのWatson Studioプロビジョン後、CP4DaaSへログインします。

    • IBM Cloud のリソース一覧より、東京リージョンにプロビジョンしたWatson Stuioへアクセス
      image.png

    • CP4DaaSのトップ画面が表示される
      image.png

  2. 特に設定変更をしていないデフォルトの状態で、プロジェクトを作成します。
    image.png
    image.png

  3. 作成されたプロジェクトの「管理」タブを開き、バケット名を確認します。その後、バケット名の下にある「IBM Cloudで管理」をクリックします。
    image.png

  4. IBM Cloud Object Storage のUIより、プロジェクト名に対応するバケットのロケーションを確認します。ap-geo であることが確認できます。
    image.png

2. Regional project storage オプション の有効化

一方で、データを日本国内に留めるご要望がある場合など、Cross Regionのバケットが適さないケースがあるかと思います。
そのような場合、Regional project storage オプション を利用可能です。

製品資料:Force regional project storage ※Webブラウザの表示言語を英語にご変更ください
https://dataplatform.cloud.ibm.com/docs/content/wsj/admin/account-settings.html?context=analytics&audience=wdp#view-account-information

このオプションを使用すると、バケットの作成方法を Cross Region から Regional(単一の地域内の複数のデータセンターへデータを保存する形式)へ変更することができます。
具体的には、Watson Studio のサービスをプロビジョニングした地域のバケットを使用します。
Watson Studio を 東京リージョンに作成した場合、Watson Studioのプロジェクト用のバケット作成先を、東京リージョンjp-tok に限定することができます。

確認手順

  1. Cloud Pak for Data as a Serviceのメニューより、管理 >アカウントと請求 > アカウント に進みます。
  2. 画面をスクロールし、最下部にある Regional project storage を On に変更します。
    • Regional project storage の設定変更は非同期に反映されますので、数分待ってから、後続のプロジェクト作成を実施します。
  3. 数分待った後、東京リージョンのWatson Studioにプロジェクトを作成します。
  4. 作成されたプロジェクトの「管理」タブを開き、バケット名を確認します。その後、バケット名の下にある「IBM Cloudで管理」をクリックします。
  5. IBM Cloud Object Storage のUIより、プロジェクト名に対応するバケットのロケーションを確認します。jp-tok に変更されたことが確認できます

確認例

  1. Cloud Pak for Data as a Serviceのメニューより、管理 >アカウントと請求 > アカウント に進みます。
    image.png

  2. 画面をスクロールし、最下部にある Regional project storage を On に変更します。

    • デフォルトではOff
      image.png
    • On に変更
      image.png
  3. 数分待った後、東京リージョンのWatson Studioにプロジェクトを作成します。
    image.png
    image.png

  4. 作成されたプロジェクトの「管理」タブを開き、バケット名を確認します。その後、バケット名の下にある「IBM Cloudで管理」をクリックします。
    image.png

  5. IBM Cloud Object Storage のUIより、プロジェクト名に対応するバケットのロケーションを確認します。jp-tok に変更されたことが確認できます
    image.png

(ご参考)IBM Cloud Object Storage のレジリエンシー・オプション

Cross RegionRegionalは、IBM Cloud Object Storage のレジリエンシー・オプションを表しています。
それぞれに特徴がありますが、Cross Region から Regionalに変更すると 遅延が小さくなりますので、データ読み書きの速度が向上します。

レジリエンシー・オプション 説明 遅延
Cross Region 複数の地理的な地域へデータを保存する最も可用性が高い方式 数百ミリ秒
Regional 単一の地理的な地域における複数データセンターへデータを保存する方式。Cross Regionよりもデータの遅延が小さい。 数十ミリ秒

レジリエンシー・オプションの詳細につきましては、製品ページをご覧ください。

IBM Cloud Object Storage グローバル・ロケーションとレジリエンシー・オプション
https://www.ibm.com/jp-ja/cloud/object-storage/resiliency

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