Go言語は全ての型がnullableなのか？～nil可能な型とそうでない型の違い～

はじめに

Go言語を使っていると、よく相手になるのがnilの存在です。

特に「Goの型はすべてnullable？」と思われがちですが、実際は nilを受け付ける型とそうでない型があります 。

この記事では、Goでnilになりうる型とならない型の違いを明示にし、実用的な解説をします。

nilを受け付ける型（nullable型）

Goで「nullable」という場合、実質的にはnilを代入可能な型を指します。それらは下記のような型です。

型カテゴリ	例
ポインタ型	*int, *MyStruct
インターフェース	error, io.Reader
スライス	[]int
マップ	map[string]int
チャネル	chan int
関数	func(int) string

これらはすべてnilを代入可能で、nil かどうかをif x == nil で判断できます。

nilを受け付けない型

一方、以下のような型は「値型」であり、nilを代入できません。

型カテゴリ	例	ゼロ値
基本型	int, float64, bool	0, 0.0, false
配列	[4]int	要素すべてゼロ値
構造体	MyStruct	フィールドすべてゼロ値
カスタム値型	type MyInt int	0

実例：nilになる型とならない型

var a *int        // nil
var b int         // 0
var c []string    // nil
var d [3]string   // ["", "", ""]

変数	値	nil チェック可能か？
a	nil	✅ できる
b	0	❌ できない (int は nil にならない)
c	nil	✅ できる
d	["", "", ""]	❌ できない (array は nil にならない)

error 型は nullable？

Goでのerror型はインターフェースであり、nullable (つまり nil を代入可能)です。なので、以下のような記述もよく見かけます。

func DoSomething() error {
    if somethingWentWrong {
        return errors.New("oops")
    }
    return nil // エラーなし
}

nil は「エラーなし」を意味します。

まとめ

• Goのすべての型がnullableなわけではない
• nilを受け付けるのは pointer, interface, slice, map, channel, function
• 基本型（int, float, struct, array 等）は nil にならない
• error も interface の一種なので nullable