はじめに
インフラやネットワークを触っていると、こんな混乱を感じたことはありませんか?
- ホストゾーンって DNS の話だよね?
- ルートテーブルとゲートウェイは、どっちも「経路」っぽい
- 結局「名前解決」と「通信」はどこで分かれているの?
これらは 別のレイヤーの仕組み なのに、
「どこかでつながっていそう」という理由で混ざって理解されがちです。
この記事では、
- ホストゾーン
- ルートテーブル
- ゲートウェイ
それぞれの 役割・違い・関係性 を、
「通信が成立するまでの流れ」に沿って整理します。
まず結論:何が違うのか
最初に一行でまとめます。
| 用語 | 何を決める? | レイヤー |
|---|---|---|
| ホストゾーン | 名前 → IPアドレス | 名前解決(DNS) |
| ルートテーブル | IP → 次に送る先 | ルーティング |
| ゲートウェイ | 外へ出るための出口 | ネットワーク境界 |
やっていることも、登場するタイミングも違います。
ホストゾーンとは
役割
ドメイン名とIPアドレスの対応表
ホストゾーンは DNS の世界の概念です。
例:
example.com → 192.0.2.1
api.example.com → 192.0.2.10
このように、
- どの名前が
- どのIPアドレスに対応するか
を管理します。
ポイント
- ホストゾーンは 通信経路を一切知らない
- IPが分かった後のことは関与しない
- 「名前解決」が仕事のすべて
ルートテーブルとは
役割
IPアドレスを見て、次にどこへ送るかを決める表
ルートテーブルは、
「このIP宛の通信は、どの方向へ流すか」を定義します。
例(イメージ):
10.0.0.0/16 → local
0.0.0.0/0 → internet gateway
これは、
- 同じネットワーク内ならそのまま送る
- それ以外は外に出す
といった 通信の分岐ルール です。
ポイント
- 名前は一切扱わない
- IPアドレスだけを見る
- 実際の通信経路を決める存在
ゲートウェイとは
役割
ネットワークの外へ出るための出入口
ゲートウェイは、
- 別のネットワーク
- インターネット
- オンプレミス環境
など、異なる世界につなぐ中継点 です。
クラウドでよく見る例:
- Internet Gateway
- NAT Gateway
- VPN Gateway
ポイント
- 単体では何もしない
- ルートテーブルから参照されて初めて使われる
- 「出口」や「中継点」の役割
3つの関係性を流れで見る
ここで、実際の通信の流れに沿って整理します。
① 名前解決(DNS)
example.com → 192.0.2.1
- ホストゾーンが使われる
- ここではまだ通信は始まっていない
② 宛先IPが決まる
通信先IP:192.0.2.1
- DNSの役割はここで終了
- 以降はIPの世界
③ ルートテーブルを見る
192.0.2.1 はどこに送る?
- ローカル?
- ゲートウェイ?
- 別のネットワーク?
を判断する。
④ ゲートウェイを経由する(必要な場合)
→ Internet Gateway
→ VPN Gateway
- ネットワークの外へ出る
- もしくは別のネットワークへ渡す
よくある混乱ポイント
❌ ホストゾーンが通信経路を決めている
→ 決めていない
ホストゾーンは IP を返すだけ。
❌ ゲートウェイが宛先を判断している
→ 判断しているのはルートテーブル
ゲートウェイは指定された先に中継するだけ。
おわりに
最後にもう一度整理します。
-
ホストゾーン
- 名前解決の担当
- ドメイン → IP
-
ルートテーブル
- 通信経路の判断役
- IP → 次の送信先
-
ゲートウェイ
- ネットワークの出口・中継点
- ルートテーブルから使われる存在
これらは 一直線につながる処理 ではなく、
レイヤーごとに役割分担された仕組み です。
この切り分けが理解できると、
- DNSトラブル
- 通信不可
- クラウドネットワーク設計
での切り分けが、かなり楽になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました 🙌