はじめに
みなさんは、Google Earth Engineをご存知でしょうか?「Google Earthなら知ってるー 」という方も多いかもしれません。今回は、Google Earth Engineがどういったものか解説していきたいと思います。
Google Earth Engineを使いたい
Google Earth Engineとは?
Google Earth Engine(以後、GEE)は、衛星画像といった地理空間情報を分析・可視化を可能にするプラットフォームです。衛星画像や地理空間データセットが提供されているので、それらを使って様々な分析が可能です。
GEEには600を超えるデータセットが提供されていて、古いものだと40年以上のものまであります。その膨大な量のデータセットを使って分析するのですが、分析を行うための開発環境が提供されています。こちらはCode Editorと呼ばれ、JavaScriptを使って分析することが可能です。
Code Editorの中身はこんな感じです。
JavaScript以外にもPythonで分析するためのライブラリが用意されています。Google Colabを使った使用例が提供されているので、計算のことも考えるとPythonのライブラリを使うときはGoogle Colabを使った方がいいかもしれません。
どんな分析ができるのか?
GEEでは膨大なデータセットを利用した様々な分析を行うことができます。公式ではケーススタディとして、以下のものが挙げられていました。
- 世界の森林面積の変化
- 危険にさらされている生物種の生息地の分析・可視化
- 世界の表流水の分析
- など
その他のケーススタディに関しては、こちらに記載されています。
これだけ聞いてもよくわからないかもしれないので、実際の例を見てどんなものか見てみましょう。Code Editorには、GEEが用意したスクリプトがいくつかあります。Code Editorの、Scripts/Examples
にスクリプトがおいてあります。今回は、Scripts/Examples/image
にある、Normalized Difference
というスクリプトを実行してみます。
スクリプトをクリックすると、以下のように表示されます。Code Editor真ん中にスクリプトが表示されて、下半分には地図が表示されます。この地図に衛星画像や計算したものがオーバレイされて表示されてます。
今回の場合だと、地図の真ん中にはアメリカのカンザスシティが表示されています。
スクリプトの実行には、スクリプトが記載されている部分の上部にあるRun
をクリックします。実行した結果は以下です。
先ほどの地図が、黄色だったり緑色に染まりました。これは、NDVIという指標を可視化したものです。NDVI(Normalized Difference Vegetation Index)は、植生の分布状況を表す指数です。簡単に言うと植物がどれだけあるかを表す指標で、今回の例だと緑色が濃い場所ほど植物が多く存在していることを表しています。白い部分は逆に植物がない場所を示しており、今回の結果で見られる白い部分は湖などです。
このように、GEEでは植物がどれだけしているかを、とある指標を用いて可視化することができました。
さいごに
今回は、GEEが何なのか、どういったことができるかを紹介しました。今後は、GEEでできる分析をより具体的に紹介していきたいと思います!