はじめに
この記事はAteam Group Manager & Specialist Advent Calendar 2020 9日目の記事です。
簡単な自己紹介
株式会社エイチーム管理部IT戦略グループの中の人です。こういった記事でアウトプットすることが無いのでとても緊張しています。脚はガクガク腕はブルブル額に汗し口中ボーボー、三口でシャックリ。汗はタラタラ、耳までマッカ。目はパチパチ、十二指腸もビックリ。頭はガンガン、二日酔いもマイッタ。桃色吐息でキーボードを叩いています。
この記事の概要
皆様が素晴らしい記事を書かれるということなので、思い切ってインフラの話にしました。
とある海外にオフィスを構築した経験から、回線選びや考えておくべき対策1等、何かの際に参考になるかも知れません。
(※効果には個人差があります)
(※現地ではパートナーの皆様に多大なご支援をいただきました)
で、とある国って?
はい、エンジニアなので結論から参りますと。日本から直線距離で約3,600km2ほど南の国ベトナムです。
その中でもホーチミン市というベトナムの南に位置する都市でのお話になります。
(※ベトナムは南北で事情が異なる部分が多いです)
で、回線事情って?
1. まずはキャリアを選び
日本ではNTTをはじめ、様々なキャリアがいらっしゃいますがベトナムではどんなキャリアがいらっしゃるのでしょう?
通信事業系のみとなりますが大体こんな感じです。
日本とは違って、省庁直系の事業会社によって運営されている企業が多い事がわかると思います。
その中でも太字にしたVNPT、FPT、Viettelという3社が大きなシェアを占めている3と言われます。
(国防省のネット回線とか胸アツですよね)
余談ですが、ドコモ回線をベトナムでローミングしたらVinaphone回線になります4
右も左も分からない遠い異国の地ですが、シェアがわかれば
魔法のクアドラントのリーダーを狙え!
という法則に従うことで選定はできそうな気がしてきました!やったね!
2.回線種類を選びましょう
さてこの記事をご覧の奇特な皆様、50名を想定したオフィス設立時にどんなインターネット回線を引きますか?
- ベストエフォート型でお安く済ませるか
- お値段は張るがギャランティ型で速度保証をするか
利用方法や想定されるトラフィック量にもよりますが、まあ1Gbpsベストエフォートがあればまず問題無いかな、となりますよね。
日本ならね!
ということで現地で一般的に利用される回線で見積もりをオーダーしたところ…
100Mbpsベストエフォート(固定IPアドレス1個)
??? おや? 100Mbps?
なるほど、そういうことね。OK理解した。であればオフィスでのトラフィックを再計算するまで。
ふむふむ、なるほど100Mbpsあれば事足りそう。よろしい。ではこれでお願いできますでしょうか。
さあ、回線も選定できました!やった!あとは開通を待つだけですね!
その間にオフィス内ネットワークの設計をしちゃいましょうね。
3.本当にあった怖い回線
パートナー様「もう1回線別キャリアの契約をおすすめします」
??? なんですと? 新しいオフィスの開所なのでなるべく費用は抑えたいのですが・・・
パートナー様「割と頻繁に回線障害が発生します」
私「またまたご冗談を、どんな障害が発生するのですか?」
パートナー様いわく
- 設備故障(わかる)
- プロバイダ側の不具合(わ、わかる)
- 大雨が降る(雨季のある国ですが・・・)
- 電柱からケーブル抜かれる(!?)
等々、瞬断ならかわいいものでそこそこの時間停止する、などは頻繁にあるとのことでした。
こうしてもう1キャリアの見積もりを進めるのでした。めでたし。めでたし。
これらのソースを示すことはできませんが、開所からしばらくしてベトナムオフィスの方に聞いたところ、
あー、ネットちょくちょく止まりますね〜、慣れましたけど
と、おっしゃっておりました。
なんて恐ろしい!
しかしベストエフォート品質が厳しかったため開所からしばらく後、ギャランティ型に変更したのは別のお話。
4.番外編-冗長化のススメ
キャリアと回線を選定したわけですが、
頻繁に障害が出るなんて話を聞いているからには冗長化をしておきましょう。
今回弊社のパターンでは2キャリアを冗長化目的でマルチホーミング
としVRRP
を組むことで
- メイン回線
- スタンバイ回線(兼フリースポット用)
という運用にするよう設計いたしました。
めでたし。めでたし。
まとめ
- 回線を選ぶ時は現地のシェアを調べましょう。こと回線においてはシェアが高い = 設備投資がされている。というのは概ね当てはまるのでは、と思います。
- 回線種類には気をつけましょう。ただやってみないとわからない事もあるのでコストと品質のバランスを検討した上でスモールスタートが望ましいと思います。
- 日本の常識は捨てて臨むこと。郷に入れば郷に従え。
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明日のAteam Group Manager & Specialist Advent Calendar 2020 10日目はあの@getty104さんが登場です!ご期待ください。
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インフラ系では当たり前の話ばかりかもですが ↩