はじめに
2024/6/20
AWS のイベント「AWS Summit Japan 2024」に初めて参加してきました。
2024/6/21
2日目も参加してきました。
簡単にレポートとしてまとめます。
AWS Summit Japan 2024
日本最大の "AWS を学ぶイベント" AWS Summit Japan が 6月 20 日(木)、21 日(金)の二日間に渡り開催されます。
AWS Summit Japan は無料のイベントです。ご自身のニーズに合わせて様々なコンテンツを自由に組み合わせてお楽しみください。
以降は、自分が拝聴したセッションについてのレポートです。
Day1 [10:00 - 11:30] 基調講演 AWS と創る次の時代
概要
AWS はお客様視点および長期的視野に立ち、お客様のイノベーションに向けた包括的な支援を続けてきました。「生成 AI」は次の時代を創り出すキー・テクノロジーであり、すでに多くのお客様が AWS を活用し新たな価値を生み出しています。AWS はこれまでと変わりなく自社のイノベーションを加速し、お客様と共にイノベーターとして社会、地球環境をより良くし、次の時代を創り出します。
レポート
- 講演のキーポイントとなるのは、やはり AI 。
- AWS は、社会、地球環境の中で困難な課題に対してチャレンジしていくことを強調。
- 人口増加に伴う食糧問題、人々の健康のケアや病気の治療に関連するヘルスケアについて、テクノロジーを使って解決に挑む事例を紹介。
- これからの AI ではなく、今、どのように AI を活用していくかが大事である。
- Amazon Bedrock で Claude3 ファミリーの東京リージョン提供開始を発表。
Day1 [11:50 - 12:30] イノベーションを実現する AWS の生成 AI サービス
概要
スタートアップから大企業まで、あらゆる規模の組織が生成 AI を導入し始めています。この新しいテクノロジーを活用し、プロトタイプ、デモからスタートし、イノベーションを加速して実際の生産性向上につなげたいと考えています。エンタープライズグレードのセキュリティとプライバシー、大手 AI 企業が提供する高性能な基盤モデルの選択肢、データ主導のアプローチ、最も高性能で低コストのインフラストラクチャを備えた AWS は、生成 AI によるイノベーションを実現しています。このセッションでは、Amazon Bedrock や Amazon Q などの新しい生成 AI サービスが、従業員の生産性向上、顧客エンゲージメントの改善、新しい差別化された体験の構築など、主要なユースケースにおいてどのように実際のビジネス価値を提供できるかを学ぶ事ができます。
レポート
- 生成 AI の技術検証を経て実運用に入るフェーズである。
- Amazon Bedrock は RAG、ファインチューニング、事前学習で差別化した生成 AI が構築可能。
- Amazon Q はイノベーションを加速させるアプリケーションとして活用。
Amazon Q Business ではマネージドに RAG を実現し、Amazon Q Developer ではコード生成、コードレビューを実現。
- 紹介サービス:Amazon Bedrock、Amazon Q
Day1 [12:50 - 13:30] AWS でセキュリティ対策を強化
概要
セキュリティチームは、新しい技術が次々と登場する中で、いかにして進歩を阻害することなく、組織のセキュリティを維持し強化していけばよいでしょうか? 堅牢なセキュリティ基盤があれば、組織はイノベーションを加速させることができます。本セッションでは、強力なセキュリティ技術と可視性、制御を統合して、ビジネスのスピードと俊敏性を強化する方法を学ぶことができます。アイデンティティ管理、データセキュリティ、ネットワーク保護に関連する主要なトピックを取り上げ、進化したセキュリティ目標の策定に役立ちます。
レポート
- セキュリティでは、ID 管理、ネットワーク保護、データ保護の観点がある。
- GurdDuty による不正検知で早期に攻撃や不正アクセスに対して対策ができる。
- イノベーションの加速かセキュリティか、ではなく、イノベーションの加速とセキュリティを両立させる。
- 紹介サービス:GuradDuty、Amazon Firewall、AWS WAF、AWS Security Hub、...
