23
29

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

PHPセッションをPhpRedisに保存する

Last updated at Posted at 2016-12-03

概要

PHPのRedis通信拡張(extension)であるPhpRedisでは、通常のRedisへの入出力に加えて、PHPセッションを保存する機能が提供されています。
PHPセッションは、デフォルトでは/tmpや/var/tmpなどといった一時ディレクトリにファイルとして保存されます。高負荷が予期されるサーバにおいて、ファイルI/Oが気になるような環境では、memcachedやRedisといったオンメモリKVSデータベースの利用を考えることになりますが、PhpRedisはその選択肢の1つになるのではないでしょうか。

インストール

PhpRedisのインストール自体はLinux系ならyumやapt-get、macOSならHomeBrewやMacPorts、*BSD系ならports collectionといった各パッケージシステムから利用できるかと思います。
また、私が書いたこちらも、参考になれば幸いです。

参考:macOS(Mac OS X)にPhpRedisをインストール

設定

PhpRedisのGitHubにあるREADME.markdownに書いてあるとおり、PhpRedisではphp.iniにハンドラ設定をすることでPHPセッションを保存に対応すると記されています

PHPセッションを保存するには、php.iniに次のような2行を設定します。

PHPセッションを保存するphp.iniの設定
# grep ^session /opt/local/etc/php56/php.ini
session.save_handler = redis
session.save_path = "tcp://localhost:6379"
(以下略)

1行目はハンドラとしてredisを使うことを宣言しています。デフォルトではここはfilesになっていますので、ここを書き換えます。
書き換えがためらわれる方は、ここを行コピーして、filesの行をコメントし、コピー行のfilesをredisに書き換えます。

2行目は保存パスです。filesの場合はここは/tmpなどのようにディレクトリパスが記載されていますが、redisではTCP経由で行いますので、tcp://localhost:6379を指定しています。
注意したいのはlocalhostの部分で、ここはredis-serverがコネクションを確立できる(TCP経由でデータを送受信できる)アドレスを指定します。ホスト名もしくはIPアドレスを指定することになります。
ホスト名(IPアドレス)の項目の右にある:の、さらに右にある数値がポート番号で、デフォルトではRedisは6379/TCPを使用します。別のポート番号を使っている人は、ここの値も同じものにしてください。

いくつかオプションが付けられますが、複数サーバでの運用とかタイムアウトとか、そうしたものを指定したい場合に加えることができます(少しだけ後述)。

動作確認

さて、これで本当にRedisに保存されるのでしょうか。
ということで、動作確認をしてみます。redis-serverはあらかじめ起動しておく必要があります。

redis-serverの起動の例
# redis-server &

次に、PHPセッションを使うテストコードsession.phpを用意します。

session.php
<?php
session_start();

echo "save_handler=" . ini_get("session.save_handler") . "\n";
echo "save_path=" . ini_get("session.save_path") . "\n";
echo "session_id=" . session_id() . "\n";

$_SESSION['libname'] = "PhpRedis";

テストコードを実行する前に、必要な確認作業があります。
当然ですが、現時点でRedisに何も(少なくともPHPセッションIDなどが)入っていないことを確認しなければなりません。

Redisの中にキーが何もないことを確認
> redis-cli
127.0.0.1:6379> keys *
(empty list or set)

この場合は、あらゆるキーが入っていないことを確認できましたので、心置きなく動作確認ができます。

では、さきほどのsession.phpを実行してみましょう。

テストコードの実行
> php56 session.php
save_handler=redis
save_path=tcp://localhost:6379
session_id=h59pqds8s5sdj9j0anmiqh63s0

save_handlerやsave_pathが、さきほどphp.iniに設定したものと同じになっていれば、設定とテストコードはうまく合致していそうです。

そして、ここが肝心な部分ですが、表示されているsession_idと同じものが、Redisに保存されて入れば、成功ということになります。redis-cliコマンドで確認してみましょう。

redis-cliでRedisにPHPセッションが保存されていることを確認
> redis-cli
127.0.0.1:6379> keys *
1) "PHPREDIS_SESSION:h59pqds8s5sdj9j0anmiqh63s0"

キーは含まれています。どうやら通信も行われてRedisにキーが保存できているようです。

では、$_SESSION["libname"]に代入した値は保存されているでしょうか。
セッションIDをキーにしてredis-cliからgetしてみましょう。

セッション変数の保存状況の確認
127.0.0.1:6379> get PHPREDIS_SESSION:h59pqds8s5sdj9j0anmiqh63s0
"libname|s:8:\"PhpRedis\";"

こちらも保存されているようですね。ファイルにPHPセッションを保存しているのと同様に、PHPシリアライズで保存されてます。保存内容自体は、保存先(save_handler)が変わっても同じであることも確認できたと言えそうです(当然ちゃ当然ですけど)。

オプション

最後に、指定できるオプションを簡単にご紹介しておきます。説明自体はPhpRedisのGitHubリポジトリにあるREADME.markdownのPHP Session handlerの項目に書かれています。

オプション デフォルト 意味
weight 整数(integer) 1 ホスト(サーバ)の重み付けの値。PHPセッションを複数のRedisホストに分散して保存する場合の比重を設定することができる。あるRedisサーバAが別のRedisサーバBの2倍の重みを持っているとしたら、Aは2倍のセッションを保持することになる。
timeout 小数(float) 86400 Redisサーバへのコネクションタイムアウトまでの秒数。この時間以内にRedisサーバに接続できなかった場合、クライアントはセッションを利用できない。
persistent 0もしくは1 0 永続的コネクションで利用する場合は1を指定する(試験的オプション)。
prefix 文字列 PHPREDIS_SESSION: キーの接頭辞として使用する文字。さきほどの動作確認でのキーを見ると、デフォルトの接頭辞が付いているのがわかる。
auth 文字列 (空欄) コマンド早出前の認証キー。Redisでauthを使っている場合に使用する。
database 整数 -1 データベース番号を指定する。

オプションの指定の仕方は、さきほどのREADME.markdownのPHP Session handlerの項目に書かれています(以下抜粋)。

オプションの指定方法
session.save_path = "tcp://host1:6379?weight=1, tcp://host2:6379?weight=2&timeout=2.5, tcp://host3:6379?weight=2"
23
29
2

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
23
29

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?