前文
AQUAPLUSが一昔前に出していた携帯端末P/ECE、開発環境やデバイスドライバの対応がWindows(公式ではXP,2000,98)のみなのですが、筆者が最近MacBook Proばかり触っていてWindows起動するのが面倒なので、Mac向けの開発環境を用意しようという試み。
linuxでp/eace使う(リンク切れ)をもとにBSDベースのMacOSXでやるので、セットアップのコマンドは変わりますがLinuxでも動きます。
ちなみにWindows7,8,10対応は以下のいずれかの情報をご参照ください。
- 中古の P/ECE 本体(付属CDなし)を買って遊べるようにする
- P/ECE研究室さんで提供されている64ビット版Windows 7用P/ECEデバイスドライバ(WinUSB版)
環境
MacBook Pro 2017 (MacOS High Sierra 10.13.2)
USB-C/USB-Aポート変換
MacBook Pro 2020 (M1, Big Sur 11.1)
USB-C/USB-Aポート変換
接続確認
まずはUSB接続して、認識されているか確認(USBハブの種類や接続ポートによって若干結果違うと思います)
$ system_profiler SPUSBDataType
(不要部分省略)
PIECE PME-001:
Product ID: 0x1000
Vendor ID: 0x0e19
Version: 1.00
Speed: Up to 12 Mb/sec
Manufacturer: OeRSTED, Inc.
Location ID: 0x14320000 / 19
Current Available (mA): 500
Current Required (mA): 100
Extra Operating Current (mA): 0
アプリケーション→ユーティリティ→システム情報を起動して、ハードウェア→USBでも見れます。
セットアップ
linuxでp/eace使うで公開されているLinux用isdそのままだといくらか不具合があったので、以下リポジトリで改修したものを使います(@autch さん @sawanaoyuki さんご協力ありがとうございます!)。クローンまたはダウンロードしてください。
https://github.com/zurachu/isd_for_linux
ビルドにはlibusb-1.0系が必要です。筆者はパッケージ管理が容易なようHomebrewでインストールしましたが、公式の.tar.bzかGitHubリポジトリを落としてきてビルドするなり、任意のやり方でどうぞ。
全コマンド
$ brew install libusb
$ git clone https://github.com/zurachu/isd_for_linux.git
$ cd isd_for_linux
# cmake でビルドする場合
$ brew install cmake
$ mkdir -p build && cd build
$ cmake ../
$ make
# autoconf でビルドする場合
$ brew install autoconf
$ autoreconf -i
$ ./configure
$ make
実行
$ ./isd -c
でエラー等出なければ接続成功。
あとはツールのusage見てください。
Linux向け補足
USBアクセスするには、スーパーユーザで実行するか、udevファイルを適用する必要があります。
https://github.com/zurachu/isd_for_linux/blob/master/90-piece-me.rules
できないこと
- 本家isdの全機能を搭載している訳ではありませんし、コマンド体系も異なります。
- ドライバを書いている訳ではないので、Wineを使ったところで、P/ECEと通信するWindows用ソフトをそのまま使うことはできません。同じようにlibusbを使う形で書き換えるか、いっそ通信ライブラリ(ism〜())をlibusb使って丸ごと移植して、それとリンクするかですね。
後書き
コンパイラやリソース変換ツールはWineで動かせるのではということで、また今度。