Day1 [13:50 - 14:30] 生成 AI を推進するデータ基盤の構築
概要
データは長年にわたり、多くの組織にとって戦略的資産とみなされてきましたが、生成 AI はデータ戦略の重要性を改めて強調しています。独自のモデルを構築するか、ファウンデーションモデルをカスタマイズするかにかかわらず、データは生成 AI の主要な差別化要因となります。そのため、関連性の高い高品質のデータをサポートするデータ戦略が必要です。このセッションでは、生成 AI 戦略の原動力となるデータサービスと、生成 AI アプリケーションを一般的なツールから、あなたのビジネスとお客様を本当に理解するプログラムに変える際に必要となる、一般的なデータパターンについて学ぶ事ができます。
レポート
- 生成 AI の差別化のポイントは、自社にしかないデータの活用である。
- Amazon Bedrock は、RAG 、ファインチューニング、事前学習で差別化した生成 AI が構築可能。
RAG はモデルそのまま利用し、追加でデータをインプットする。ハードルは低い。
ファインチューニングは特定のタスクを追加で学習させる。ハードルは中程度。
事前学習はデータから学習させモデルを再構築する。ハードルは高い。
- 紹介サービス:Amazon Bedrock
Day1 [14:50 - 15:30] AWS で実現するデータガバナンス
概要
不確実性の高い VUCA の時代において、データは企業にとってヒト・モノ・カネに比類する重要な経営資源であり、ビジネス上の競争優位や付加価値を生むための源泉となっています。そのため、大量に生成されるデータを企業全体として適切に管理し、従業員の誰もがデータから継続的に価値を引き出すための仕組みを構築することが求められています。このセッションでは、AWS のデータガバナンスフレームワークを紹介し、Amazon DataZone をはじめとするAWSが提供する豊富な関連サービスによる、データガバナンスを実現するための手法とベストプラクティスについて解説します。
レポート
- データを一元管理し、データの場所、利用目的、アクセス権限の仕組みを構築する。
- データの Curation(データを収集する)、Understand(データの理解)、Protect(データを保護する)を繰り返す。
- 堅牢なデータガバナンスがあれば、攻めの姿勢でイノベーションに取り組める。
- まずは小さなプロジェクトから始め、徐々に拡大していくのが良い。
- 紹介サービス:AWS Glue、Amazon DataZone
Day1 [15:50 - 16:30] 生成 AI でセキュリティ強化!×生成 AI の脅威分析
概要
生成 AI を活用する上でセキュリティは欠かせません。本セッションでは、生成 AI を使ったセキュリティ強化の方法と、生成 AI を使う際の脅威分析について解説をします。生成 AI を用いたセキュリティ強化をする例として、セキュリティアシスタントとしての活用を取り上げます。そこではユーザーに対し、正確、かつ、セキュリティポリシー・社内のナレッジ等の組織の状況に即したアドバイスが求められます。それらを実現するため、一貫した情報提供を可能とする、Amazon Kendra、Amazon Security Lake、Amazon Bedrock 等を用いた実装例を紹介します。また、生成 AI を用いるには、生成 AI の進歩に伴う新たなセキュリティ脅威への理解も不可欠です。医療履歴を管理するサンプルアプリを例に、セキュリティ脅威の発見と分析の考え方をご紹介します。
レポート
- AWS のログを生成 AI に食わせて、セキュリティポリシーに合致しているか生成 AI にアドバイスをもらう。
- 過去の薬の投与履歴を教えてくれるデモアプリを実施。
制御しなければ悪意のあるユーザにより他人の薬の投与履歴が取得される可能性がある。
不適切な問い合わせに反応しない、本人と一致するかなどの対策が必要。 - Amazon Kendra は SharePoint など多様なデータソースに対応している。
- Amazon Opensearch Serverless は特定のワークロードやユースケースに適している。
