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【DMBOK】データマネジメントについて整理する(第16章.データマネジメント組織と役割期待)

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背景・目的

私は、現在データエンジニアリングを生業としています。普段は、データ基盤の構築やパフォーマンスチューニングなどに従事しています。ビックデータの収集や、蓄積、分析などの環境構築の経験はそこそこありますが、データマネジメントについては、それほど経験がありません。
そのため、データマネジメントの知識やスキルを獲得するために、DAMAのCDMP(Certified Data Management Professional)試験の学習を通して学ぼうと思います。

CDMPは、DMBOK2(Data Management Body of Knowledge version2)から、14のトピック(11の知識領域、データ管理プロセス、倫理、ビッグデータ)で出題されるようです。

参考
Data Management Process – 2%
Big Data – 2%
Data Architecture – 6%
Document and Content Management – 6%
Data Ethics – 2%
Data Governance – 11%
Data Integration and Interoperability – 6%
Master and Reference Data Management – 10%
Data Modelling and Design – 11%
Data Quality – 11%
Data Security – 6%
Data Storage and Operations – 6%
Data Warehousing and Business Intelligence – 10%
Metadata Management – 11%

DMBOK本では、章立てとして17章に分けられています。

本ページでは「第16章.データマネジメント組織と役割期待」について整理します。
なお、過去のデータマネジメントの整理した結果は下記のとおりです。

まとめ

  • 主要な用語
    • DMO = Data mangement organizationの略。
    • RACIは、以下の頭文字を表したもの。
      • Responsible(実行責任者)
      • Accountable(結果責任者)
      • Consulted(協業先)
      • Informed(報告先)

もともとの組織構造や文化を元に進化させることが成功のポイント。現状に対して最適なオペレーティングを決定し進化させる。
オペレーティングモデルは、DMとDG業務を改善するための出発点。 把握から始める。
どのオペレーティングモデルを選んでも、受け入れられて持続するためには、単純性と利便性が不可欠。

概要

1.イントロ

データを取り巻く環境は、急速に発展している。

  • データの量の増加と、様々な形式での保管、データ利用者は素早く簡単にアクセスしたいニーズ。
    • データ利用者は、データを理解し、重要な業務上の問題にタイムリーに対応したいと考える。

上記の状況や、ニーズに対してデータマネジメントとデータガバナンスは、効果的に機能するように十分に柔軟である必要がある。そのために、組織は以下を備えている必要があり、明確であることが求められる。

  • オーナーシップ
  • コラボレーション
  • 責任
  • 意思決定

2.現状の組織規範と文化規範の把握

改善の前に現状把握が必要とのこと。
組織のデータマネジメントが持つニーズと優先順位について洞察を得るには、まずは現状把握から。
データマネジメント組織には、企業の組織階層、リソースを考慮するべき。

急速な発展よりも、現状の組織を進化させることが合理的。

データマネジメント組織を作り上げるには、現状の企業文化と組織の規範を把握し、それに適合させることが重要。現行の意思決定フローや委員会精度などとマッチしていない場合、時間の経過とともに維持するのが難しくなる。

現状のオペレーティングモデルと、文化の評価のための現状分析分析。

カテゴリ 確認ポイント
文化 どのように意思決定が行われているか
誰が決定するか
どのように委員会が活用されているか
誰が現在データを管理しているか
オペレーティングモデル 中央集権型
地方分権型
ハイブリッド型/連邦型
データマネジメント・オフィサー
データガバナンス・オーナー
対象領域専門家
リーダーシップ

3.データマネジメント組織の特定

データマネジメント組織の設計における重要なステップは、組織にとって最適なオペレーションモデルを特定すること。

オペレーションモデルとは?
役割、責任、意思決定プロセスを明確にするためのフレームワーク。人と機能がどのように連携するか。

オペレーションモデルを以下に整理する。

オペレーションモデル 特徴 Pros Cons
地方分権型 データマネジメントの責任は、様々な分野、IT部門に分散される。コラボレーションは委員会によって行われる。 導入、改善が、比較的容易にできる。 共同で決定を下すことが難しい。
維持するのが難しい。
NW型 規則だった運用モデル。
役割と人との間で規定された関係に従い遂行される。
RACIを追加することで既存の組織変更を変えずに責任体制を構築できる。 RACIで決めた役割、責任を維持することは新しい負荷になる。
中央集権型 最も正式、聖獣化されている。
データマネジメント組織が全てのオーナー。
データマネジメントリーダーは、ガバナンス、スユチュワード、メタデータ、データ品質、マスタと参照データ管理者、データアーキテクチャ、業務分析を担当し、DGとDMに関わるものがリーダーになる。
DM/DGを担当する正式な役員の地位が確立される。
新しい組織が必要になり、 意思決定は容易。
大幅なチェンジマネジメントが必要。
ハイブリッド型 地方と中央の利点をマージしたもの。
センターオブエクセレンス(葬式横断組織)を持ち、分散されたLOBと連携する。
組織から 指示系統が確立される。 
連邦型 大規模グローバル企業に多い。

