【Go入門】make() の使い方

はじめに

Goを学び始めたばかりの頃、こんなことを思っていました。

• 「make() っていつ使うの？」
• 「new() とは何が違うの？」
• 「配列とスライスの違いもよくわからない…」

この記事では、Go初心者がつまずきがちな make() の使い方と考え方を、図やコード例を交えながらまとめてみたいと思います。

🔰 make() とは？

Goの組み込み関数 make() は、以下の3つの内部構造を持つ型に使います。

型	用途	例
slice	動的配列	make([]int, 5)
map	キーと値のペア	make(map[string]int)
chan	ゴルーチン間通信	make(chan int)

つまり、内部的にポインタやメモリ領域を持ち、初期化が必要な型のために使う関数です。

✅ なぜ make() が必要なの？

たとえば map を以下のように宣言しただけでは使えません。

var m map[string]int
m["foo"] = 1 // panic: assignment to entry in nil map

これは m が nil のままだからです。

正しく初期化するには make() が必要です。

m := make(map[string]int)
m["foo"] = 1 // OK!

🧪 make() の使い方を型別に解説

① スライス（slice）

s := make([]int, 3) // 長さ3、容量3のスライスを作る
fmt.Println(s) // [0 0 0]

s := make([]int, 2, 5) // 長さ2・容量5（内部的に余裕あり）

② マップ（map）

m := make(map[string]int)
m["a"] = 100
fmt.Println(m["a"]) // 100

m := make(map[string]int, 10) // 初期容量10（将来の挿入用）

③ チャネル（chan）

ch := make(chan int)
go func() {
    ch <- 10
}()
fmt.Println(<-ch) // 10

ch := make(chan int, 2)
ch <- 1
ch <- 2
fmt.Println(<-ch, <-ch) // 1 2

🚫 make() を使わないケース

arr := [3]int{1, 2, 3} // 配列は make 不要

p := new(int)
*p = 100
fmt.Println(*p) // 100

🔄 make() vs new() 比較表

	make()	new()
対象	slice, map, chan	任意の型
戻り値	値（非ポインタ）	ポインタ
ゼロ値？	ゼロ初期化＋内部構造の確保	ゼロ初期化のみ
用途	構造あり型の初期化	ポインタが欲しいとき

🧠 まとめ

• make() はスライス・マップ・チャネル専用の初期化関数
• 内部的な「領域の確保」や「ゼロ値の用意」も行ってくれる
• new() とは明確に用途が異なるので注意

🙋‍♀️ よくある初学者の疑問

Q. なぜ make([]int, 5) と []int{} は違うの？

A. make([]int, 5) は要素数5のスライス（[0,0,0,0,0]）を作ります。
一方 []int{} は長さ・容量0のスライスです。