- 紹介サービス:Amazon Kendra、Amazon Openseaech Serverless、Amazon Bedrock
Day1 [16:50 - 17:20] リファレンスアーキテクチャによるガバメントクラウド活用と Amazon Bedrock を活用したモダン化アプリの例
概要
デジタル庁のガバメントクラウドチームでは、各府省のクラウド移行とモダン化の促進のため、2023 年度に「リファレンスアーキテクチャ」を新規作成・公開しました。「リファレンスアーキテクチャ」は全てクラウドネイティブな技術で構成しており、共通ブロックの利用により設計の効率化と品質確保を両立します。本セッションでは、クラウド移行の加速を支援するリファレンスアーキテクチャの目的、構成、活用方法について、Amazon Bedrock を活用したモダン化アプリのデモを交えながら解説します。
レポート
- リファレンスアーキテクチャとしてデジタル庁でガバメントクラウドのベースを作成。
- 各府省庁に対して、システムの機能単位で展開する。
- オンプレをそのままクラウド持っていくだけではモダン化できていない、マネージドサービスで構成するが結局アプリは作り込みが必要、など課題はある。
- デジタル庁もチャットボットを活用して業務の効率化を目指す。
- 紹介サービス:Amazon Bedrock
Day2 [10:00 - 11:30] 基調講演 ビルダーとテクノロジーが加速する次のイノベーション
概要
最新のテクノロジー活用により、ビルダーにとってこれまでにないイノベーションの機会が到来し、迅速にアプリケーションを構築するだけでなく、可用性、弾力性、持続可能性、コスト、パフォーマンスも実現します。さらに生成AIにより、企業はデータをより戦略的かつ簡単に活用でき差別化やイノベーションを加速します。テクノロジーが創り出す新しい時代を、それらの実現に向けてのAWSの戦略や支援を、これまで日本のお客様と創出してきたイノベーション事例とともにご紹介します。
レポート
- AWSのテクノロジーでビジネスに革新をもたらす。
- リニア新幹線、Adobe、電通デジタルにおけるAWSによって実現したプロジェクト事例を紹介。
- Amazon Qの開発サイクルを実演。設計から実装からテストまで。
Day2 [11:50 - 12:20] データコラボレーションが導く新たな広告プラットフォーム - データプライバシーとマーケティング ROI の両立-
概要
2024 年 Cookie レス時代の本格化に向けて、企業間のデータ連携は、法令、システム、ビジネスのそれぞれでより複雑になっていきます。この環境下で、世界規模の広告データ連携を実現させる広告プラットフォーム "TOBIRAS" をリリースいたしました。本サービスを通じた電通グループの掲げるデータクリーンルームの構想や、AWS のデータコラボレーションサービス「AWS Clean Rooms」や AmazonAds の「Amazon Marketing Cloud」の活用など電通グループが展開する次世代プロダクト構想とクラウドの現在と未来の可能性もお話しします。
レポート
- Cookieレスの時代にどう対応するか、電通デジタルはデータクリーンルームでID管理することを提案。
- データクリーンルームにより、顧客の同意のもと得られた顧客情報は自社の顧客以外でも共有できるようになるためさらなる開拓が可能。
- 会社によって異なる顧客IDをデータクリーンルームで共通化する。
- 国内から海外へ展開を実施中。
- 紹介サービス:AWS Clean Rooms
Day2 [12:40 - 13:10] The Goldilocks Zone PlayStation™Network における Platform 運営について
概要
我々は FY18 に AWS ECS 移行、FY23 に AWS EKS 移行を完了しました。 このセッションでは、これから Platform 運営を検討される方々に向けて 我々の AWS EKS 構成 我々が準備してきたこと 得られた経験や今後の課題を共有します。
レポート
- Goldilocks Zoneとは、宇宙用語では生命生存可能領域(ハビタブルゾーン)の中でも生命を維持するのにちょうどいい場所を指す。