RACIとは?
以下の頭文字を表したもの。

  • Responsible(実行責任者)
  • Accountable(結果責任者)
  • Consulted(協業先)
  • Informed(報告先)

3.1〜3.5

上記に統合。

3.6.組織に最適なモデル

オペレーティングモデルは、DMとDG業務を改善するための出発点。 導入すると現在の組織はどのような影響を受けて、どのように発展するかを把握する必要がある。
現在の組織が、中央集権 or 地方分権、階層、比較的フラットかを評価する。

3.7.DMOの代替案と設計上の考慮点

どのオペレーティングモデルを選んでも、受け入れられて持続するためには、単純性と利便性が不可欠。 オペレーティングモデルが企業文化にフィットすれば、DMとDGを運用に組み込み、戦略と整合させることができる。

オペレーティングモデルを特定するときは、以下をヒントに念頭に置く。

  • 現状評価し出発点を定める
  • オペレーティングモデルを組織構造に結びつける。
  • 考慮すべき事項
    • 組織の複雑さ+成熟度
    • 事業領域の複雑さ+成熟度
    • スケーラビリティ
  • 幹部からの支援
  • リーダーシップフォーラムが意思決定機関であることを確認
  • パイロットプログラムと導入の機運を考慮
  • 高付加価値で効果が大きいデータ領域に焦点を当てる
  • 既に存在するものを利用
  • 画一的なアプローチを採用しない

殆どの組織は、本格的なDMOに移行する前に、地方分権から始める。
次に、組織がデータ品質の改善がもたらす好影響に気づくとデータマネジメントRACIマトリクスに基づき責任を明文化。NWモデルに進化する。
スケールメリットにより、認知されるとハイブリットや連坊モデルになる。

DMOとは? Data mangement organizationの略。

4.重要な成功要因

以下の要因により、効果的な組織の実現に重要な役割が果たされる。

要因 解説
幹部からの支援 データマネジメントプログラムの影響を受けるステークホルダーに対して、効率的、効果的に進化してもらうためには、支援者が必要。
明確なビジョン データマネジメントプログラムの影響を受けるステークホルダーが、なぜ重要か、どのように業務に影響を与えるか、どのように影響を受けるか、理解して納得してもらう。
前向きに取り組むチェンジマネジメント 計画的な組織的チェンジマネジメントを適用することで、望ましいデータマネジメントが長期に渡って持続する可能性が高める。
リーダーシップ統制 DMプログラムの必要性が合意され、それに対する一貫した支援が約束される。成功の定義にもついても合意される。成功のためには同じ価値観を持ち、強力体制が築けることがあることが重要。
コミュニケーション オープンに頻繁に行う。DMの重要性を伝える。本来の姿と比較し、自分たちの業務との違いを強く認識させる。
ステークホルダーの関与 DMにより影響を受けるステークホルダーをマッピングし、影響や関わり度合いを把握することで、巻き込みやすくなる。
オリエンテーションとトレーニング DMの幅広い側面と、企業へもたらす価値を伝えるためにオリエンテーションをしなければならない。
導入状況の評価 DMの支援や計画の進捗を評価する尺度を策定する。ロードマップが機能しているか確認できること。
基本理念の遵守 すべての決定が参照する基準点になる。DM作成のための重要な第一歩。
革命ではなく、進化 この哲学は、大規模かつハイリスクプロジェクトの影響を最小限にすることに役立つ。受け入れやすくなりデータがビジネス目標により管理され、優先順位付けされる方法を段階的に改善される実感を得られることが重要

5.データマネジメント組織の構築

  1. 現在のDM参画者の特定

    • オペレーティングモデルの導入の際には、現在データマネジメントアクティビティに従事している現行チームから始める。
      組織への影響を最小限に抑えることができる。最初の現行チームが特定できたら、現在どのようなアクティビティを担っているのは誰かを特定する。
  2. 委員会参加者の特定

    • どのオペレーティングモデルを採用しても、委員会や部会は必要。新設するか既存に相乗りするかはあるが、既存への相乗りは、抵抗感は少なくなるものの周りの注目度が低くなるため注意が必要。
  3. ステークホルダーの特定と分析

    • ステークホルダー分析により、参加者をDMプロセスに関与させて、彼らの役割をオペレーティングモデル内で活かせる最良のアプローチを決定するのに役立つ
    • この分析で得られたインサイトから、リソースを最適な割り当てる方法を決定できる。
  4. ステークホルダーの関与

    • Whyをステークホルダーに伝え理解してもらう。自分たちの職務や目標にDMを結びつけて考えてもらうことで効果的に関与してもらえる。

6.DMOと他のデータ思考体制の相互作用、7.データマネジメントの役割

組織とロールの話。割愛。

考察

いくつか、重要な学びはありましたが、革命ではなく、進化 の言葉が個人的には腹に落ちました。大きな変化がある中で当事者たちの反発を買わないためにも良い考えだと思いました。

参考

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