はじめに
Windowsユーザーの私が初めてChromebookを試してみたので、感想、気づきなどについてのまとめです。
この記事は2023年時点でのC425TAを対象としたものです。
PC向けOSの利用歴
私のPC向けOSの利用歴は次の通りです。
- Windows
- Windows Meが初めてのノートPC用OSで、以降はXP, Vista, 7, 8, 8.1, 10, 11と、二十数年間メインマシンにWindowsを利用しています
- MacOS
- 数年程前、MacBook Airを1年ほど業務(Webサービス開発)に利用していました
私のPCの利用用途
私のPCの利用用途は次の通りです。
- Webサーフィン
- Kindle, PDF等の書籍、文章の閲覧
- 音楽鑑賞
- 動画鑑賞
- SNS(Twitter)利用
- VisualStudio CodeとWSL2を用いたIT関係の調査、調べ物
- 調べた内容をOneNoteにまとめています
雑感
- ノートPC用のオペレーティングシステムとして必要な機能、UIはきちんと提供されています
- 各種設定画面や設定、アプリに素早くアクセスするためのドック、通知欄等
- 雰囲気はかなりAndroidに近いです
- セットアップから利用開始まで非常にスムーズでした
- Androidアプリ激推しで非常に驚きました
- セットアップ時に人気アプリのインストールを選択する画面があります
- Chrome上から「Twitterをインストール」を選択するとPWAのインストールではなく、Play Store上のアプリがインストールされました
- 日本語入力も問題ないです
- IMEが提供されています
- Linux環境の構築および、VisualStudio codeのインストールも容易でした
- PostgreSQLのプロジェクトを開いても応答性等に問題なく操作できました
- 劇的に必要なリソースがすくなくなるわけではないです
- 当たり前ですが、Androidアプリ、Linux環境を動かせばメモリが大量に必要となります
- Androidアプリのインストール、アップデートに多くのCPUパワーが必要であり、応答性が著しく低下します(CPU使用率が100%前後)
- Androidスマホとの連携がスムーズです
- MFAの鍵として利用できますし、タスクバー上で現在の状態をかくにんできます
Windowsとの比較について
- OSの提供するシェルの利用には特に違和感はないです
- というよりも、Windows11はかなりAndroid/ChromeOSに寄せている気がします
- Windowsアップデートに悩まされないことはうれしいです
- Android, Linux環境がVMで動作しており、(おそらく)これらの環境のアップデートの為にシステム全体の再起動が求められないとおもわれるため
- UACのような煩わしさもないです
- ただし、Android/Linux環境のアップデートにはそれ相応のリソースが必要ですし、設定管理の煩雑さも存在します
- Windows11と比べてAndroidアプリ利用の完成度が高いです
- 提供されるアプリのラインナップ(3rd partyストアではなく、純正のPlay Store)
- GUIの応答性、不具合のなさ等
- ただし利用できないアプリも存在します(OneNote等)
- おそらく現代ではWindowsアプリよりもAndroidアプリの方が充実していることから、Androidアプリ推しなのは正解ではないでしょうか
個人的に困ったこと
- OneNoteのAndroidアプリ版はインストールできません
- Web版を利用できますが、毎回ページのダウンロードに数秒待たされてもっさりします...
- Linux版でインストールできるらしい(?)ですが、セキュリティや設定の面倒さからは利用を検討せず
- Web版のGMailの起動、メールの読み込みが遅くてストレスがたまります
- Androidアプリ版はスムーズに動作するのでそちらを利用しました
- Steamに対応してくれるとうれしいです -> 現在ベータ版ですが、あまり期待していないです
ハードウェアについて
- ぱっと見、アルミ筐体かつグレア液晶で「それらしく」見えますが...
- 液晶ディスプレイ、キーボード、タッチパッド、スピーカー、CPUやストレージの性能等が「値段相応」
- ハードウェアの質の差を覆すには至りませんでした
- タッチディスプレイにする前に前述の要素にお金をかけてほしいです
まとめ
短時間試したのみですが、Windows(あるいはMac)固有のアプリケーションや周辺機器に依存していなければ、という条件付きではあるものの、メインマシンとして十分実用に耐えられるのではないでしょうか。
ChromeOS=Chrome経由でWebアプリしか使えない、単なる機能制限版のOSというイメージでしたが、実際にはAndroidアプリが激推しなので、高レスポンスで高機能なアプリも利用できます。
Androidアプリに対応したことは把握していましたが、実用に耐えられない単なるおまけだろうという事前の予想を良い意味で裏切られました。
実際にAndroidの開発者向けのガイドにChromeOS向けのページが存在するという非常に歪なことになっています。
https://developer.android.com/chrome-os/intro
ここまでするならばそもそもChromeOSという看板を使わずに、Android for Laptop/Desktopとして売ったほうが誤解が少ないのではと素人意見では考えてしまいますが、セキュアで手間がかからないイメージ等のマーケティング上の都合等があるのかもしれませんね。
一方でハードウェアに関しては当たり前ですが「値段相応」であり、まともなユーザー体験のためにはそれなりの価格のハードウェアを購入すべきです。
※より新しいChromebookはメインメモリが4GiBのみ、あるいはCPUがAtomベースのCeleron搭載マシンが多く存在することから、新しいからと言って必ずしもユーザー体験が良いとは限らないと思われます
Chromeが動くだけだった過去とは状況が異なり、セキュア、手間がかからなさに加えてAndroidアプリの動作のスムーズさ、Android OSとの連携等の売りがあるので、各社もっとお金をかけた筐体をプッシュしても良いのでは...