Play Station Networkでも同じように、ちょうどいい場所として定義。 - Internal Developer Platformを構築。
- プラットフォームの提供後も「早い」、「便利」、「丁寧」の観点でフィードバックをもらい改善していく。
- 紹介サービス:AWS ECS、AWS EKS
Day2 [13:30 - 14:00] Nintendo Switch™ 向けプッシュ通知システムのリプレイス事例
概要
Nintendo Switch™ 向けプッシュ通知システムは 2017 年にサービスインしましたが、長期運用を見据えた体制を目指して、2024 年によりクラウドネイティブなシステムにリプレイスしました。 プッシュ通知システムでは、大量の TCP 接続を維持する必要があり、通常の Web サーバーとは異なる要件が求められます。 本セッションでは、リプレイスを行うに至った経緯やシステムアーキテクチャーと共に、Network Load Balancer や AWS Fargate といったマネージドサービスで大規模常時接続を実現するために行った取り組みをご紹介します。
レポート
- 継続してプッシュ通知の需要増加が見込まれるため、リプレイスを開始。
- もともとFargateでは要件を満たせていなかったが、AWSのサービスアップデートにより要件を満たす範囲が広がったためFargateを利用。
- すでに新サービスへの切り替えが実施され、問題なく移行している。
- サービス切り替え時にNLBとFargateとS3のサービスを組み合わせて大規模常時接続をさばいていった取り組みを具体的に説明。
- 紹介サービス:AWS Fargate、AWS Network LoadB lancer
Day2 [14:20 - 14:50] フジテレビの動画配信サービス「 FOD 」の成長を支える開発体制の全貌
概要
熾烈を極める動画配信市場の中で、株式会社フジテレビが展開する「FOD」は AVOD 、SVOD 、TVOD だけでなく、電子書籍プラットフォームとして独自成長を続けている。有料会員 100 万人を突破した現在、さらなる成長に向けて「FOD」がどのような取り組みを行っていくのかと、その開発を支える株式会社フジゲームスがどのように開発を進めているかを余すことなくお話します。
レポート
- FOD は映像だけでなく、その原作まで一気通貫したコンテンツを提供するプラットフォーム。
- なぜフジテレビでプラットフォームの構築ができたのか。それは以前からデジタルビジネスに取り組んでいたためである。
- 現在は、CTVに注力している。動画配信サービスも構築中である。
- 紹介サービス:Amazon DynamoDB
Day2 [15:10 - 15:40] AWS で変える報道のかたち - TBSテレビが取り組む報道支援システムが JNN 28 局のニュース制作を変える
概要
TBSテレビは、JNN 系列 28 局向けに日本初のクラウドベース報道支援システム「 JNN ニュースクラウド」 を 2022 年に導入しました。このシステムは、報道業務に必要な様々な機能やデータの一元化、クラウド利用により 24 時間 365 日の安定稼働を実現することで、JNN 系列の連携強化に貢献しました。このセッションでは、JNN ニュースクラウドの導入後の運用状況や今後目指す将来像について紹介いたします。
レポート
- クラウドベースの報道支援システムとして「JNNニュークラウド」を導入。
- JNN ニュークラウドではPCだけでなくスマホからのアクセス可能。MFAによるゼロトラストでインターネットからの接続も可能とした。
- 生放送番組にも対象が拡大しており、利用している。
- 紹介サービス:AWS Fargate
余談
- 最大のイベントのため多くの人が集まります。講演開始30分前に到着しても入口に入るまでに長蛇の列に並びます。
基調講演を聞く場合は、かなり余裕をもっていくことをおすすめします。 - 認定ラウンジにて AWS 認定資格保有者はステッカーがもらえます。
ただし、数に限りがあるため、初日の早い段階でもらいに行くことをおすすめします。
自分は全冠特典も品切れでもらえませんでした...
さいごに
- 初めて参加して、とてもワクワクするイベントでした!
- 特典がもらえなかったのは残念ですが、また来年も行きたい!