「Java実力テスト」という記事を見かけたので、せっかくだから、LaTeXの実力テストをテキトーに作ってみました。超カンタンなので、“LaTeXに自信ニキ”な人なら10分で完答できると思います。
※ここでいうLaTeXとは、皆さんがいつも使っているあのLaTeX(\documentclass
から書き始めるやつ)のことです。
※文書本体(\begin{document}~\end{document}
の中身)だけが書かれている場合、特に指示がない限り、欧文標準クラス(article、report、book)の何れかが用いられていると仮定します。
Q1
次のうち、ソフトウェアの名前としての「LaTeX」の表記として許容されるものはどれか。
正しい組み合わせを次の選択肢から選べ。
- a
- a、b
- a、b、c
- a、b、d
- a、b、e
- f
Q2
現在(2018年3月)の最新のLaTeX(ソフトウェア)のバージョンは何か。
- 2.09
- 2e
- expl3
- 3.14159265
- 2017
- 2.0-pre42/PR17~alpha7+
Q3
次のコードは、現在有効な書体でフォントサイズを12ptに変えて「Hello!」を出力するものである。
{?????? Hello!}
??????
に入るべき適切なコードはどれか。
\large
\Large
\LARGE
\fontsize{12}{12}\selectfont
\fontsize=12pt
\font\Fa=cmfi10 at 12pt
Q4
Computer Modern系の欧文フォント(LaTeXの既定)が指定されて、かつフォントの代替が起こらない(※)という状況を仮定する。
※つまり「サンセリフ・太字・イタリック」などの組み合わせの全てが利用可能だと仮定する。
この場合に以下のコードから得られる出力はどれか。
\texttt{\textbf{\textsf{\textrm{\textit{abc}}}}}
Q5
以下の文章の空欄ア・イに入る適切な用語の組み合わせを選べ。
「テキストを色つきの枠で囲みたい場合は、color( ア )の \fcolorbox
( イ )を使います」
- ア=パッケージ / イ=命令
- ア=スタイル / イ=マクロ
- ア=クラス / イ=環境
- ア=スタイル / イ=命令
- ア=フォーマット / イ=マクロ
- ア=アクセラレーション / イ=ブースト
Q6
LaTeXで数式(インライン数式およびディスプレイ数式)を表すマークアップ記法として正しい組み合わせを選べ。
- インライン=
\(a+b)
/ ディスプレイ=\[a+b]
- インライン=
$a+b$
/ ディスプレイ=\[a+b\]
- インライン=
$a+b$
/ ディスプレイ=$$a+b$$
- インライン=
\(a+b\)
/ ディスプレイ=\{a+b\}
- インライン=
$\textstyle a+b$
/ ディスプレイ=$\displaystyle a+b$
- インライン=
a+b
/ ディスプレイ=a+b
Q7
以下のコードから得られる出力はどれか。
$c = 299,792,458\mathrm{ms^{-1}}$
Q8
次のような、大文字のギリシャ文字を含む数式を出力したい。
どのようなコードを書けばよいか。
※数式フォントパッケージは使用しないものとする。
※ASCII文字で入力する前提。
$\Beta(1/2,1/2) = (\Gamma(1/2))^2 = \pi$
$\uppercase{\beta(1/2,1/2) = (\gamma(1/2))^2} = \pi$
$\UTF{0392}(1/2,1/2) = (\UTF{0393}(1/2))^2 = \pi$
$B(1/2,1/2) = (\Gamma(1/2))^2 = \pi$
- 1~4のいずれも不適切
- 1~5のいずれも適切
Q9
以下のコードから得られる出力はどれか。
※枠は出力には含まれない。
\begin{quote}
Hello \TeX!
Hello \TeX!
Hello \TeX!\\
Hello \TeX!% この下に2行空行
Hello \TeX!
\end{quote}
Q10
\documentclass{book}
の設定をもつLaTeX文書では章見出し(\chapter{Something}
)が左揃えで出力される。
これを次のように右揃えで出力されるようにしたい。
この場合の正しい方針はどれか。
-
\raggedright
を利用する -
\begin{flushright}~\end{flushright}
を利用する -
\usepackage{geometry}
を利用する -
\documentclass
にオプション引数として[openright]
を追加する -
\documentclass
の引数をarticle
から別のものに変える -
\expandafter
音頭を夜通し踊り続ける
答えあわせ
いかがでしたか? 楽勝で満点確実、でしたね。だけど一応、完答できたかを確認しておきましょう。次のようなLaTeX文書を作ります。
\documentclass{article}
\begin{document}
% 引数に"Q1~Q10の回答の番号を並べた10桁の数字"
\pdfmdfivesum{6666666666}
\end{document}
これをpdfLaTeXでコンパイルして次の出力が得られればオッケーです!
※pdfTeXが古い場合、\pdfmdfivesum
が使えないようです。これは単にMD5ハッシュ値を求める機能なので、他のサイトやツールでMD5を求めることで代用できます。(改行を含めずに10文字だけ入力してください。)