はじめに

Swift の guard は「異常ケースを先に処理する」ためのツールです。特にオプショナルのアンラップやバリデーションのチェックに適しており、コードの可読性を向上させることができます。

`guard` の基本

guard は 「条件を満たさない場合に処理を中断する」 という考え方です。

基本構文

guard 条件 else {
    // 条件が false の場合に実行する処理（早期リターン）
}

else ブロック内では return や throw などでスコープを抜ける必要があります。これにより

異常ケースを先に処理できる
正常な処理をフラットに記述できる

というメリットがあります。

`if` との違い

Swift では if でも同じような条件分岐ができますが、guard を使うことで コードのネストを減らし、意図が明確になる という利点があります。

❌ `if` の場合（ネストが深くなる）

func process(value: String?) {
    if let unwrappedValue = value {
        print("値は \(unwrappedValue) です")
    } else {
        print("値が nil です")
        return
    }
}

⭕️ `guard` の場合（異常ケースを先に処理）

func process(value: String?) {
    guard let unwrappedValue = value else {
        print("値が nil です")
        return
    }
    print("値は \(unwrappedValue) です")
}

guard のメリット:

else ブロックで異常ケースを先に処理 → 正常な処理がフラットに書ける
value をアンラップした変数がスコープ内で使える

`guard` を活用する場面

1. オプショナルのアンラップ（バリデーション）

guard let を使うと、値が nil の場合に即座に処理を中断できます。

func validateUser(name: String?) {
    guard let name = name, !name.isEmpty else {
        print("名前が無効です")
        return
    }
    print("ユーザー名: \(name)")
}

2. ネストを減らす（複数の条件チェック）

if を使うとネストが増えがちですが、guard を使うとスッキリ書けます。

❌ `if` だとネストが深い

func checkAge(age: Int?) {
    if let age = age {
        if age >= 18 {
            print("成人です")
        } else {
            print("未成年です")
        }
    } else {
        print("年齢が設定されていません")
    }
}

⭕️ `guard` で整理

func checkAge(age: Int?) {
    guard let age = age else {
        print("年齢が設定されていません")
        return
    }
    guard age >= 18 else {
        print("未成年です")
        return
    }
    print("成人です")
}

guard を使うことで 異常ケースを先に処理し、正常処理をフラットに記述 できる

3. 早期リターンで処理を最適化

関数内で特定の条件を満たさない場合、guard で不要な計算をスキップできます。

func processData(data: [Int]?) {
    guard let data = data, !data.isEmpty else {
        print("データがありません")
        return
    }
    print("データの処理を開始: \(data)")
}

`guard` を使うシーン

✅ オプショナルのアンラップ（guard let）
✅ バリデーションチェック（前提条件の確認）
✅ エラーハンドリング（異常ケースの即時処理）
✅ 非オプショナルの変数を確保し、スコープ全体で使いたい場合

まとめ

guard を使うと 「異常ケースを先に処理」 できる
if よりも ネストが浅くなり、可読性が向上
オプショナルバインディングやバリデーションに最適