2024年のAWS DBサービスの気になったニュースです。
「現実的にすぐ使える、求められている新機能やサービスである」という点を重視しつつも、独断と偏見で選出を行っています。
また、本番環境で利用できないPreviewや、新機能やサービスではない値下げはランキングから除外しています。
1. Amazon DynamoDB と Amazon Redshift のゼロ ETL 統合
DynamoDB上のデータを自動的にRedshiftへETLを行い、Redshiftで各種分析クエリを実行可能とする機能です。
無制限のスケーラビリティと安定したレイテンシーを低コスト、低運用負荷で実現するNoSQLと、複雑な分析クエリをスケーラブルに実行可能なRedshiftのZero-ETL統合はPurpose-Built Databaseの世界観を実現するために非常に重要な一歩となります。
DynamoDBのon-demand, global tableのコストが大きく削減されたことや、後述するRedshift ServerlessのAI 主導のスケーリングと最適化によりコスト効率が大きく向上していることから、このZero-ETLの価値は大きく向上していると考えられます。
2. Scaling to Zero ACUs with automatic pause and resume for Aurora Serverless v2
Aurora Serverless v2にて、Zero ACUへスケール(pause)できるようになった新機能です。
なにか新しいことをできるようになったわけではありませんが、コスト効率の改善のために極めて重要な新機能です。
ニュースリリースは出ていないですし、そもそも新機能でもないですが、価格改定で25%値下げされたことと合わせてServerless v2による自動スケーリングの利用が推進されていくのではないでしょうか。
3. Amazon Redshift Serverless、AI 主導のスケーリングと最適化
RedshiftでAI主導のスケーリングにより、自動的に最適が行われるようになりました。
高性能、多機能なDWHをpay-as-you-goモデル化したServerlessからさらに一歩進めて性能とコスト効率を両立できるようになりました。
これも多くの方に恩恵のある新機能なのではないでしょうか。
今後の展望について
今後も機能、非機能特性ともに、以下のように進化していくのではないでしょうか。
- 非機能特性の改善
- コスト効率の改善
- 性能効率の改善
- 可用性、耐久性の改善
- 機能の改善
- Zero-ETLのようなサービス間の統合の実現
- 生成AIによる生産性の向上
- 新しいワークロードに対応した新機能の追加と改善