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Org-modeからQiita準拠のMarkdownをexportするパッケージを作ってみました

Last updated at Posted at 2015-01-26

EmacsのOrg-modeでは、バージョン8から、組み込みの機能でMarkdownをexport出来ます。ただし、出来上がるのは標準の規格に準拠したMarkdownなので、Qiita用には少し都合が悪いです。例えば、コードブロックは、文頭にスペースが四つ置かれる形式になってしまって、シンタックスハイライトが効きません。そこで、Qiita準拠のMarkdownを吐き出せるようなパッケージを作ってみました。

作る前に試したもの

QiitaのMarkdownでは、コードに関する記法はGitHub Flavored Markdownに準拠とのことなので、まず、Github向けのパッケージを探してみました。
ありました。
ox-gfmというパッケージです。使ってみたところ、GithubのREADME.mdを書くのは十分にサポートしてくれました。ただ、Qiita用に使い回すためには、少しだけ追加で欲しい機能が有りました。

欲しかった機能

  1. コードブロックに名前を付けたい。
  2. コードブロックの言語の指定に使う文字列を変換したい。
  3. パラグラフ中の改行を取り除きたい。
  4. 目次の生成を止めたい。

ということで作ってみました。

導入方法

package.el

MEPLAに登録いただきましたので(@takaxp さんありがとうございました)、組み込みのpackage.elを使って導入いただけます。

手動

コードがここにありますので、ox-qmd.elをダウンロードするか、 git clone するなどして、ロードパスの通った場所におきます。

セットアップ

init.el.emacsなどinitファイルに、以下のコードを記述します。

.emacs
(require 'ox-qmd)

使用方法

Org-mode標準のexport用メニュー( C-c C-e )から実行できます。

欲しかった機能1の名前付きコードブロックは、 #+name: を利用します。
Orgファイルで

#+name: .emacs
#+begin_src emacs-lisp
  (require 'ox-qmd)
#+end_src

と書けば、

```el:.emacs
(require 'ox-qmd)
```

とexportされます。

設定方法

欲しかった機能2に関しては、変換を行う言語の追加が行えます(デフォルトでは、変換が行われるのは、"emacs-lisp"->"el"のみです)。

(add-to-list 'ox-qmd-language-keyword-alist '("shell-script" . "sh"))

を.emacsに記述すると、Orgファイル中の

#+begin_src shell-script
  $ echo hello
#+end_src

が、

```sh
$ echo hello
```

とexportされるようになります。

欲しかった機能3に関しては、on/offを切り替えることが出来ます。デフォルトでは、パラグラフ中の改行は取り除かれる設定になっています。この動作をoffにしたい場合は、以下のコードを.emacsに記述します。

(setq ox-qmd-unfill-paragraph nil)

欲しかった機能についての補足

3. パラグラフ中の改行の除去

QiitaのMarkdownでは、Githubでコメントを書くときなどと同様に、改行は無視されないようです。この挙動は、エディタの画面幅で改行をしながら文章を書いていく場合には、都合があまりよろしくないです(Org-modeのデフォルトでは、行の折り返し表示がoffになっているため、私はこういう書き方をしていました)。今までの文章の書き方を変えずに、パラグラフは詰めて表示をして欲しかったので、改行の除去を実装しました。

なお、Org-modeのソースで文末に連続する2個のバックスラッシュを置いた場合(Markdownでは、文末に連続する2個のスペースを置くことに相当します)は、改行の除去は行いません。

4. 目次の生成の停止

Org-modeでexportを行うと、ファイルの頭あたりにマジックコメント

#+OPTIONS: toc:nil

を記述しない限り、目次が生成されます。
Qiitaでは、目次が自動的に付加されるので、こうした目次、および目次用のアンカータグは無駄になります。無駄なものがあるのは忍びないので、最初から出ないようにしました。

その後の追加機能

テーブルの変換

従来テーブルはHTMLで出力されてしまっておりましたが、markdownで出力されるようにしました。テーブルの先頭行がそのまま表のヘッドラインとして使われ、水平線は無視されます。列の左・中央・右揃えは、それぞれ<l><c><r>を配置すれば指定できます。指定がなければ右揃えになります。

org-mode
| a   |  b  |   c | d |
|-----+-----+-----+---|
| <l> | <c> | <r> |   |
|-----+-----+-----+---|
| 1   |  2  |   3 | 4 |
markdown
| a   |  b  |   c | d |
|:----|:---:|----:|--:|
|  1  |  2  |  3  | 4 |

Noteのサポート

Noteは、スペシャルブロックで記述することができます。

org-mode
#+begin_note-info
ノートの本文
#+end_note-info
markdown
:::note info
ノートの本文
:::

infoの部分は、適宜warnalertに置き換えられます。省略も可能です。

インライン画像のアップロード

実験的に、別featureとして作成、公開しました。別記事にまとめましたので、よろしければご覧ください。

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