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えっ、マネジメントと管理って違うのっ!?

Last updated at Posted at 2024-09-08

はじめに

これまでの人生や、業務の中で、「マネジメント」と「管理」という言葉は何度も何度も耳にしてきました。
正直なところ、この2つの言葉をずっと同じ意味だと思っていました…。
最近、その違いを理解する機会があり、「なるほど!」と感じました!
この投稿では、私が学んだことを共有し、ビジネスパーソンとしての視野を広げるきっかけになればと思います。

 ←AIで生成したドラッカー大先生

マネジメントと管理の違いとは?

まず、
マネジメントを発明したピーター・F・ドラッカーによると、マネジメントと管理は以下のように定義されています。

マネジメントとは、組織に成果を上げさせるための道具・機能・機関であり、マネージャーとは組織の成果に責任を持つ者である。
管理とは、そのものの働きが十分に保てるように、全体にわたって気を配り、取り仕切ること。

ドラッカーの言葉からも分かるように、管理とマネジメントは本質的に異なるものです。
マネジメントは組織全体を導き、成果を上げるための戦略的な活動であり、管理はその日々の業務をきちんと進めるための実務的な活動です。

一方で、
ドラッカーはマネジメントを定義することの難しさも認めていて、
マネジメントという言葉は難しい言葉である。完全なアメリカ英語であって、イギリス英語を含めいかなる外国語にも翻訳できない。それは機能であって、かつ人である。社会的な地位であって、一つの体系、研究分野である。
とも述べています。

マネジメントがどれほど曖昧な概念であるかが理解できます。

ITプロジェクトのマネジメントと管理

そこで、
ITの現場におけるマネジメントと管理について、
それぞれ実際に何が行われているのかを明らかにし、両者を見比べたいと思います。

マネジメントの役割

プロジェクトマネジメントは、プロジェクトの計画、実行、監視、制御、終了を包括的に管理するプロセスです。具体的には、スコープ管理、タイムマネジメント、コスト管理、品質管理、リスクマネジメントなどが含まれます。
これらは、プロジェクトを目標通りに進めるために欠かせない要素です。

マネジメントの誤解!?

  • マネジメントは部下の管理だけを指す
  • 経営トップや上司を意味する
  • 権力や地位、階級を示すもの

管理の役割

管理は、プロジェクトの進行を日々の業務レベルで支えることです。ITプロジェクトにおいては、タスク管理ツールを使った進捗のモニタリングや、バグ管理システムによる不具合の追跡などが具体的な例です。
これらの管理活動が、プロジェクトをスムーズに進め、品質を保つために重要な役割を果たします。

管理の問題点!?

  • 「上長が部下の行動を監視する」や「指示したことが実行されるよう統制する」といったネガティブなイメージがつきまとう
  • 人を信用していないという印象を与えてしまう

マネジメントと管理の共通点と違い

マネジメントと管理は、どちらもプロジェクトの成功に不可欠な要素です。
しかし、アプローチに違いがあります。
マネジメントは戦略的な視点からプロジェクト全体をリードし、管理は日常的なタスクやプロセスをしっかりと進行させる実務的な側面を持っています。
つまり、管理はマネジメントの手段の1つなのです。
この違いを理解することで、より効果的にプロジェクトを進めることができるようになります。

マネジメントと管理の違い_page-0001.jpg

マネジメントと管理、どちらを優先するべきか

マネジメントをするべき場面

  1. プロジェクトの初期段階でのビジョン設定
    プロジェクトの開始時には、目標やビジョンを明確に設定し、全体の方向性を示すことが必要です。この段階では、チーム全体が同じ目標に向かって進むための指針を示すマネジメントが重要です。具体的な計画やリソース配分も、この時点で大まかに決定されます。ここでのマネジメントが適切でないと、プロジェクトの進行が曖昧になり、チームの迷走を招く可能性があります。

  2. 新しいプロジェクトやイノベーションの導入時
    新しい取り組みや革新的なプロジェクトを始める際には、既存の枠組みを超えた戦略的な考え方が必要です。従来の管理手法では対応できない場合が多く、柔軟なリソース配分やリスク管理を行うマネジメントが求められます。例えば、新しい技術の導入や市場開拓などは、戦略的なマネジメントが不可欠です。

  3. 組織全体の変革が求められるとき
    組織の大規模な変革や再編が必要な場合、全体を見渡した大局的なリーダーシップが求められます。このような場面では、単なる業務の進行管理だけではなく、組織のビジョンを再定義し、変革を成功させるための戦略的なマネジメントが重要です。これには、変化への抵抗を乗り越え、チーム全体を統率して新しい方向へ導く能力が必要です。

管理をするべき場面

  1. デイリーオペレーションや日常業務の進行中
    日々の業務やデイリーオペレーションでは、タスクの進行状況やスケジュールの遵守が重要になります。この段階では、マネジメントよりも、決められたプロセスが確実に実行されているかを監視・調整する管理が必要です。たとえば、製造ラインの運営や日常的なサポート業務などは、管理が中心となるべきシチュエーションです。

  2. 品質管理やリスク管理が重要な場面
    プロジェクトや製品の品質を保つためには、細部にわたる管理が欠かせません。品質保証やリスク管理の場面では、タスクが計画通りに実行されているか、リスクが適切に管理されているかを監視し、必要に応じて修正することが重要です。このような場面では、マネジメントよりも、厳密な管理がプロジェクトの成功に直結します。

  3. リソースの効率的な配分が求められる場面
    限られたリソースを効率的に活用する必要がある場合、リソースの配分やスケジュール調整が重要になります。このような場面では、リソースが適切に使用されているか、各タスクが時間通りに進んでいるかを確認するために管理が重要です。プロジェクトが計画から外れないようにするためには、緻密な管理が欠かせません。

マネジメントと管理の違い_page-0002.jpg

マネジメントと管理のバランスの取り方

プロジェクトを成功させるためには、マネジメントと管理のバランスが重要です。
マネジメントが戦略的な方向性を示し、管理がそれに従って日常業務を進める。このバランスが崩れると、プロジェクトはうまく進まなくなります。

例えば、管理が過剰になると、細かすぎる指示がチームの自主性を奪いがちです。
一方で、マネジメントが過剰で管理が不十分だと、目標はあるのに実行が伴わない状態に陥ります。

まとめ

マネジメントと管理、両方の理解がプロジェクト成功に繋がる

「マネジメント」と「管理」は、プロジェクトを成功に導くために欠かせない要素です。マネジメントは戦略的な視点でプロジェクトをリードし、管理は日々の進捗を確実に進めます。
これらをバランスよく組み合わせることで、プロジェクトの成功と自身の成長を両立させることができます。

参考

マネジメント
マネジメントとは結果や人を管理することではない
管理とマネージメントの違いとは?目的や役割から徹底解説!

さいごに

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最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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