Swift の rethrows とはなんぞ

はじめに

Swift の rethrows を使うと、クロージャが throws を投げるかどうかに応じて関数の throws の有無が決まる という、便利なエラーハンドリングができます。しかし、「throws とは何が違うの？」「いつ rethrows を使うべき？」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

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1. rethrows とは？

rethrows は 「関数本体はエラーを投げないが、渡されたクロージャが throws の場合のみ throws になる」 という意味を持ちます。

通常の throws を使った関数と比べて、無駄な try を省略できる のが特徴です。

rethrows の例

func perform(operation: () throws -> Void) rethrows {
    try operation()
}

この perform 関数は、渡される operation が throws なら perform も throws になり、そうでなければ throws なしで呼び出せます。

使い方の違い

(1) throws なしのクロージャ

perform {
    print("エラーを投げない処理")
} // try 不要

(2) throws ありのクロージャ

do {
    try perform {
        throw NSError(domain: "ExampleError", code: 1, userInfo: nil)
    }
} catch {
    print("エラー: \(error)")
}

渡すクロージャが throws なので、try が必要になります。

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2. throws との違い

通常の throws を使う場合と比較すると、rethrows のメリットがよく分かります。

(1) throws を使う場合

func perform(operation: () throws -> Void) throws {
    do {
        try operation()
    } catch {
        throw NSError(domain: "ExampleError", code: 1, userInfo: nil)
    }
}

この場合、operation が throws でなくても、perform は常に throws になるので、呼び出し時に必ず try をつける必要があります。

do {
    try perform {
        print("エラーを投げない処理")
    } // try 必須！
} catch {
    print("エラー: \(error)")
}

🔻 無駄な try が発生してしまう！

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(2) rethrows を使う場合

func perform(operation: () throws -> Void) rethrows {
    try operation()
}

この場合、

• operation が throws なら try が必要。
• operation が throws でなければ try なしで呼べる。

perform {
    print("エラーを投げない処理")
} // try 不要

✔ エラーを投げない場合に try を省略できるので、コードがスッキリ！

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3. rethrows を活用するシチュエーション

Swift の標準ライブラリでも、rethrows はさまざまな場面で活用されています。

(1) compactMap(_:)

let numbers = ["1", "2", "three", "4"]

let result = numbers.compactMap { str in Int(str) }
print(result) // [1, 2, 4]

compactMap は rethrows を使っているため、クロージャが throws なら try が必要ですが、そうでなければ try なしでOK。

let result = try numbers.compactMap { str -> Int? in
    if let num = Int(str) {
        return num
    } else {
        throw NSError(domain: "InvalidNumber", code: 0, userInfo: nil)
    }
}

(2) カスタム関数で rethrows を活用

func execute(_ task: () throws -> Void) rethrows {
    try task()
}

これを使うと、

execute {
    print("エラーなしの処理")
} // try 不要

do {
    try execute {
        throw NSError(domain: "ExampleError", code: 1, userInfo: nil)
    }
} catch {
    print("エラー: \(error)")
}

✔ 不要な try を減らしつつ、エラーを投げる場面だけ try を強制できる！

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4. まとめ

特性	rethrows	throws
クロージャが throws の場合	throws になる	throws になる
クロージャが throws でない場合	throws にならない（try 不要）	throws のため try 必須
例外の変換	そのままスロー	catch で処理可能

rethrows を使うメリット

✅ クロージャが throws の場合だけ try を要求
✅ エラーを投げない場合に try を省略できるので、コードがスッキリ！
✅ Swift 標準ライブラリでも compactMap などで活用

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📝 補足メモ

• rethrows は関数の本体で throw することはできない
• rethrows を使う場合、クロージャの throws をそのまま伝搬するだけ