#記事を書いたきっかけ
「Pythonで学ぶ強化学習 入門から実践まで」を執筆されている久保隆宏さんが毎週発信されているWeekly Machine Learning、いつも楽しく読ませて頂いております。
https://www.getrevue.co/profile/icoxfog417
そのうち面白そうなものを自分なりに解釈し、皆さまへもご紹介出来たらと思ったためです。
#今回の記事
Harvard Business Reviewの「How to Choose Your First AI Project」です。
https://hbr.org/2019/02/how-to-choose-your-first-ai-project
この記事は何といっても執筆者です、CourseraのMachine Learningコースで有名なあのAndrew Ng先生です!
GoogleとBaiduを率いた経験からの含蓄のある記事となっています。
#まとめ
・企業がAIを使ったプロジェクトを行うのは簡単ではないため、まずは実験的な小案件から始めるべき。
・その案件が適切なものかどうかは、①短期的に結果が出るか、②案件規模が適切か、③自社産業に固有の案件か、④良いパートナーがいるか、⑤価値を生み出すか、の5点を自問自答することでわかる。
・必ずしもBig dataは必要ない、データの有無ではなく価値を生み出すかどうかの観点で判断。
・プロジェクト実行前に、プロジェクトの時間軸と望まれる成果を明確にし、十分な予算を付ける。
・すでにAI分野を牽引している企業と競争せず、自分たちの産業に合ったAIの活用方法を理解することが大事。
#記事要約
(意訳なので必ずしも原文に忠実ではありません)
・100年前に人類の生活が電気によって激変したように、今はAIで我々の暮らしを大幅に変えようとしている。
・マッキンゼーの予想では、2030年までにAIによってものすごい額のGDPが生み出され、その大部分が製造業や農業などのインターネット以外の分野である。
・AIを活用することはどの産業・どの企業にとってもビジネスの差別化を図り自社を存続させるきっかけになる。
・ただ、実際にAIを使った戦略を実行するのは簡単ではない。
・まずは実験的な小さい案件からスタートし、そこから知見を得るべき。
・案件の良し悪しを問うの5つの質問は以下。
①短期的(6~12ヵ月以内)に結果が出るか?->スピードが大事、2・3個の案件を同時並行で進めると勝率が上がる
②案件が小さすぎ/大きすぎやしないか?->投資家を納得させられるか?
③自社の産業に固有の案件か?->その方が投資家が理解しやすい。
④信頼できるパートナーと案件を進められるか?->いきなり自社でAI開発チームを持とうとすると時間がかかりすぎるので、まずは外部から良いパートナーを探すべき。
⑤その案件は価値を生み出しているか?->コスト削減/収益増大/新たなビジネス開発、のどれかに該当するか?
・Big dataがなくともAIプロジェクトを行える。Big dataを過大評価されていて、100~1000のデータでも価値を生み出せる(無論、多いに越したことはないが)。
・大量のデータがあるという観点ではなく、いかに価値を生み出すか、が重要。
・AIを使うアイデアの源泉は、人間がやっている作業を教師あり学習を用いて自動化することであり、人間がやっていて自動化できそうな作業を探す。
・プロジェクト実行前に、プロジェクトの時間軸と望まれる成果を明確にし、十分な予算を付けるべき。
・AIとビジネスの橋渡しができる人材をリーダーにする->目的はAIのスタートアップを構築することではなく、案件を成功に導き将来の更なる案件へと繋げること。
・ビジネスとして価値があることに加え、技術的に実現可能であることを事前に検証する。
・小規模なチームで始める(15人程度)->全員がお互いを知り、複数の役割を担って動くことが出来る。
・プロジェクトが上手くったらそれに報いる->報酬や外部へのPRでチームをねぎらうこと。
・すでにAI分野を牽引している企業と競争するのではなく、自分たちの産業にとって有用なAIの活用方法を理解することが大事。
#所感
スピーディに成功案件を積み上げ、経験を蓄えて更なる案件に繋げるということで、非常に実践的な見解だと思います。
5つの質問は役に立ちそうです。更にこれに付け加えるとすれば、「人々の暮らしをよくすることが出来るか」、という質問でしょうか。
しかし、Andrew先生からAIリーディングカンパニーと競争するなと言われると、重みがある。。。
これからも定期的に記事を書きたいと思います。
皆さまも、何か面白い記事やネタ、情報ソースをお持ちでしたらぜひ教えて下さい!